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見える仕事、見えづらい仕事

 先日、ある記事の扉イラストの件で、アート・ディレクターさんと打ち合わせをした。イラストレーションファイルをめくり、ああだこうだと意見を出し合った後、これはというイラストレーターさんを見つけた。
 その方とは、面識がなかった。電話を入れて概要を説明した後、メールでイラストのイメージを伝えた。数日後、その方から送られてきたラフを確認すると、これがもう、イメージ通り、いや、イメージ以上のできばえ。思わず、周囲の人に自慢してしまった(僕が描いたわけでもないのに)。

 しかし、イラストレーターというのは、不思議な仕事だと思う。正直、うらやましいな。作品のファイルをみれば、その人が手掛けてきた仕事や、作風がすぐに分かるのだから。一度も会ったことがない人と、電話とメールだけで打ち合わせをして、思い通りのモノを仕上げてもらう。乱暴だが、イラストレーターの場合はそれが可能なのだ。
 ライターは、そうはいかない。過去に作った記事を見れば得意分野くらいは把握できるだろう。でも、やはり実際に仕事をしてみないと、どういうものを作るのかは分からない。
 
 編集者の仕事は、もっと分かりづらい。雑誌業界に詳しくない両親に自らの仕事を説明するとき、編集者は悩むものだ。

「あんたの仕事は何ね?」
「雑誌の編集者だよ」
「『へんしゅう』って何ね?」
「だから、雑誌を作ってるんだよ」
「雑誌の何を作ってるの? 文章を書いてんの?」
「いや、それはライターさんの仕事」
「じゃ、写真撮ったりしてんの?」
「いや、写真撮ったりイラスト描いてるのも他の人……」
「じゃ、いったい何してんの? 印刷かい?」
「それは印刷所の仕事!」
「それじゃ、あんたの仕事は何ね?」
「だからさあ、……もういいよ!!」


 世の中には、見える仕事と見えづらい仕事があるのだと思う。

 例えば、建築業界で働く人に取材をすると、「子供と一緒に車に乗ってるとき、『あのビルは父ちゃんが建てたんだぞ』と話しかける瞬間は、何とも言えず誇らしいですね」という話をよく聞く。手掛けたものが目に見える形で残るというのは、やはりうれしいものだろう。
 料理人も、見える仕事の代表格だ。理容師もそう。

 見える仕事と見えづらい仕事。どちらかというと前者の方が、仕事のやりがいを感じる機会は多いのではないか。 

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コメント (3)

確かにー。前はどんな仕事かって言われても何やってるか分かってもらえなかったですもん、やっぱり。
只デザイナーと云う肩書きは其れだけでカッコいい!となります。
みんながみんなそうじゃないんだよ?と思うんですが (^ ^ ; )
カタカナの職業ってカッコいい!ってなるんですかね!?フシギ。

白谷:

「カタカナ職業」を格好いいと思う人もいるんでしょうね。
僕は、なんとなくそういうのが居心地悪い感じなので、
名刺にはライターとかエディターではなく、
「編集・執筆」という肩書きを入れています。

ステキです。私もそう云う考え方が好きです。
今の肩書きは…自由人かな?(笑)

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2005年11月22日 12:54に投稿されたエントリーのページです。

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