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救急車搬送者数は10年で24.5%増~軽症者のみ有料にしては?

過去最悪、救急搬送の遅れ 昨年、病院収容まで36分

 2009年に全国の救急車が通報を受けてから現場に到着するまでにかかった平均時間は前年より0・2分遅い7・9分、通報から医療機関収容までの時間は前年より1・1分遅い36・1分で、ともに記録が残る1984年以降最悪を更新したことが8日、総務省消防庁の速報値で分かった。

(2010年9月8日 47NEWS・共同通信)

 救急車が通報を受けてからの到着時間と、病院収容までの時間が、いずれも過去最悪を更新した。しかし、僕は消防庁を責める気にはなれない。なぜなら、人手不足が背景にあることが明らかだからだ。
 消防庁の「平成21年救急・救助の概要(速報)」によると、1999年に救急車で搬送された人は375万9996人。これが、2009年には468万2960人にまで増えた。10年間の増加率は、24.5%だ。これに対し、1999年は5万5717人だった救急隊員数は、2009年には5万9010人(「平成21年度版 消防白書」より)。増加率は5.9%にとどまっている。搬送者数の伸びに、救急隊員の人員増が追いついていないのだ。

 救急車の到着時間は、人の生死を大きく左右する。前出の「救急・救助の概要」第15図によれば、心肺停止から3分以内に救急隊員が心肺蘇生を始めた場合、1カ月後生存率は13.1%。3~5分の場合は12.6%で、5~10分の場合は12.3%だ。ところが、10~15分かかった場合は7.9%と激減する。「心肺停止から10分」というのは、一つの目安なのだ。上の47NEWSの記事にもあるとおり、2009年の救急車到着時間は平均7.9分。これ以上長くなれば、救命率は格段に悪化するだろう。
 だが、財政事情が厳しい昨今、救急予算を大幅に拡大するのは難しい。そこで僕たちに取れる自衛手段は、安易に救急車を利用しないことだ。そのためには、救急車の「部分的有料制」の導入が有効なのではないか。

 「救急・救助の概要」第4図によれば、救急車で運ばれた人のうち、50.7%にあたる237万4788人が、入院の必要がない軽傷者だったという。もし、軽傷者の救急車利用が4割減れば、総搬送者数は95万人程度少なくなる。つまり、10年前の水準に戻すことができるのだ。
 そこで、中等症以上、あるいは軽傷でも正当な理由がある場合を除いて、有料(2000~3000円程度がいいと思う)にする。料金によって救急車の運営費をまかなうという発想ではない。それほど高額ではないが、タクシーよりはお金がかかるという料金を設定することで、当ブログ7月16日付け記事「不要な110番通報によって、77人の静岡県警警察官が1年間無駄に働いている」でも触れた、救急車の安易な利用に歯止めがかけられるのではと思うのだ。

 実はつい1カ月ほど前、僕は救急車を呼んだ。飲み会に同席していた人が、アルコールの摂りすぎで倒れてしまったのだ。結局、彼は救急車のなかで正気を取り戻し、病院に運ばれることはなかった。しかし、救急隊員の方々の立場からすれば、実に迷惑な話だったと思う。あの夜の僕らみたいな存在が、救急隊員に負担をかけている。そして、最後は「救急車到着の遅れ」という形で、ツケを払わされるのだ。
 それほど高くない料金を設定することで、安易な救急車の利用を抑制する。それは、十分に理に適った策だと考えている。少なくとも、酔いどれて救急車を呼ぶような、僕らのようなお馬鹿さんは減ると思うのだが。

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コメント:2

BLITZ 2010年9月9日

便利屋やタクシーの代わりに119番通報する。
勘違いなのか常識が欠けているのか、こういう人が減ることも時短につながるのでは?
病院側の事情もあるだろうけど、受け入れ拒否でたらい回しになる場合も。

遭難者の救助には莫大な費用がかかるのは、
意外と知られていない事実。
救急車も同様で、有料化されてもいいのかも。

白谷 2010年9月9日

BLITZさん、こんにちは。
.
有料化した場合、お金を支払うことに躊躇して、
その結果、病状が重くなるケースもあるかもしれませんよね。
制度を変えれば、それなりに弊害も表れるのだろうと思います。
でも、「おおやけ」とか「良識」という概念を持ち合わせていない
一部の人が、無軌道に自分の意志を押し通し、
その結果、社会の全員がツケを払わなきゃいけないという仕組みは、
やはり変えるべきだと思うんですよね。
貧しい層に配慮するなら、料金を定めず、
感謝の程度に応じて「心付け」的に支払う方法もあると思います。

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