夢を見た。
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僕は、ドラマ「ふぞろいの林檎たち」の世界にいた。
仲手川(中井貴一)と僕は、久しぶりに本田(国広富之)を訪ねていた(おそらく設定は、「ふぞろい~」のパート3くらいの時期だと思う)。本田は、以前とガラリと印象が変わり、とても柔和な笑顔で僕らを迎えてくれた。僕は本田の顔を見ながら、数年会わないだけで、人はこれほど変わるものかと驚いた。
僕と仲手川は、何か悲しい思いをしていたのだと思う。たとえば、共通の友人を亡くしたとか。公園のベンチのような場所で、そのことを本田に話した。すると彼は、ハードカバーで横長の本を取りだしてきた。
ページをめくると、朱色のページが目に飛び込んできた。背景は、夕日と海の写真。そこに、明朝体の、80級くらいある大きな文字が、十数行並んでいる。僕は一目見て、これは夏恵(高橋ひとみ)の遺書だと了解した(遺書がなぜ、ハードカバーに製本されているのかは分からないけど)。そして、背景写真で使われている海は、夏恵が身を投じた場所であろうとも感じた。
一行目には確か、「もう、どうでもいい」と書かれていたと思う。また、三行目以降はほとんど思い出せない(「カレンの不器用だが……」という文があった気もする)。
ただ、二行目の冒頭だけははっきり目に焼き付いている。「心言え。」だ。
遺書の中で夏恵は、本田に心を開けと諭していた。それがどんなにぎこちないものでも、心を開いて伝えようとすれば、相手の心をふるわせるものなのだと。本田が心を開ける人間に変わることが、私の最後の願いなのだというのが、遺書の骨子だった。
それで夏恵は、「心言え」と書いた。僕は、「夏恵は確か東京外語大を出てるのに、変な文章を書くなあ」と思った。それで、妙に記憶に残ったのだ。
遺書を僕らに見せながら、本田は少し寂しそうに笑った。すると、仲手川は本田に抱きついた。本田は最初、少しとまどったが、すぐに優しい笑顔になって、仲手川を抱き留めた。そして、仲手川の背中をトントンとたたき、彼を慰めた……。
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もっと長い夢だったのだが、今覚えているのはこのシーンだけ。遺書の次のページも読んだのだが(そちらは、12級くらいの小さな文字で、ぎっしりと書かれていた)、すっかり忘れてしまった。
こういう風に、ドラマの中に僕が入り込んでいる夢は、たまに見ることがある。ただ、僕が誰かの役をやっていることはさほど多くない。今日の夢でも、僕は岩田(時任三郎)ではなく、あくまで僕自身として夢に参加していた。