サッカーの五輪代表が、最終予選でカザフスタンに勝ち、オリンピック出場権を獲得した。最初はどの選手もなんだか硬くて、大丈夫かって思ったんだけど、トルシエ監督が交代メンバーを投入してから流れが変わり、平瀬の2ゴールで逆転。最後は中村俊輔のフリーキックが見事決まってダメを押した。
この試合、3点目の中村のフリーキックの直前、中田英寿と中村が話をしていたシーンが、僕にとっては印象的だった。これに関しては、某掲示板に書きこんだ文章を引用しておく。
僕の中では、中村俊輔の評価ってこれまで低かったんですよ。
パスはうまいが、ひょろっとしていてすぐに転ぶし、
ふてくされてばっかりで、いざというときに役に立たん、と。ところが、今日の試合で、ちょっと見方が変わりました。
3点目のフリーキックの直前、セットされたボールの前で
中田が俊輔に向かって笑いながら話をしていましたよね。
あの顔は、強烈だったなあ。
これまで僕が見た代表の試合で、中田のあんな表情、初めてです。イシイさんが言っていたように、中田は楽しかったんだろうなあ、ホントに。
これは想像ですが、中田がああした表情をチームメイトに向けるのは、
財前とコンビを組んでいたとき以来ではないかと思ったりもします
(もちろん、そのシーンを見ているわけじゃないけど)。日本人は、なんでも道にするのが好きだって、良く言われますよね。
剣道、柔道、華道に茶道、
野球道、相撲道、板前道、作家道、東海道に織田無道……(ちょっとサブいっすね)。
で、決り文句は「相手がどうこようと、自分の相撲をとろうと思いました」。
加茂さんや岡田さん、それに井原あたりも、
「自分のサッカー」って表現を良く使ってたよなあ。でも、違うだろうよ。
サッカーの本質は、路地裏のトリックゲーム。
ガキ同士の、ボールを使った鬼ごっこだったりするわけだ。
そこでは、「自分の形」なんてカスだ。
相手の微かな動きを見て、相手の目の中に潜むわずかな影を覗きこんで、
そしてスルリと相手を交わして置いていく。
そういう「騙り」の精神こそがサッカーじゃあないですか?今日、中田は、日本代表戦では久しぶりに、そういう気持ちを思い出したんじゃあないのかなあ?
国立のフィールドで、本当のサッカーができる喜びを感じた。
そして俊輔は、中田というガキ大将に、遊び仲間に選んでもらった。
言葉を知らない日本人だった俊輔がガキ大将からボールを手渡され、左足で蹴り出すと、
「ゥウオーターッ!!」タイ戦で中田が右サイドの平瀬に出した高速パスに代表されるように、
中田以外のイレブンの手には、ジャブジャブと水がかけられていたと思うですよ僕は。
で、最初に言葉を獲得したのは俊輔だったのだと。
本当のサッカーを獲得したのは俊輔だったのだと。いっやあ、この後が楽しみだなあ。
小野が戻ってきたとき、俊輔と小野の間で、どんな化学反応が起こるんでしょうか?
錬金術師トルシエ(もちろん、彼も世界共通語を操ります。多分、ものすごく流暢に)が、
どんな風に「るつぼ」をかき回すんでしょうか?
そして、どんな生成物が生まれるんでしょうかねえ?
しかし、4年前にトルシエがいたら、
前園はどうなってたかねえ。長文失礼。
4年前のアトランタ代表も、ものすごく期待感を抱かせてくれるメンバーだったけど、シドニーの代表はそれ以上かも。こりゃあ、オリンピックが始まっても、楽しませてもらえそうだ。