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子ども手当の「負担額」は、1人年5万円?

子ども手当法案が成立 1人月額1万3000円

 民主党が昨年夏の衆院選マニフェスト(政権公約)で目玉政策に掲げた子ども手当法案は、26日の参院本会議で民主、社民、国民新の与党3党と公明、共産両党などの賛成多数で可決、成立した。政府・与党は、月内に予定している高校無償化法案の成立とあわせて、低迷を続ける内閣支持率の回復のきっかけをつかみたい考えだ。

(2010年3月26日 MSN産経新聞ニュース)

 「子ども手当」の月額は、1人あたり1万3000円。さらに、来年度から、月額2万6000円に増やす予定とされている。つまり、子ども1人が1年間に支給される額は、2万6000円×12カ月=31万2000円だ。

 子ども手当が支給されるのは、0歳から15歳未満。総務省統計局の国勢調査報告によると、2005年時点の15歳未満人口は1752万人となっている。つまり、来年度からの子ども手当増額により、31万2000円×1752万人=5兆4662億円もの歳出が発生するわけだ。一方、2010年度の税収は37兆3960億円で、ただでさえ借金漬けの政府は、5兆円以上の財源捻出に苦しんでいる。

 このあたりの実感値をつかむには、時事ドットコムの「給料激減、借金まみれに=10年度予算案、家計に例えると」が分かりやすい。今の日本は、へそくりを合わせても年に47万円しか収入がないのに、44万円もの借金をして家計をやりくりしている家庭だ。現段階でのローン残高は600万円以上(時事ドットコムでは「6370万円」としているが、さすがにこれはケタを1つ間違っている。それでも、年収の15倍以上も借金があるという恐ろしい状況だが)。収入はバブル期をピークに右肩下がりで、昨年はついに、20年前の6割ほどに落ち込んでしまった。そして今、さらに5万円以上の負担を新たに抱えようとしているわけだ。そんなもの、上手くいくわけがない。どんな能天気なファイナンシャル・プランナーだって、ケツをまくって逃げ出すわな。

 もし、どうしても子ども手当を成立させたいなら、それに匹敵する収入を生み出すか、あるいは他の支出を削らなきゃ話にならないのは、それこそ子どもにだって分かる理屈だ。例えば、2010年度予算における消費税による収入は9兆6380億円。つまり、消費税率を5%から8%に上げれば、単純計算では5兆7800億円ほどの税収増になる(景気冷え込みによる税収減は無視する)。あるいは、医療費の国庫負担(2010年度は9兆4000億円)を半減するなどで支出を削る方法だってある。いずれにせよ、子ども手当にかかるコストは、最終的には国民が背負う。

 子ども手当が永続し、かつ、他分野での支出カットが行われないなら、いずれ増税が行われることは間違いない。そこで、子ども手当の実施に必要な金額を「子ども以外」の人口で割ってみると、こんな感じ。

5兆4662億円÷(日本の総人口1億2777万人-15歳未満人口1752万人)=4万9580円

 つまり子ども手当とは、「子ども以外の人」が年5万円ずつ出し合い、15歳未満の子ども(正確には、その保護者)に年31万2000円を与える制度ということになる。僕個人は、日本の次世代を背負う人たちを手厚く処遇するのはいいことだと思っているが、一方で、子どものいない人にとっては5万円の増税。現役世代の負担は、おそらくさらに大きくなるはずだ。このあたりの感想を、ぜひ、子どもがいない人たちに聞いてみたいんだよな……。

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コメント:4

バンビ 2010年3月29日

子ども手当、まさに私は子どもいません。年金みたいな感覚ですかねぇ。
そりゃ将来を背負うであろう若い世代が育つためであればと云うのはあるでしょうけど
必ずしもその手当が子どものために使われるかどうかはわからないわけで…。
だったら教育関係に投資した方が有意義な使い方ではと思うんですよねー。
働く両親のための保育所であったり(場所やそこで働く人を養成したり)
学校(教員の養成、教材)とかオリンピック選手を育てるだとか…
なんかいろいろ…あると思うんですよねぇ。
などと、単純に思っちゃいます。

白谷 2010年3月29日

バンビさん、コメントありがとうございます。

僕も、現金よりもインフラ整備を進めて欲しい派ですね~。
僕の周りにも「待機児童」を抱えている人が何人かいますし、
バカ高い無認可保育園に子供を預けている人もいます。
取りあえず、そっちの整備を急ぐがいいじゃねえかって思うんですよね。

ともさく 2010年3月31日

>必ずしもその手当が子どものために使われるかどうかはわからないわけで…。
>だったら教育関係に投資した方が有意義な使い方ではと思うんですよねー。

先日のある世論調査では、70%近い世帯が、
消費に回さず貯金に回すとの回答が占められたようです。

実は昔の地域振興券を悪く言う人が多いですが、
貯金が出来ず、必ず消費に回る仕掛けのほうが
まだ良かったのではと思います。

バンビさんのおっしゃるように、一部利権は心配ではありますが、
施設などの教育環境の充実に当てるほうが
望ましい姿だと思います。

白谷 2010年3月31日

そりゃあ、今のご時世、貯金したくなるのが人情ですよね。
それっていうのも、この国の行く末がどうなるのか、
誰も絵が描けてないからだと思うんです。

今の不景気をちゃんと改善しながら、
同時に、将来に向けた施策も打たなきゃ行けないわけで、
今の政治家は大変だと思います。
でも、やってもらわんと困るわけでねえ……。

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