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外国人参政権が認められれば、外国人知事誕生の可能性も?

亀井氏「外国人参政権付与は日本滅ぼす」

 永住外国人に地方選挙権を付与する法案に反対する1万人規模の集会が17日、東京・北の丸公園の日本武道館で開かれた。
(中略)
 一方、社民党党首の福島消費者相は17日、秋田県大館市で記者会見し、同法案について、「社民党は賛成だ。国政ではなく、地方選挙権という限られた付与だ。諸外国でも認めているところもある」と述べた。

(2010年4月17日  読売新聞)

 法務省の報道資料「平成20年末現在における外国人登録者統計について」によると、2008年の時点で一般永住外国人は49万2056人、特別永住外国人は42万0305人。合わせて91万2361人となっている。
 この中で、有権者になりうる人がどの程度いるのか、よく分からない。仮に、日本と同様(2005年の国勢調査では、20歳以上人口は1億0320万人で、全人口の81.1%にあたる)だと考えると、約74万人ということになる。これは、なかなかの数だ。
 例えば、2010年2月21日に行われた長崎県知事選挙では、投票総数が70万5441票、当選者の得票数は31万6603票だった。2009年11月8日の広島県知事選挙は当選者得票数が39万5638票、2009年10月25日の宮城県知事選挙は当選者得票数が64万7734人。参政権を持つ外国人がこれらの県に一挙に移住すれば、彼らが推す候補者が当選できたという計算になる。また、普天間飛行場のある沖縄県宜野湾市では2007年4月22日に市長選挙が行われているが、当選した伊波洋一現市長が獲得したのは2万1643票だった。74万人の3%ほどが宜野湾市に移住すれば、市長選に勝てた計算になる。
 もちろん、これらは机上の空論に過ぎない。ただし、可能性としてはゼロではない話だ。外国人参政権問題について議論する場合は、考慮に入れるべき数字だろう。

 ところで、僕は外国人参政権については、条件付きで賛成だ。条件とは、下記の3つ。

(1)他国で日本人の参政権が認められること

 他国で日本人の参政権が認められていないのに、日本で外国人の参政権を認めるということでは、不平等条約になってしまう。だから、周辺国家での導入状況を慎重に見極めるのは最低限必要だ。また、外国人参政権を認めている韓国にしても、「韓国の1人当たり国民総所得の4倍以上の年収」など厳しい条件を設けており、日本人の有権者数はわずか数十名に過ぎない。仮に日本で外国人参政権を認める場合も、他国とバランスのとれたハードルを設けるべきだ。

(2)「特別永住者」の廃止

 太平洋戦争が終わってから75年が経った今、特別永住者制度は廃止してもいいのではないか。外国人参政権という権利を新たに認めるタイミングで、特別永住者への優遇措置を取りやめて一般の永住者と同様に遇するというのは、一つの考え方だと思う。

(3)地方参政権に限る

 法務省サイト内の「国籍Q&A」によると、日本での帰化条件は下記の6つ。
(1)帰化申請の時点で、5年以上日本に住んでいること
(2)20歳以上であること
(3)素行面(犯罪歴や税金滞納の有無)で大きな問題がないこと
(4)安定して生活できる能力があること
(5)日本国籍を取得したら、他の国籍は持たないこと
(6)日本政府を暴力で破壊する意思などがないこと
 どれも、それほど高いハードルではない。日本でずっと暮らしたいと思うような人なら、自然とクリアできる条件だと思う。現に法務省サイト内の「帰化許可申請者数等の推移」によれば、2003年から2008年に帰化許可の申請をしたのは7万8343人。これに対し、期間中に93.9%にあたる7万3593人の帰化が認められた。一方、不許可者は1088人で、申請者の1.4%にすぎない(合計が100%にならないのは、審査中で結論がでていない人がいるからだと思われる)。
 それなのにあえて帰化をしない人は、日本より国籍のある国に愛着なり忠誠心なりを持っているということだろう。そうした人が国政に参加するのは、やはり問題だ。

 現時点では、(1)と(2)の条件が満たされていない。従って僕としては、日本で外国人参政権を認めるのは、時期尚早だと思っている。逆に、東アジア・東南アジアでEUのような国家連合を作る機運が生まれたら、それは外国人参政権を認める絶好の機会ではないか。

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 余談だが、上の記事でも取り上げられている福島瑞穂消費者相は、死刑制度に反対の立場だ。論拠の一つは、「世界の流れ」。先日、麻薬密輸罪で日本人が死刑になったときにも、「世界では死刑制度を廃止する国や、または執行停止を宣言する国が増加する傾向にある」という談話を発表していた。確かに、4月6日付けの記事でも紹介した通り、死刑制度のある国は29.4%に過ぎない。
 一方、福島氏は上の記事で、外国人参政権に賛成する理由の一つとして、「諸外国でも認めているところもある」と挙げている。ところが、外国人に参政権を与える国はごく少数派だ。Wikipediaによれば、地方レベルで国籍を問わず外国人に投票権を与える国は26カ国。世界に203ある独立国のうち、わずか12.8%ということになる。

 「世界の流れ」論で言えば、福島氏は外国人参政権を引っ込めるべきではないかと思うのだが……。

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