- 2010年6月5日 22:55
- ニュースな数字
楽天の岩隈投手が通算1000奪三振
楽天の岩隈久志投手が5日の横浜戦(横浜)でプロ通算1000奪三振を達成した。初の奪三振は2001年5月29日の日本ハム戦(東京ドーム)、野口寿浩から。
楽天の岩隈投手が1000奪三振を達成した。現役投手の達成者は岩隈を含めてわずか13人で、通算でも128人しかいない。素晴らしい記録だ。
ところで、本日時点での岩隈の奪三振数は1004、投球回数は1315回2/3。奪三振率(9イニング投げた場合の平均奪三振数。奪三振数÷投球回数×9イニングで算出)は6.87。一方、日本野球機構のオフィシャルサイト「2009年度 パシフィック・リーグ チーム投手成績」ページによれば、昨年のパ・リーグ6球団の総奪三振数は6024、総投球回数は7737となっている。つまり、パ・リーグ全投手の平均奪三振率は6024÷7737×9=7.01。最速150km/hの速球と切れのあるフォーク、スライダーを操る岩隈の奪三振率は、意外なことに、さほど高くないわけだ。
背景には、4月1日に書いた記事「プロ野球、左投手の割合は33.6%」でも触れた「左投手優位説」があるように思う。そこで、日本野球機構オフィシャルサイトの「奪三振(通算記録)」ページから、通算奪三振数ランキングの上位20人を抜き出してみたのが次の表だ。(以下は全て、2010年6月4日時点でのデータ。)
| 左投手 | 氏名 | 奪三振数 | 投球回数 | 奪三振率 |
| ◎ | 金田正一 | 4490 | 5526回2/3 | 7.31 |
| 米田哲也 | 3388 | 5130回 | 5.94 | |
| 小山正明 | 3159 | 4899回 | 5.80 | |
| ◎ | 鈴木啓示 | 3061 | 4600回1/3 | 5.99 |
| ◎ | 江夏 豊 | 2987 | 3196回 | 8.41 |
| ◎ | 梶本隆夫 | 2945 | 4208回 | 6.30 |
| ◎ | 工藤公康 | 2852 | 3330回2/3 | 7.71 |
| 稲尾和久 | 2574 | 3599回 | 6.44 | |
| 村田兆治 | 2363 | 3331回1/3 | 6.38 | |
| 村山 実 | 2271 | 3050回1/3 | 6.70 | |
| ◎ | 小野正一 | 2244 | 2909回 | 6.94 |
| ◎ | 山本 昌 | 2192 | 3147回2/3 | 6.27 |
| 槙原寛己 | 2111 | 2485回 | 7.65 | |
| ◎ | 川口和久 | 2092 | 2410回 | 7.81 |
| 山田久志 | 2058 | 3865回 | 4.79 | |
| 平松政次 | 2045 | 3360回2/3 | 5.48 | |
| ◎ | 星野伸之 | 2041 | 2669回1/3 | 6.88 |
| 三浦大輔 | 2034 | 2563回 | 7.14 | |
| 松岡 弘 | 2008 | 3240回 | 5.58 | |
| ◎ | 高橋一三 | 1997 | 2778回 | 6.47 |
| 平均奪三振率 | 6.52 | |||
プロ野球投手の中で左投げの割合は、3分の1から4分の1といったところ。しかし、奪三振ランキング上位20人のうち、左投手が半分の10人を占めている。さらに、右投手10人の平均奪三振率が6.08であるのに対し、左投手は6.96。明らかに、左投手の奪三振率の方が高い。たった20人のサンプルで言い切るのははなはだ乱暴ではあるが、左投手が1試合で奪う三振の数は、右投手のそれより0.88個、14.5%も多いのだ。
特に面白いのが、ともにストレートとカーブのコンビネーションで戦っていた投手、江川卓(元巨人・通算奪三振ランキング61位)と星野伸之(元阪急→オリックス→阪神・ランキング17位)の対比。快速球の代名詞で、オールスター戦での8連続奪三振など三振を取りまくったイメージのある江川は、1857回1/3の投球回数に対して奪三振数は1366。奪三振率は6.62に過ぎない。一方、ストレートの球速はせいぜい130km//h。ボールがあまりに遅くて、捕手が思わずグローブのない右手で捕球してしまったという逸話を持つ星野は、奪三振率が6.88。にわかには信じがたいのだが、江川より星野の方が三振を取れるピッチャーだったのだ。これも、星野が左投手であったが故かもしれない。
ちなみに、通算奪三振ランキング上位100人の中で、奪三振率が9を超えている(つまり、イニングごとに1つ以上の三振を奪う)投手は、下記の3人だけ。
| 左投手 | 氏名 | 奪三振数 | 投球回数 | 奪三振率 |
| ◎ | 石井一久 | 1901 | 1854回1/3 | 9.23 |
| ◎ | 杉内俊哉 | 1302 | 1243回1/3 | 9.42 |
| 野茂英雄 | 1204 | 1051回1/3 | 10.31 |
石井(現西武)も杉内(現ダイエー)も左投手。しかし、ただ一人奪三振率が10を超えている野茂だけは、右投手だ。不利な条件をはねのけ、突出した奪三振率をたたき出した野茂は、やはり凄い。
先駆者として海を渡り、独自のフォームで日米のファンを魅了した野茂英雄。奪三振率の高さもまた、彼の偉大さを雄弁に物語っている。
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