久しぶりに、ひどく長い夢を見た。ことによると、こんなに長い夢を見たのは初めてじゃないだろうか。なにしろ、連続ドラマ1クール分の夢だからな。もっとも、夢から覚めた今覚えているのは、「第13話」だけだったりするのだが。
僕は、新任の刑事として、ある警察署に赴任した。同僚は深津絵里。おそらく、ユースケ・サンタマリアもいたと思う。ただ、夢のネタ元は完全に『踊る大捜査線』のはずなのに、僕の相棒はよりによって伊集院光だった(なぜだ?)。
「1話」から「12話」までの内容は、断片的にしか覚えていない。かろうじて記憶に残っているのは、「リゾート地のホテルの入り口で、大会に出場することが決まった警察所属のアイスホッケー部(選手が全部で50人はいた。それじゃアメリカンフットボールだって)を、署員全員で万歳三唱した後に送り出す」とか、「『松戸市まで車を飛ばすと30分。よし、奴のアリバイは崩れた(どうしてそれで崩れることになるのか全く分からないのだが、そういうことになっていたのだから仕方がない)』と叫んでいる」なんてシーンだけだ。想像するに、それなりに充実した刑事生活を送っていたのだろう。
そして、いよいよ最終話に突入だ。
僕は、伊集院光と共に、とあるJRの駅前にいた。そこで2人は、犯人逮捕のための決定的なセリフ(青い空がどうの、とかいう内容だった)を思いだした。そして、ほぼ同時に、その言葉の意味するところを悟った。駅前には、青い空が描かれた看板があった。それをじっくりと見て、青に目を慣らした後、僕らは券売機の上にかかっている路線案内図に目を移した。すると、青い残像で読みづらくなった路線図の中に、1カ所だけ白く浮き上がって見えるところがあるではないか! それは、手掛かりとして残されていた図形にも、ピッタリと符合した。そして、2人は同時に叫んだ。「分かったぞ!」。僕らの後ろにいた制服姿の警察官が、無線で「犯人が分かったようです。緊急手配お願いします」と連絡している。
僕と伊集院は、応援を待つのももどかしく、電車に飛び乗った。中央線だ。路線図に示された場所である三鷹駅で降り、ホームを少し歩くと、応援に来たという同僚が2人、後ろから追いかけてきた。いかにもベテラン捜査員という雰囲気の渋いオヤジと、比較的若い女性というペアだ。
僕ら4人は、並んで数歩進んだ。ところが驚いたことに、いきなり伊集院が銃を抜き、オヤジ刑事に向けて構えた。オヤジは反射的に銃を抜き、一緒にいた女性刑事の頭に突きつけ、左手で彼女の首を押さえつけた。僕は、オヤジの後ろに立ち、やはり彼に向かって銃を構えた。
伊集院は、オヤジが犯人である理由を、理路整然と述べはじめた。僕は、同僚が犯人だったということと、いつもは間の抜けたことばかりしていた伊集院が、実は大層な切れ者であったことに驚きながら、必死で銃を握りしめていた。すると、オヤジ刑事は事件の経緯を語りはじめた(この辺のトーンは、『踊る……』というより、『ケイゾク』っぽかったな)。そして、全てを語り終わった時、ホームには電車が入ってきた。オヤジは女性刑事の首を抱えたまま、線路に落ちようとした、伊集院は素早く彼につかみかかった、だが……。
次の瞬間、僕は顔にしぶきがかかるのを感じた。ごく小さいかけらのようなものも混じっていた。足元に何かの塊が転がってきてぶつかった(多分、ちょうどその時、横に寝ていた5歳の次女に蹴られたのだろうと思う)。ホームに、3人の姿はなかった。
僕はどうしようもない無力感に襲われ、駅の階段を上った。
……そこで目が覚めた。
さすがに疲れたなあ。何しろ、3カ月たっぷり刑事をやってたわけだから。