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熱中症搬送者の死亡率は0.5%~地域警報システムの導入が必要では?

熱中症搬送2万1千人、98人が直後に死亡 2カ月間、最悪ペース

 熱中症で病院に搬送された人が5月末からの2カ月間で2万1032人に上り、98人が搬送直後に死亡していたことが3日、総務省消防庁がまとめた速報値で分かった。搬送者や死者数は追加報告でさらに増加する可能性がある。

(2010年8月3日 msn産経ニュース)

 今年の7月は暑かった。気象庁の「平成22年 報道発表資料~7月の天候」ページによると、東日本の7月下旬の平均気温は、過去最高を更新。東北地方や関東甲信地方では、平均気温が平年を2度以上も上回ったところが数多くあったそうだ。
 その結果、熱中症で亡くなる人も急増している。消防庁の「過去の全国における熱中症傷病者救急搬送に関わる報道発表一覧」ページによれば、2008年7月~9月に熱中症で亡くなったのは47人。2009年7月~9月に亡くなったのは16人だった。ところが今年は、7月末時点で既に98人が死亡。過去2年をはるかに上回るペースで犠牲者が増えている。
 死亡率の高さも看過できない。全搬送者数が2万1032人で死亡者が98人だから、死亡率は98人÷2万1032人=0.47%。搬送者の215人に1人は、亡くなってしまったわけだ。これは、2009年8月18日付け読売新聞記事「致死率0・5%…新型インフルは意外に強力」にあるように、昨年日本でも大騒ぎになった、新型インフルエンザに匹敵するレベルだ。

 ところで、消防庁の資料「熱中症による救急搬送人数等(7月26日~8月1日 速報値)」には、5月31日から8月1日までの、都道府県別にみた人口10万人あたりの熱中症搬送者数が掲載されている。このなかから上位5県を抜き出したのが下の表だ。

順位 都道府県 10万人あたり搬送者
1位 愛知県 28.01人
2位 群馬県 26.04人
3位 埼玉県 24.28人
4位 三重県 23.14人
5位 栃木県 22.96人

 このうち、愛知、群馬、埼玉の3県は、6月1日から8月3日までの最高気温の平均が30度を超えていた。ところが、三重、栃木の両県の期間中の最高気温は、平均で29度台にとどまっていた(三重県津市は29.1度、栃木県宇都宮市は29.5度)。これに対し、沖縄県や熊本県、大阪府のように、気温が高くても熱中症搬送者数が少ないところもある。気温と熱中症搬送者数は、必ずしも比例していないのだ。
 一方、「日本一暑い町」多治見市を擁する岐阜県は、10万人あたり熱中症搬送者数で第6位だった。その多治見市では、熱中症を予防するため、「熱中症注意情報提供システム」を導入している(多治見市公式サイト内「多治見市の取組」ページより)。こうした警報システムが、熱中症患者の減少に寄与するのは間違いない。他の酷暑地域でも導入されるべきだと感じる。
 厚生労働省の「日本におけるインフルエンザA(H1N1)の死亡者の年齢別内訳/死亡例まとめ」ページによれば、新型インフルエンザの死亡者数は、約半年間で198人。規模感でいえば、熱中症もほぼ同様の危機ではないかと思う。もっと予算と手間をかけ、対策を講じてもいいのではないか。

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コメント:2

BLITZ 2010年8月5日

所ジョージも、熱中症で病院に搬送されたそうです。

症状が重いと死に至る怖い病気も、まだまだ意識レベルは低いようです。
真夏だけとか、自分は大丈夫と思ってしまうんでしょうか。

油断から手遅れにならないためにも、対策法に耳を傾けるべきですね。

白谷 2010年8月5日

BLITZさん、こんにちは。
.
先日、子供が出場したテニス大会を帽子なしで観戦したので、
僕も人のことは言えない立場なんですが(^^;。
「自分は大丈夫」っていう心理状態、確かにありますよね。
熱中症って、自覚症状があまりないまま、
倒れたりすることもよくあるらしいので、
早め早めに対処しなきゃイカンですね。

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