今月は、自分としては珍しく、よく働いた。普段の2倍近い原稿を書いたんじゃないのかな。その上、プレステ2が出てはじめて「これは!」と思えるゲームソフトを買ってしまった。「マッデンNFL 2001」だ。
購入から2週間、すっかり大ハマリ状態になっている。仕事の徹夜はツライのに、ゲームでの徹夜は全く苦にならない。不思議なものだ。
少し前に、KDDIのポスターだったと思うが、永瀬正敏と豊川悦司の顔に星の形のマークを貼りつけているものがあった。これが、妙に目を引くんだよな。小学校あたりで貼られている交通安全のポスターなんかは、目のところに画鋲が刺されてたりするものだが、あの手法を確信犯的にやってるわけだ。
人間の顔にこうした細工を施すのは、不特定多数の注意を惹きつけようという目的のもとでは、正しいやり方だと思う。異形というものは、つい見てしまうものだ。特に、それが普段見慣れている「顔」であれば。
ただ、単に人目を引けばOKかというと、そうではないってのが広告の難しいところだよな。
もし僕が、とにかく人目を引くテレビCMを作れといわれたら、多分「ピー」という音しか流れないCMを作ると思う。で、15秒のサイズであれば、13秒くらいは「しばらくそのままでお待ちください」って画面にするな。で、最後の2秒ほどで商品名を出す。騒々しいテレビの中では、こういう仕掛けの方が目立つと思うのだ。しかし、これが優れたCMかというと、全然そんなことはないんだよな。
例えば、以前のビックカメラのテレビCMでは、SEとしてポケベルの呼び出し音が使われていた。僕は、編集者をしていた一時期、仕事でポケベルを持たされていたたのだが、当時ポケベルが鳴るということは、緊急に対応しなくてはならないトラブルが発生したことを意味していたんだよな。取材先のアポがドタキャンになったとか、色校を戻した印刷所からの疑問だとかさ。
終電間際に家路に就き、そろそろ自宅が近づいてきた頃、電波の届かない地下鉄の通路を出た瞬間にポケベルが鳴り出すと、僕はすっかりブルーな気分になって公衆電話を探したものだ。
そういうことで、テレビからビックカメラのCMが流れ、ポケベルのSEが聞こえると、僕はビクっと反応してしまっていたのだ。そして、それが本当のポケベルではなくCMだと気がついた後、「ったく、紛らわしい音ならすんじゃねえよ!」とテレビに向かって(心の中で)毒づいていた。ポケベルを持たなくなってしばらくしても、ビックカメラのCMが流れるたびにイヤな心持ちがしたな。少なくとも僕にとっては、あのCMはネガティブキャンペーンでしかなかった。
不特定多数に対して、何か意見を訴えるってのは難しい事だ。意見をはっきり言えば言うほど、誰かの気分を強烈に逆なでする可能性は高くなるしさ。