某編集部。席を並べて仕事をしていたデザイナーが、そのまた隣に座っていた別のデザイナーと話していた。
「やっぱり、ページの構成を考えて組み立てていく作業が一番楽しいよね」
「え、私は色を付けたりする方が全然楽しいなあ」
「うそ、色を付けるなんていうのは、おまけというかさ、付け足しの仕事みたいなものじゃん」
「そうか~?」
同じデザイナーでも、仕事にどんな楽しさを見いだすかって点は、全然ちがうんだなあ。
ま、ライターや編集者だってそうだ。原稿を書く作業が一番楽しいってヤツもいるし、取材で人の話を聞くのが最大の喜びってヤツもいる。ゲラを直す段階が一番楽しいという話は、あまり聞いたことがないが。
で、僕は、何といっても「打ち合わせ」が好きなのだ。特に、入稿までまだだいぶ時間があるタイミングでの、無責任にアイディアを出し合うブレストが大好物だ。思いつくままに話をし、参加者同士、「それ面白いっすねえ!」なんて盛り上がる瞬間こそ、こういう仕事の最大の醍醐味じゃないかと思う。
編集会議などに参加したのに、自分の企画以外ではほとんどしゃべらないライター、編集者ってのが、世の中にはいる。でもなあ、それってもったいないと思うんだよなあ。むしろ、他人の企画こそ、くだらないアイディアを連発する最高の機会なのにさあ。
なんてことを考えてみると、僕はライターというよりむしろ、企画商売の方が向いているのかもしれないな。