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2010年7月29日のアーカイブ

中国人観光客が全訪日観光客の1割を突破~隣国に「日本」を売り込む絶好機

観光庁 中国人向けビザ条件緩和で申請5・6倍に

 観光庁の溝畑宏長官は28日の定例記者会見で、中国人の個人観光査証(ビザ)発給要件を今月1日から緩和したのに伴って、今月23日までに累計5836件の申請があり、前年同期から5・6倍に増加したことを明らかにした。富裕層に限定されていた個人観光ビザの対象を中間層にまで拡大したことで、申請が一気に膨らんだ。

(2010年7月28日 msn産経ニュース)

 新宿や渋谷、秋葉原などを歩くと、中国語の会話が頻繁に耳に飛び込んでくる。それもそのはず。今の日本では、中国人観光客の数が急激に伸びているのだ。
 下の表は、日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客統計」ページから、各地からの訪日観光客数と、全訪日観光客のなかに占める割合を整理したもの。

  中国 アジア(除中国) ヨーロッパ 北アメリカ 全訪日観光客
2005年 20万1940人 294万8153人 40万2913人 61万2307人 436万8573人
4.6% 67.5% 9.2% 14.0% (100%)
2006年 29万7025人 345万8271人 40万9568人 62万5522人 498万1035人
6.0% 69.4% 8.2% 12.6% (100%)
2007年 40万7286人 419万4310人 48万5164人 64万2972人 595万4180人
6.8% 70.4% 8.1% 10.8% (100%)
2008年 45万5728人 419万2212人 52万1133人 62万7726人 604万8681人
7.5% 69.3% 8.6% 10.4% (100%)
2009年 48万1696人 296万3339人 50万2495人 58万9153人 475万9833人
10.1% 62.3% 10.6% 12.4% (100%)

 ご覧の通り、中国からの観光客数はわずか4年で2.4倍になった。世界的な不況で訪日観光客数が2割以上落ち込んだ2009年も、中国人観光客は5.7%増加。ついに、全観光客の1割を突破した。
 上のニュースでも紹介されているように、2010年7月には中国人向け訪日ビザの条件が緩和された。中国人観光客がさらに増えることは、確実と見られている。中国1国だけで、ヨーロッパ(全訪日観光客の10.6%)、北米(12.4%)を超える日も遠くなさそうだ。

 ところで、同じmsn産経ニュースには、7月5日付け記事「【主張】中国人ビザ緩和 治安を悪化させぬ対策も」も掲載されている。ビザ発給条件の緩和は、中国人の不法滞在者を増やすのではないかと懸念する内容だ。
 気持ちは分かる。法務省の「平成21年版犯罪白書のあらまし」によれば、2008年における来日外国人被疑事件のうち、中国人が占める割合は32.0%でトップ(2位は韓国・朝鮮で18.3%)。ただ、中国人観光客の増加には、治安悪化の危険性を上回るメリットがあると思っている。

 それは、「日本ファン」を増やすことだ。

 訪日中国人は、少なくとも日本に対し、さほどの悪意は抱いてないはずだ。そうした人々を歓待し、日本の文化や商品、サービス、そして日本人の良さを伝えるのは大事なこと。これから数十年間は、中国(そしてインド)の季節だ。世界のなかで覇権を握る国にたくさんの日本ファンがいれば、私たちの立場はそれだけ有利になる。

 増え続ける中国人観光客を、遠ざける必要などない。彼らに日本の美点をアピールする方法を早急に確立し、どんどん観光客を受け入れて日本ファンを増やす。それは、直接的な経済効果より、ずっと価値のあることだと思うのだ。

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