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風邪をひく/上手いこというなあ

 風邪をひいてしまった。
 朝4時過ぎに目が覚め、何か暖かいものを食べようと思って台所をあさってみる。インスタント味噌汁やレトルトのふかひれスープを見つけたが、どことなくピンとこない。そこで、卵を割り、茶碗蒸を作って食べる。
 僕の茶碗蒸のレシピはいい加減で、解き卵に市販の出し汁、醤油、みりんを加えて混ぜ、沸騰した湯を張った大き目の鍋に入れて15分蒸すというだけのもの。でも、これが結構いけるのだ。特に、今日のように身体が暖かいものを欲しているときは、まだ熱い茶碗蒸が食道の奥を通っていくのがとても快感だ。

 ところで、「風邪をひく」ってのは、英語で「catch cold」だったよなあ。これってイメージとしては、風邪という病気が人間を、うゎーって襲うって感じなのかしら? なんか、ちょっと感じわかるよなあ。風邪くらいだと今は別に襲われるって雰囲気は薄いけど、昔はペストとかコレラクラスの病魔だったのかも。そうすっと、「catchされる」って感じにもなるだろう。上手いこと言うなあ。
 ところで、今まで読んできた小説の中で一番「上手いこと言うなあ」って印象に残ってるのは、高校生のときに現代国語の授業で読んだ、漱石の「こころ」だな。「鉛のような飯を食いました」とか「もう取り返しがつかないという黒い光が、わたしの未来を貫いて、一瞬間に私の前に横たわる全生涯をものすごく照らしました」なんて言いまわしは、今でも覚えてる。あるいは、梶井基次郎の「檸檬」の、「えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧(おさ)えつけていた。焦躁と言おうか、嫌悪と言おうか――酒を飲んだあとに宿酔があるように、酒を毎日飲んでいると宿酔に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。」という一節もそうだ。こういう言葉は、なかなか忘れない。
 で、こういう表現を、高校や大学時代はマネして書いたりしたもんだ。今読むと、そういう文章ってメチャこっぱずかしいんだろうなあ。ま、若気の至りってヤツか。

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1999年11月24日 00:00に投稿されたエントリーのページです。

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