ホーム > ニュースな数字 > 左投手が1試合に奪う三振は、右投手より0.88個多い

左投手が1試合に奪う三振は、右投手より0.88個多い

楽天の岩隈投手が通算1000奪三振

 楽天の岩隈久志投手が5日の横浜戦(横浜)でプロ通算1000奪三振を達成した。初の奪三振は2001年5月29日の日本ハム戦(東京ドーム)、野口寿浩から。

(2010年6月5日 デイリースポーツオンライン)

 楽天の岩隈投手が1000奪三振を達成した。現役投手の達成者は岩隈を含めてわずか13人で、通算でも128人しかいない。素晴らしい記録だ。
 ところで、本日時点での岩隈の奪三振数は1004、投球回数は1315回2/3。奪三振率(9イニング投げた場合の平均奪三振数。奪三振数÷投球回数×9イニングで算出)は6.87。一方、日本野球機構のオフィシャルサイト「2009年度 パシフィック・リーグ チーム投手成績」ページによれば、昨年のパ・リーグ6球団の総奪三振数は6024、総投球回数は7737となっている。つまり、パ・リーグ全投手の平均奪三振率は6024÷7737×9=7.01。最速150km/hの速球と切れのあるフォーク、スライダーを操る岩隈の奪三振率は、意外なことに、さほど高くないわけだ。

 背景には、4月1日に書いた記事「プロ野球、左投手の割合は33.6%」でも触れた「左投手優位説」があるように思う。そこで、日本野球機構オフィシャルサイトの「奪三振(通算記録)」ページから、通算奪三振数ランキングの上位20人を抜き出してみたのが次の表だ。(以下は全て、2010年6月4日時点でのデータ。)

左投手 氏名 奪三振数 投球回数 奪三振率
金田正一 4490 5526回2/3 7.31
  米田哲也 3388 5130回 5.94
  小山正明 3159 4899回 5.80
鈴木啓示 3061 4600回1/3  5.99
江夏 豊 2987  3196回  8.41
梶本隆夫 2945  4208回  6.30
工藤公康 2852  3330回2/3  7.71
  稲尾和久 2574  3599回  6.44
  村田兆治 2363  3331回1/3  6.38
  村山 実 2271  3050回1/3  6.70
小野正一 2244  2909回  6.94
山本 昌 2192  3147回2/3  6.27
  槙原寛己 2111  2485回  7.65
川口和久 2092  2410回  7.81
  山田久志 2058  3865回 4.79
  平松政次 2045  3360回2/3  5.48
星野伸之 2041  2669回1/3  6.88
  三浦大輔 2034  2563回  7.14
  松岡 弘 2008  3240回  5.58
高橋一三 1997  2778回  6.47
  平均奪三振率 6.52

 プロ野球投手の中で左投げの割合は、3分の1から4分の1といったところ。しかし、奪三振ランキング上位20人のうち、左投手が半分の10人を占めている。さらに、右投手10人の平均奪三振率が6.08であるのに対し、左投手は6.96。明らかに、左投手の奪三振率の方が高い。たった20人のサンプルで言い切るのははなはだ乱暴ではあるが、左投手が1試合で奪う三振の数は、右投手のそれより0.88個、14.5%も多いのだ。

 特に面白いのが、ともにストレートとカーブのコンビネーションで戦っていた投手、江川卓(元巨人・通算奪三振ランキング61位)と星野伸之(元阪急→オリックス→阪神・ランキング17位)の対比。快速球の代名詞で、オールスター戦での8連続奪三振など三振を取りまくったイメージのある江川は、1857回1/3の投球回数に対して奪三振数は1366。奪三振率は6.62に過ぎない。一方、ストレートの球速はせいぜい130km//h。ボールがあまりに遅くて、捕手が思わずグローブのない右手で捕球してしまったという逸話を持つ星野は、奪三振率が6.88。にわかには信じがたいのだが、江川より星野の方が三振を取れるピッチャーだったのだ。これも、星野が左投手であったが故かもしれない。

 ちなみに、通算奪三振ランキング上位100人の中で、奪三振率が9を超えている(つまり、イニングごとに1つ以上の三振を奪う)投手は、下記の3人だけ。

左投手 氏名 奪三振数 投球回数 奪三振率
石井一久 1901 1854回1/3 9.23
杉内俊哉 1302 1243回1/3 9.42
  野茂英雄 1204 1051回1/3 10.31

 石井(現西武)も杉内(現ダイエー)も左投手。しかし、ただ一人奪三振率が10を超えている野茂だけは、右投手だ。不利な条件をはねのけ、突出した奪三振率をたたき出した野茂は、やはり凄い。

 先駆者として海を渡り、独自のフォームで日米のファンを魅了した野茂英雄。奪三振率の高さもまた、彼の偉大さを雄弁に物語っている。

—-
※2つのブログランキングに参加中です。下のバナーをクリックしていただけると嬉しいです。

人気ブログランキングへ にほんブログ村 ニュースブログへ

—-

関連する記事:


コメント:0

コメントフォーム
入力した情報を記憶する

トラックバック:0

この記事のトラックバック URL
http://www.shiratani.net/2010/06/05/%e5%b7%a6%e6%8a%95%e6%89%8b%e3%81%8c1%e8%a9%a6%e5%90%88%e3%81%a7%e5%a5%aa%e3%81%86%e4%b8%89%e6%8c%af%e3%81%af%e3%80%81%e5%8f%b3%e6%8a%95%e6%89%8b%e3%82%88%e3%82%8a0-88%e5%80%8b%e5%a4%9a%e3%81%84/trackback/
トラックバックの送信元リスト
左投手が1試合に奪う三振は、右投手より0.88個多い - 白谷のノート(3冊目) より

ホーム > ニュースな数字 > 左投手が1試合に奪う三振は、右投手より0.88個多い

注意書き
 このサイトはリンクフリーです。個別記事への直リンクも問題ありません。引用については、ルールの範囲内でどうぞ。
 記事に誤りなどがあれば、コメント欄、または書き手についてページ内のメールフォームを使ってお教えいただけると、大変ありがたいです。
 初めてコメントをご投稿いただく場合、管理人の承認が行われるまで表示されないことがあります。時に、承認まで数日かかることもありますので、あらかじめご了承ください。
書き手について、他
検索
過去に書いたこと
ブックマークとRSS

全ての記事(RSS2.0)
全ての記事(Atom)
全てのコメント(RSS2.0)


過去につぶやいたこと
つぶやいたこと

ページの上部に戻る