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2010年5月25日のアーカイブ

新素材を使った光ディスクには、433時間分の映像が記録できる?

光記録媒体:新素材発見 ブルーレイの200倍情報記録も

 光を当てるだけで、電気を通しやすい状態と通しにくい状態を行ったり来たりする金属酸化物を、大越慎一・東京大教授(物性化学)らのチームが発見した。光を使って情報を記録するDVDやブルーレイディスクの材料に比べ、格安で大量生産でき、記録密度もはるかに高いという。

(2010年5月24日 毎日新聞)

 ブルーレイディスクの記憶容量は、1層12cmのメディアの場合、約25GB。社団法人日本記録メディア工業会の「記録メディアニュース 2010年2月号」によれば、BSデジタル放送を非圧縮(24Mbps)で録画した場合、録画可能時間は2時間10分(130分)とされている。
 上のニュースによると、光ディスクに使えばブルーレイディスクの200倍の密度で情報を記録できる素材が見つかったらしい。単純計算すれば、ブルーレイディスクと同じサイズのディスクに、130分×200倍=26000分(433時間20分)もの映像が記録できるわけだ。民放の1時間枠のテレビドラマでは、CMを抜いた1話あたりの放送時間は45分ほど。つまり、26000分の映像が記録できるディスクなら、580話ほどが収録できることになる。週1回放送しても11年以上かかる計算で、「3年B組金八先生」(全175話)、「西部警察」(レギュラーのみで全236話)あたりなら余裕で収まる。1枚に収録しきれない国内ドラマは「水戸黄門」(2009年12月末時点で1172話分を放送)など、放送年数が2ケタに達する超長寿番組くらいのものだ。
 しかし、長時間録画が可能なディスクがあっても、果たしてそれは有用だろうか? 何しろ、人が映像の視聴に費やす時間は限られている。433時間分の映像を全部見られる暇人など、そんなにたくさんはいないはずだ。また、1枚のディスクに膨大な映像が収められている場合、仮にディスクが破損すれば、被害も大きくなる。例えば、TBSの直販サイト「TBSishop」を見てみると、「3年B組金八先生」のDVDボックスは、1シリーズあたり4万円前後といったところ(放送が1クールだけだった第3シリーズのみ、2万5000円程度)。全8シリーズを揃えると、価格は30万円を超える。これらが全て収録されたディスクを割ってしまったら、しばらくはショックで寝込んでしまいそうだ。
 今回、テレビ放送がハイビジョン化されたことで、映像の高精細化は一段落ついた。今後しばらくは、現在の規格が標準となるはず。また、今話題の3D映像にしても、データ量は2倍(右目と左目用のデータを用意するため)以下で収まるらしい。デジタル機器におけるデータ転送速度は、今、踊り場に差し掛かっているのだ。こうした状況で、ブルーレイディスクの200倍も容量のあるメディアが生まれても、あまり使い道はないような気がする。
 ただし、新しい技術の登場が世の中を変えるケースだってあり得る。代表例が、ブロードバンドの出現だ。ネットの帯域が広がったことで、Youtube、ニコニコ動画、そしてUstreamといった新たな場が生まれた。新たなディスクの登場は、世の中を変える力を秘めているのだろうか?

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