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授業時間は5%増なのに、教科書は4割増

ページ4割増 進む「脱ゆとり」

 文部科学省は30日、09年度の教科書検定結果を公表した。主な対象は小学校で11年度から使われる教科書。学力低下批判を踏まえて授業時間を増やし、「脱ゆとり」路線に転換した新学習指導要領に対応する初めての教科書で、全教科の平均ページ数(B5換算)は6年分で計6079ページと、「ゆとり」を強調した以前の教科書(02~04年度使用)と比べると42.8%(1821ページ)増えている。

(2010年3月31日 毎日新聞)

 なるほど、悪評だらけだった「ゆとり教育」が、ようやく終わるわけだな。でも、このままの体制で、果たして「脱ゆとり」なんてできるんだろうか?
 一番心配なのは、学習内容に対し、授業時間が全く足りていないことだ。今の子供たちは、小学生が週27コマ、中学生が週28コマの授業を受けているが、11年にはそれぞれ1コマずつしか増えないらしい。その結果、小学生の6年間合計の授業時間は5.2%増(5367時間→5645時間)、中学生の3年間合計の授業時間は3.6%増(2940時間→3045時間)と、わずかな増加にとどまっている。
 小学生が、授業1時間あたりに消化する教科書のページ数は、それぞれこうなる。
○ゆとり時代……4258ページ÷5367時間=0.79ページ
○脱ゆとり時代……6079ページ÷5645時間=1.08ページ
 授業の進度は、36%もアップすることになる。ここが、何よりも心配の種だ。

 能力の高い教師なら、なんとか対応できるだろう。重要度の低い単元を見極め、そこを思い切って飛ばしてしまえばいいのだ。問題は、経験の浅い教師。重要な単元とそうでない単元が判断できなければ、自然、超特急で全ての単元を教えるというスタイルに傾くだろう。すると、教科書を進めるだけで手一杯になり、生徒の理解度など二の次になる。そして授業が一通り終わった後には、落ちこぼれが山ほど生まれるという構図ができあがるわけだ。
 学習内容を増やすのであれば、それに合わせて授業時間も増やすのが妥当だろう。当然、それに合わせて教師の増員も検討されるべきだ。もし、急な増員が難しいなら、彼らの業務(僕たち素人がビックリするほど、たくさんの雑務を抱えている)を補助する要員や、英語・理科実験・体育などを専門に手掛ける講師を増やして急場をしのげばいいと考える。
 あるいは、学習内容をA、B、Cの3ランクに分け、進度別にクラス編成して教える手もあるだろう。進度の遅いクラスでは基礎的なAランクのみ、標準的なクラスではBランクまで、成績のいいクラスでは発展的な内容のCランクまで教える、なんて仕組みにすれば、現場も混乱せずに済む。
 
 僕は、子供にたっぷり勉強させることは大賛成だ。でも、学習内容を増やすなら、現場のこともちゃんと考えてやってくれとも思う。コンセプトを立てるだけでは、クソの役にも立たない。それを実現化するディテールを煮詰めることが、ものごとを成就させる唯一の鍵なのだ。

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