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ジェフ千葉、しばしのさよなら

巻選手移籍会見全文「笑われるかもしれないけど、僕の中ではマンUやバルサと同じ価値がジェフにはある」

「今回、わたくし、巻誠一郎はジェフユナイテッド千葉からアムカル・ペルミの方へ移籍することが決まりました。(中略)最後は笑顔で皆さんにあいさつできればという気持ちでいっぱいです。このクラブには色々と本当にお世話になったと思っているので感謝の気持ちでいっぱいです」

(2010年7月27日 エル・ゴラッソweb版 BLOGOLA)

巻誠一郎選手の移籍が決まりました。

巻は、ジェフユナイテッド千葉にとって特別な選手です。
ジェフにおける公式戦出場回数(269試合)は、
坂本將貴(351試合)、中西永輔(332試合)、
茶野隆行(281試合)に次いで4位。
通算得点数(68点)は、崔龍洙(64点)や
ネナド・マスロバル(53点)を抑えて
堂々の1位となっています。
そして、スタッツ以上に重要なのが、
巻がジェフの「生え抜き」だったことでした。

ジェフは、主力選手の流出を何度も経験しています。
2003年オフの中西、2004年の茶野、村井慎二、
2006年の阿部勇樹、坂本將貴。
そして2007年オフには、佐藤勇人、羽生直剛、山岸智、
水本裕貴、水野晃樹がチームを去りました。
もちろん、よりよい待遇や新しい環境を求め、
移籍を志願した選手もいたでしょう。
しかし、ジェフというクラブへの不満が移籍の引き金になったり、
クラブが功労選手を追い出すケースも少なくなかったと聞きます。
選手を大事にしないクラブ。
そして、選手にも愛想をつかされるクラブ。
悲しいことですが、それがジェフのイメージなのでしょう。

そんななか、巻だけはジェフを見捨てませんでした。
駒大を卒業してから、ずっとジェフ一筋。
他クラブから好条件のオファーを受けたこともあったようですが、
決して首を縦に振りませんでした。
2008年12月28日付け日刊スポーツ記事
千葉巻年俸増断る『環境づくりにお金を』
などから伝わるように、彼は誰よりも
クラブと同僚を大切にしていた選手だったと思います。

思い出に残るプレイもたくさんあります。
2005年のナビスコカップで初タイトルを獲得したときは、
巻が勝利を決める最後のPKを蹴りました。
キックが上手くない巻が5人目のキッカーに出てきたとき、
不安になったスタンドが少しだけざわめいたのが懐かしい(笑)。
奇跡のJ1残留を決めた2008年最終戦では、
0-2で負けていたチームを、巻だけが大声で鼓舞していましたね。
そして、2009年に降格が決まった試合では、
サポーターに何度も謝り、大粒の涙を流し続けました。
彼のプレイを批判する人はいましたが、
人柄や熱意を疑う人は、ごくごく少数派だったはずです。

数多くの実績、クラブに捧げた情熱、
そしてたくさんの記憶に残るプレイと言動。
巻は、疑いなく特別な選手です。
そして、特別な扱いを受けてしかるべき選手だと、
僕は確信しています。

上で紹介した記事によれば、
そんな巻の移籍に際して、クラブの社長はこのようにコメントました。

「どの選手がこのクラブを1番愛しているとかそういう話ではなくて
みんな、このクラブのために一生懸命やろうという風に思って
頑張ってきてくれたし、巻くんも一生懸命、
駒澤大学を出てからこの間、頑張ってきてくれました。
誰がどうのではないと思いますし……(以下略)」

つまり、社長は巻を、ただの一選手だと言っています。
他の選手と大差ない、移籍させても問題ない選手だと言っています。

それはないんじゃないのかな。

ジェフの社長職など、代わりの人材はいくらでも見つかるんですよ。
でも、巻誠一郎に、代わりはいない。
そんな当たり前の事実が、
この社長には全く理解できていないんですね。
最初は頭に血が上り、
その後は、ただ悲しくなりました。

もちろん、ピークを過ぎたベテラン選手の処遇が、
クラブにとって悩ましい問題だということは理解できます
(僕は、巻はまだまだ活躍できる選手だと思っていますが)。
ベテランを放出した方が、長い目で見れば
クラブの戦力アップにつながるケースもあるでしょう。
ただ、それにしても、言い方、やり方というものがある。
「今までご苦労さん。じゃあね」で終わりじゃ、
あまりにも冷たすぎるでしょう。

社長は、こう言うべきだった。
「巻選手は、長い間ジェフの顔であったし、
厳しい時代のジェフを支えてくれた功労者です。
その選手が海外移籍するのは、クラブとしてもつらい。
しかし、巻選手が海外で活躍して名声を高めてくれれば、
クラブにとっても嬉しいことです。
そして、いずれはジェフに戻り、ジェフの一員として
引退してくれることを望んでいます」
で、最後は「1日契約」を結んで、
巻にジェフのユニフォームを着たまま引退してもらえばよかったんです。

クラブへの愛着は「よい記憶」の量に比例すると、僕は思っています。
だから、過去の記憶をバサバサと切り捨てたり、
よい記憶を忌まわしい記憶で上書きするようなクラブは、
いずれサポーター・ファンから見放されるはず。
ジェフは今、そうした道をまっしぐらに進んでいるように見えます。
少なくとも僕は、ジェフを応援する気持ちが薄れている状態です。

ひとまず、プロフィール(書き手について)欄から、
ジェフの名前を消すことにしました。
しばらく、試合を観ることはないでしょう。
そして、ロシアリーグの巻を精一杯応援するつもりです。

心が癒える日まで、さよなら、ジェフ。
いずれ時が来たら、戻れたらいいなと思っています。

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