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死刑制度のある国の割合は29.4%

中国に限らぬ薬物「厳罰」 東南アジア諸国でも死刑続く

 昭和47年の日中国交正常化以降、初となった中国での日本人の死刑執行。昨年12月には、英国政府の反対を押し切り、麻薬密輸罪で英国人に死刑が執行されるなど、中国は薬物事犯に厳罰で臨んでいる。国際人権団体は「死刑による麻薬撲滅の効果は少ない」として見直しを求めるが、厳罰は中国に限らず、東南アジア諸国でも同じだ。

(2010年4月6日 MSN産経ニュース)

 

薬物犯罪の最高刑、アジア16か国で「死刑」

 日本では、覚せい剤を営利目的で密輸した場合でも、最高刑は無期懲役。
 だが、アムネスティによると、アジア地域には、薬物に関連する犯罪で最高刑に「死刑」を設けている国が多い。2009年8月現在、中国、タイ、マレーシア、シンガポールなどアジアの16か国が、薬物犯罪の最高刑を死刑としており、自国民だけでなく外国人でも死刑が執行されているケースも少なくない。

(2010年4月6日  読売新聞)

 中国において麻薬密輸罪で死刑判決を受けていた日本人が、4月6日、刑に処された。
 上で紹介した記事で解説されているとおり、中国などアジア諸国では、麻薬に関する犯罪はきわめて重い。これは、麻薬の原産地の多くがアジアであることと、歴史的に、アヘン戦争など麻薬のせいで国が傾いた経験があるからだろう。

 ところで、今回の死刑執行に対して、さまざまな人権団体が抗議を行っている。その代表格アムネスティでは、「死刑に異議あり! キャンペーン」を展開している。こちらによれば、あらゆる犯罪に対する死刑を廃止しているのは95カ国。戦時の犯罪を除き、全ての死刑を廃止しているのが9カ国。過去10年以上死刑の執行がない「事実上の廃止国」が35カ国。そして、死刑を存置しているのが58カ国ということになっている。つまり、死刑を存置しているのは、58カ国÷(95カ国+9カ国+35カ国+58カ国)=29.4%ということになる。

 ちなみに、日本を含めた東アジア6カ国では、全ての国に死刑制度がある。ただし、それぞれの状況はかなり異なっている。以下は、覚え書きのつもり。

○韓国
1970年代から1997年にかけて、1年間に10~35人程度が死刑執行を受けてきた(Wikipedia)が、金大中(自らも政治犯として死刑判決を受けた経験あり)が大統領になった1998年以降、死刑執行をしていない。2007年には、死刑が10年間以上執行されなかったため、アムネスティ・インターナショナルによって「事実上の死刑廃止国」とされた。ただし、2010年2月、韓国憲法裁判所は死刑は合憲であるとの判決を下した(合憲5、違憲4の僅差)。また、執行停止期間中も死刑判決は出ており、現在は58人の死刑囚がいると言われる。

○北朝鮮
「北朝鮮、デノミ責任者を平壌で公開銃殺」(MSN産経ニュース)「北朝鮮が脱北者の処罰を強化か、処刑数も増加」(AFPBB News)「北朝鮮、外貨使用に死刑も」(時事ドットコム)など、頻繁に死刑が執行されている状況は、断片的に伝わっている、当然のことだが、死刑執行件数などのデータは明らかではないが、恐らく相当数の処刑者が出ているはず。

○台湾
Wikipediaによれば、1990年には78人が死刑執行を受けるなど、死刑の多い国として知られていた。しかし、1990年代後半から右肩下がりとなり、2002年から2005年までの執行件数は9→7→3→3件と推移。2006年以降、死刑執行を行っていない。ただし、死刑執行に反対の立場を表明していた法相が、世論からの非難を浴びて辞任に追い込まれており(Asahi.com)、今後、死刑が再び執行される可能性もある。

○中国
中国は、死刑執行件数を公表していない。しかし、アムネスティの「世界の人権2008」では、中国は2007年に少なくとも470人、2008年には1860人を処刑していると見られ、実数はさらに多いとしている。これは、2位のイラン(2008年に346人以上に死刑を執行)をはるかに上回る数字。もちろん、中国は世界で一番人口の多い国ではあるのだが、それでも死刑執行件数の多さは突出している。

○モンゴル
死刑制度あり。執行件数などは非公開だが、死刑反対派とされるエルベグドルジ大統領が就任した2009年以降は、死刑は執行されていないという(47NEWS)。ただし、国会は厳罰の存続を求める議員が多数派を占めており(BBC)、死刑制度の改正などは先の話になりそう。

○日本
1990年代以降、死刑執行数は0~7人の間で推移していたが、2006年は4人、2007年は9人、2008年は15人と増加傾向(法務省「検察統計統計表」などによる)。ただし、これは2001~2005年に死刑執行数が落ち込んだ反動とも考えられる。
ちなみに、1999~2008年の日本の死刑執行数は44人。これは、アメリカ(1999~2008年の死刑執行数は636人)や中国(年に数千人単位で死刑が行われていると言われる)に比べると、格段に低い。

 なお、死刑制度の是非に関する僕個人の態度については、また別の機会に述べるつもり。

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