今夜は、昨年7月に亡くなったSoyaさんを偲ぶため、高校時代からの友人が数名集まることになっている。その会に参加する予定だった一人が、ブログで僕のことを書いていた。それを読んで、ひどく憂鬱な気持ちになっているところだ。
彼が僕の陰口を言うだけならいい。これまでにも、彼は何度か僕のことを念頭に置いたであろうエントリーを書いている。まあ、大体のところは悪口だ。しかし、僕は特段何もすることなく、そのまま放置していた。彼が何を書くのも自由だし、嫌なら僕が読まなければいいだけだから。
でも、よりによって今かよ。大事な友人を偲ぼうという日。しかも、ブログには事実と異なることまで書かれている。……本当に嫌だ。嫌になる。
彼とは、高校時代からの知り合い。学年では、僕の方が1つ先輩だ。彼は大学卒業後、大手新聞社に入社し、カメラマンとして勤務。その後、出版社に転職して編集職を担当するようになった。現在は、フリーランスの編集者として働いているはずだ。一時期はそれなりに親しかった頃もあったが、やがて互いに嫌いあうようになった。
件のブログでは、その原因を、僕が彼の人格を徹底的に否定したからだと書いている。確かに、僕は彼に、ずいぶんとひどいことを言った。それは、詫びるしかないし、詫びたこともある。
一方、こちらに言わせれば、彼にも問題の一端はある。彼だって僕の人格を否定したことがあるし、僕の大切な人を、信じられないような言葉で傷つけたこともあった。彼は、僕によって傷つけられた事実を今も覚えている。それと同様に、僕は彼によって傷つけられたことを今でも覚えている。だが、そんなことを言い募っても不毛。そんなわけで、しばらくは互いに深く付き合うこともなく過ごしていた。
彼と決定的な諍いをしたのは、確か6~7年前のこと。彼は自らのサイトで、一緒に仕事をしているフリーライターが締め切りを守らなかったため、大変迷惑しているという旨の記事を書いていた。ご丁寧に、ライターさんの写真付きだったと記憶している。
当時、彼は出版社勤務。僕は今と同様、フリーランスだった。フリーの立場からすれば、企業に所属している編集者に「締め切りを守らないライター」と、ネット上で名指しされるのは辛い。また、もしそのライターに不満があるなら、誰もが読めるネット上に陰口として書くのではなく、そのライターに直接伝える方がフェアだと思った(彼の文章の書き方からして、そのライターの許可を得て記事を掲載しているとは到底思えなかった)。そこで僕は、彼にメールを書いた。まあ、今から振り返れば老婆心もいいところだったと思う。止めりゃあ良かったんだけど、そのライターの気持ちになったら、ついなあ……。
彼からの返信は、すぐに届いた。いわく、あなたからは過去にひどい言葉を投げつけられた。そのことを理解し、謝罪しない限り、一切対話などあり得ないという文面だった。
確かに、彼には何度もひどいことを言った。それは認めなければならない。そこで僕は、自分なりに誠意を込めて謝った。だが、僕だけが一方的に悪いわけではないのでは、と付け加えてしまった。これが、彼の逆鱗に触れてしまったようだ。彼の最後の返答は、「受信拒否します」。それ以来、彼とメールをやりとりする機会はなくなった。
そして、昨年7月。僕はSoyaさんが亡くなったことを、高校時代からの友人の中で一番最初に知った。僕は通夜、葬儀に間に合わせるため、知っている限りの人に連絡を入れた。その中に、例の彼も含まれていた。
過去にはいろいろあったが、少なくとも僕の方では、彼を許していた。そこで、極力冷静に連絡事項を伝えたつもりだ。続く初七日、義妹の家で「偲ぶ会」を開いたときは、僕が行くと彼が嫌がるかも知れないと思い、理由を拵えて参加しなかった。そして一周忌を迎える今年は、旧友で作ったメーリングリストを通じ、ごく普通に集まりの連絡を入れた。亡き友人の前では、過去のいきさつなんてどうでもいいことだと思っていた。
ところが、一昨日昼、彼から仕事で参加できない旨のメールが、メーリングリストに投稿されていた。その時は、忙しいのだろうなあとだけ思っていたが、昨夜、彼のブログを見てみると、僕と会いたくないから行くのを迷っていると書いてある。そして続いていたのは、僕を揶揄する言葉。記事が更新されたのは、メールが届いたずっと後。
彼が僕と会いたくないなら、それはそれでいい。ただ、どうしてそれを直接僕に言わず、ブログに書くのかなあ。しかも、今日。
正直に言って、どう対処していいのか分からなかった。そこで、気持ちを整理するため、このエントリーを書いた。
彼を非難するこのエントリーも、やはり陰口だ。最初は向こうのサイトにトラックバックを送って義理を果たそうとも思ったが、その後に続くかも知れないやりとりを想像すると、とてもできそうにない。そんなエネルギーは、残っていないのだ。
こうして陰口を叩く自分にも、またうんざりしている。だが、この文章を心に仕舞っておけるほど、僕は成熟していなかった。
すまん、Soya。来年はもう少し大人になって、「てげてげ」な対処ができるようになるから……。
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