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沖縄県内の米軍基地は、山手線内の3.6倍の広さ

「普天間」を国外・県外へ 県民大会に9万人余

「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し国外・県外移設を求める県民大会」(主催・同実行委員会)が25日午後3時から、読谷村運動広場で開かれた。県内外から9万人余(主催者発表)が参加し、日米両政府に、県内移設断念と同飛行場の早期閉鎖、返還を訴えた。

(2010年4月25日 沖縄タイムス)

 普天間基地の移設を求める集会に、9万人が集まったという。恐らく、参加者の大半は沖縄本島の在住者だろう。沖縄県のサイト「沖縄県の推計人口」によれば、2010年3月時点における沖縄本島の人口は128万3268人。島民の7%が集会に参加した計算になる。集会の行われた読谷村や、その周辺の沖縄本島中部地域の参加率は、さらに高かったに違いない。
 沖縄県の人が、「日本は沖縄にばかり基地を押しつけている」と考える気持ちはよく分かる。沖縄県の「おきなわのすがた(平成22年3月版)」によれば、沖縄県内の米軍基地面積は233平方キロメートル。沖縄県の面積は2276平方キロメートルだから、県の10.2%は米軍基地なのだ。沖縄本島に限れば、島の面積1208平方キロメートルのうち、基地面積は222平方キロメートル。実に18.4%が米軍基地ということになる。騒音や米兵による犯罪といった実害もあるだろうし、戦時には敵襲を受ける危険性が高いという心理的負担も大きい。沖縄に基地はいらないと考える人が増えるのは、ごくごく自然だと思う。
 ただ、沖縄から基地をなくすのは、相当難しいことだ。
 地図帳を開いてみれば、沖縄基地の重要性はすぐに分かる。中国との間で潜在的な緊張状態が続く台湾の首都・台北とは、直線距離で600kmあまり。一方、移設先の候補の一つといわれるグアムの場合、台北との距離は2800kmもある。米海兵隊の輸送に使われるヘリコプターの航続距離は、カタログスペックで約2000km。戦闘時、ヘリは基地と戦場の間を往復しなければならないので、行動半径は航続距離の半分(1000km)以下となる。つまり、グアムに海兵隊がいたのでは、何かことが起きた場合に台湾を救えないわけだ。台湾とアメリカにとっては、とても認められない状況。日米同盟を破棄しない限り、基地の国外移設は考えづらいだろう。
 国内の移設にしても、現実的には難しい。軍隊というものは、さまざまな兵種を統合的に運用して初めて力を発揮する。ヘリコプター部隊はこっち、歩兵部隊はあっちなど、バラバラに配置するわけにはいかないのだ。しかし、沖縄県内に点在する基地施設をまとめて移設できる場所は限られている。なにしろ、沖縄県内の米軍基地面積・233平方キロメートルは、山手線内の面積(65平方キロメートル)の3.6倍に相当する広さだ。都合のいい土地が簡単に見つかるはずがない。仮に見つかったとしても、地元住民による反対運動が巻き起こるのは火を見るより明らかだ。
 結局、日米同盟という枠組みを守る限り、基地の国外・県外施設など到底無理だったのだ。だから、もし沖縄の米軍基地を移設するというなら、日米同盟の見直しもセットで議論すべきだった。例えば、「沖縄の米軍はグアムに撤収してもらう。その代わり、米軍に日本を守ってもらうことは考えない。沖縄には自衛隊の師団を置き、海軍力も増強して、中国や北朝鮮からの圧力に対抗する」といった方針を打ち出すなら、それはそれで筋は通っていると思う(賛成するかどうかは別問題だが)。ところが現政権は、日米同盟の見直しもせず、国内移転先の調査や説得も放置したまま、「基地の国外・県外移設を目指す」と軽はずみに発言してしまった。そりゃあ、上手くいくわけがない。
 大きな期待を持つほど、裏切られたときの落胆も大きくなる。今の沖縄は、まさにそれだ。もはや現政権に、怒りに震える沖縄を説得する方法は皆無だろう。5月で鳩山内閣が退陣する可能性は、極めて高い。問題は、その後だ。自・公政権に絶望したからこそ、民主党を選んだ日本。では、民主党に絶望した今、どこに期待をかければいいのだろうか。
 この閉塞した空気。しばらくは打ち払えそうもない。

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