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日本に対する愛情

 アメリカに旅行に行ったとき、確かシカゴあたりから乗った飛行機の中で、隣のジジイに話しかけられた。彼はマイアミに住んでいる娘の家に遊びに行くらしい。僕はマイアミでフットボールの試合を見に行くところで、それでジョー・モンタナとダン・マリーノはどちらがスゴイとか(彼も僕もモンタナ派だったので、当然「マリーノなんてダメさ」という結論に落ち着いたわけだが)、あるいは機内で上映されてたジム・キャリーの『マスク』を見た感想とか(僕はちょうど「slapstick」という単語を知っていて、それをそのジイさんに言ったら、ジイさんいたく気に入ったらしく、何度も「Yes,slapstick」と言って笑っていた。なにかのツボにハマったんだろうな)を言い合っていた。

 で、いつしか僕の住んでいる場所の話題になった。最初は彼、僕を中国人だと思ってたらしい。で、違う違う、実は僕は日本人だと。家は狭いし(事実、当時僕が住んでいた東京のアパートは、4畳半だったし)、道は混んでいて空気は汚い、そういう日本だって……言っちゃったんだよな。
 ところが、そのジイさん、ベトナム戦争時代に沖縄基地にいたんだってさ。で、兵役が終わると同時に婚約者を日本に呼んで、京都とか回ったらしい。そいで、「日本にはいいところがいっぱいあるじゃないか」ってたしなめられちまった。

 そうだよなあ、普通、「お前の住んでる国はどんなとこだ?」って聞かれたら、キョート、ソニー、ニンテンドー、ビューティフルネイチャー、テンノーって調子で答えるよなあ。でないと、会話がふくらんでいかないもん。ところが、僕はついつい日本を卑下しちゃった。
 つまりは、日本に対する誇りと、愛情が持ててないからなんだろうなあ……。

 もう1ヶ月くらい前になるかな、小渕首相が「日本という国に誇りを持てるようにしたい」というようなコメントをしていたような気がする(うろ覚え)。でも、それって今の状況では難しいと思うんだよな。
 日本に対して誇りや愛情を持つためには、実績が必要だ。海外で日本人が素晴らしい活躍をし、あるいは日本という国が海外で役に立っていれば、日本に対して誇りが持てるだろう。周囲の日本人や、あるいはメディアで報道されている日本人に素晴らしいと思える人物がたくさんいれば、日本に対して愛情も持てるかもしれない。でもなあ、政治家、官僚、警察組織、企業、メディア……、あらゆる分野を見渡してみても、なかなかそういう状況じゃあないもんな。50歳以上の連中が動かしている社会は、完全に閉塞しちゃってるのだ。
 そんな気分が充満しているからこそ、野茂や中田や城を応援するわけだし。


 コスモポリタンとインターナショナル、この2つの言葉の間には、実に大きな開きがあると、僕には感じられる。で、僕が嫌っている日本というのは、往々にしてコスモポリタニズムを採用していると思うのだ。あるいは、無責任な性善説とでも言うのかな。
 おそらく日本は、自信がない国なのだ。だから、コスモポリタニズム的な動き方しかできない。「俺は俺、お前はお前」という行き方ではなく、「みんな一緒にね、ね?」つう腰の引けた態度しか取れないのだ。

 なんだか俺、右翼みたいなこと言ってる?

 ま、自分が右か左かなんて良くわかんないけど、でも,今はそんな風に思ってるんだよなあ。


 1月、2月に読んだ本は、「ゴリラーマン7~10巻」(ハロルド作石/講談社漫画文庫)、「破産しない国イタリア」(内田洋子/平凡社新書)、「今夜、すべてのバーで」(中島らも/講談社文庫)、「芸能界地獄の問題集」(浅草キッド/青心社)、「笑芸人」(高田文夫編集/白夜書房)、「スポーツ20世紀1 サッカー 英雄たちの世紀」(ベースボールマガジン社ムック)、「Number PLUS 20世紀スポーツ最強伝説4 競馬 黄金の蹄鉄」「Number PLUS 20世紀スポーツ最強伝説5 格闘者 最強の夢に懸けた男たち」(文芸春秋)。

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2000年02月29日 00:00に投稿されたエントリーのページです。

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