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2010年9月10日のアーカイブ

60代の山岳遭難者が無事救出される確率は、20代の半分強

山岳遭難、過去最多611人 8割弱は40歳以上

 7~8月の山岳遭難事故は530件で、前年同期より121件多かった。警察庁が10日発表した。遭難者は611人(前年同期比107人増)で、統計を取り始めた1968年以降で最多だった。死者・行方不明者は77人で前年同期より12人多く、過去最多の2008年より2人少なかった。

(2010年9月10日 朝日新聞)

 この夏、山での遭難者数が過去最悪を記録したそうだ。

 警察庁の「平成22年夏期における水難・山岳遭難発生状況について」によれば、1990年以降における7~8月の山岳遭難者数は下記の通り。

遭難者数
1990年 196人
1995年 278人
2000年 437人
2005年 403人
2006年 405人
2007年 446人
2008年 525人
2009年 504人
2010年 611人

 ご覧のように、遭難者数は20年間で3倍以上に増えた。背景には、中高年の「登山ブーム」があると言われている。なるほど、遭難者数が急激に増えたのは2007年以降。団塊世代(1947~49年生まれ)が定年=60歳に達したのが、実は2007年だ。ちなみに、「平成22年夏期における水難・山岳遭難発生状況について」によると、60~69歳の遭難者数は、全体の34.8%を占めている。
 高齢者の「遭難率」は、他の世代に比べて高いわけではない。この世代の遭難者数が多いのは、登山人口そのものが多いからだ。パックの登山ツアーなどに参加している限り、遭難のリスクは小さいはず。

 ただし、実際に遭難してしまった場合、高齢者の方が危険性が高いとは言える。
 下の表は、世代別の遭難件数と死者・行方不明者数、そしてケガなどを負わず無事に救出された人の数を比較したもの。

世代 死者・行方不明者数 無事救出者数 総遭難者数
19歳以下 1人(2.5%) 26人(65.0%) 40人
20~29歳 4人(9.8%) 25人(61.0%) 41人
30~39歳 2人(3.3%) 27人(44.3%) 61人
40~49歳 12人(18.8%) 29人(45.3%) 64人
50~59歳 12人(10.8%) 32人(28.8%) 111人
60~69歳 29人(13.6%) 77人(36.2%) 213人
70歳以上 17人(21.0%) 35人(43.2%) 81人
合計 77人(12.6%) 251人(41.1%) 611人

 一見して、若い世代と中高年との間に、死亡率・無事救出率の両面で差があることが分かる。20代の遭難者が無事に救い出される可能性は61.0%。これに対し、60代は36.2%と半分強にしか過ぎない。死亡・行方不明に至る危険性も、高齢者の方がずっと高いのだ。

 僕個人は、高齢者の登山は全く問題ないと思う。すぐに地べたに座る若者より、はるかに健脚なお年寄りはたくさんいる。ただ、いったんトラブルに巻き込まれた場合の対応力は、やはり若い頃に比べて衰えているのではないか。そのことを自覚し、しっかりリスクヘッジを行う。年配の登山者には、そのことをぜひお願いしたい。

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