- 2010年5月18日 23:24
- ニュースな数字
食品から1兆キロカロリー超削減 肥満撲滅へ業界が数値目標
【ワシントン共同】深刻化している子どもの肥満を撲滅しようと、米国内の主要な食品業者や飲料会社などで作る業界団体は17日、1年間に販売される食品の総カロリー量を2012年までに1兆キロカロリー、15年までに1兆5千億キロカロリー減らすとした数値目標を発表した。
アメリカの肥満問題は、日本では想像もつかないほどの深刻さだ。
OECDの「Health at a Glance 2009」によると、成人の中でBMI(体重を身長の2乗で割った指数)が30を超える人の割合は下記の通り。
| 国名 | BMI30以上の割合 |
| 日本 | 3.4% |
| 韓国 | 3.5% |
| イタリア | 9.9% |
| フランス | 10.5% |
| ドイツ | 13.6% |
| スペイン | 14.9% |
| (OECD平均) | 15.4% |
| イギリス | 24.0% |
| アメリカ | 34.3% |
BMI30は、身長160cmなら76.8kg、身長170cmなら86.7kgにあたる。日本にはBMI30以上の肥満者が30人に1人しかいないが、アメリカでは3人に1人。しかも、肥満者の割合は、30.6%(2002年)→32.2%(2004年)→34.3%(2006年)と目に見えて増えている。
子供の体重問題も、同様に大変な状況だ。BMIが25(身長160cmなら64kg、170cmなら72.25kg)を超える子供(11~15歳)の割合は、OECD平均で13.8%。これに対し、アメリカでは29.8%にも上る。この数値は4年前に比べ、男子で9%、女子で11%も悪化。状況が悪くなるペースは、むしろ大人より深刻かも知れない。
こうした状況だから、アメリカで、上のニュースで紹介されたようなカロリー規制が行われるのはよく理解できる。ただ、1兆kcalという目標は、少し低すぎるのではないか。
外務省の「各国・地域情勢」ページによると、アメリカの人口は3億0914万人。もし、アメリカにおける年間食品摂取カロリーを1兆kcal減らすと、1人あたりの減少量は
1兆kcal÷3億0914万人=3235kcal
ということになる。一方、「Health at a Glance 2003」によれば、アメリカ人が1日に摂取するカロリー量は3774kcal(2002年時点)。つまり、アメリカ全体で年に1兆kcal減らしても、1人あたりに換算すれば、1日分にも満たないわけだ。また、俗に「体脂肪1kgは7200kcal」と言われるから、
年間のカロリー摂取量3235kcal÷7200kcal=0.45kg
つまり、1年間で450gしか減量できない計算だ。
「1兆kcal」という数値目標は、高いように見えて、実はそうではない。もしアメリカが本気でダイエットに励もうと思うなら、もっと高い目標を打ち出してしかるべきだと思うのだが。
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