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2010年7月15日のアーカイブ

消費税率が15%になると、税収に占める割合は5割を突破する?

IMF:「日本の財政に不安」 消費税15%例示--年次報告書

 【ワシントン斉藤信宏】国際通貨基金(IMF)は14日、日本に関する年次審査報告書を発表し、「欧州での財政危機の深刻化で日本の財政に対する不安が高まっている」と指摘した。そのうえで、11年度からの財政再建の開始を求め、現在5%の消費税を今後10年で15%まで引き上げることを例示した。国内の税制論議に影響を与える可能性もありそうだ。

(2010年7月15日 毎日新聞)

 IMFに指摘されなくとも、日本の財政に大きな不安があるのは明らかだ。2010年度の政府予算案を見ると、「租税および印紙収入」は37兆3960億円、「その他収入」が10兆6002億円で、合わせて47兆9962億円。これに対し、国債費を除いた歳出は71兆6501億円。その差は23兆6539億円にも上る。不況で税収は落ち込んでいるし、少子高齢化で医療費・社会保障費は右肩上がり。さらに、数百兆円に上る国債残高がバランスシートにのしかかっている。このまま放置しておけば、いずれ破綻する日がやってくるのは小学生だって分かることだ。
 歳出が歳入を大きく上回る現状を解決するには、増税によって歳入を増やし、並行して、医療費負担増や年金額引き下げなどで歳出を削減するより他にない(ハイパーインフレによる「徳政令」は、輸出入をしなければ生きられない日本にとってはあり得ない手段)。そこで政治家やIMFなどは、最も取りやすい税金である消費税の税率を上げるのが早道だと考えているのだ。
 だが、僕は単に消費税率を15%にする案には反対だ。その根拠が、下の表。財務省の「国庫歳入歳出状況」ページから、2000年と2010年の歳入予算案を抜粋した。また、参考のために、2010年の消費税収入のみを3倍した数字を並べている。

  2000年 2010年 消費税率3倍の場合
  金額 割合 金額 割合 金額 割合
所得税 19兆0470億円 38.2% 12兆6140億円 33.7% 12兆6140億円 22.3%
法人税 10兆8160億円 21.7% 5兆9530億円 15.9% 5兆9530億円 10.5%
相続税 1兆6710億円 3.3% 1兆2710億円 3.4% 1兆2710億円 2.2%
消費税 9兆8560億円 19.8% 9兆6380億円 25.8% 28兆9140億円 51.0%
酒税 1兆8600億円 3.7% 1兆3830億円 3.7% 1兆3830億円 2.4%
たばこ税 9000億円 1.8% 8270億円 2.2% 8270億円 1.5%
揮発油税 2兆0780億円 4.2% 2兆5760億円 6.9% 2兆5760億円 4.5%
その他税 2兆1560億円 4.3% 2兆1100億円 5.6% 2兆1100億円 3.7%
印紙収入 1兆5110億円 3.0% 1兆0240億円 2.7% 1兆0240億円 1.8%
合計 49兆8950億円 100% 37兆3960億円 100% 56兆6720億円 100%

 歳入に占める消費税の割合は、2000年の19.8%から、2010年には25.8%へと増えている。一方、所得税・法人税の割合は減少した。消費税は、金持ちからも貧乏人からも等しく徴税する逆進性の高い税金。ここ数年の日本では、税制上、富裕層優遇が進んでいることになる。この上、消費税率を3倍にすると、税収に占める消費税の割合は5割を超えてしまう。これは、あまりに貧困層に厳しい税制だと思うのだ。だから、前提なしの消費税率アップという主張は、受け入れられない。
 ただし、消費税にもメリットはある。それは、徴税に関わる社会的コストが低いことだ。徴税・納税の手間は小さいし、脱税のリスクも少ない。そうした利点を生かしつつ消費税率を上げる代わりに、逆進性をゆるめるための精一杯の施策を行うというなら、納得はできる。
 貧困層の子弟でも高等教育を受けられるための奨学金制度。生活に必要な衣・食・住関連支出への、消費税率の軽減。失業者に対する生活保障や教育訓練サービスの提供……。そうしたセーフティネットの整備とセットにして消費税率アップを語るなら、僕もぜひ、耳を傾けたいと思っている。

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