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日本では今後10年間に、東京ドーム139個分の墓地が必要になる?

26年までに横浜市内で9万4千区画の墓地整備必要、研究会が報告

 高齢化や核家族化の進展で墓地不足が懸念される中、今後の墓地供給のあり方を検討してきた横浜市墓地問題研究会(委員長・大原一興横浜国大大学院教授)は10日、同市内では2026年までに9万4千区画の墓地整備が必要になるとの報告書をまとめた。

(2010年9月11日 神奈川新聞)

 日本では、昨年1年間に114万1865人の方が亡くなった(厚生労働省「平成21年(2009)人口動態統計(確定数)の概況」より)。国立社会保障・人口問題研究所の「全国将来推計人口(平成18年12月推計)」によると、2040年頃まで、死亡者数は右肩上がりに増えていくと考えられている。

 そこで問題になるのが、「墓不足」だ。
 墓地は、古くなったからといって処分できる性質のものではない。古いものはそのまま維持され、新しいものが毎年加わっていく。つまり、墓地の総面積は年々拡大していくのだ。

 神奈川新聞の記事でも触れられている「横浜市墓地問題研究会」の報告書によれば、横浜市内における2010年の死亡予測数は2万7173人。これに対し、必要な墓地数は5066と見積もられている。算出方法は、「死亡予測数×横浜市への定住志向率(75.5%)×墓地需要率(24.7%)」だそうだ。「定住志向率」とは、今後も横浜市内に住み続けたい人の割合。「墓地需要率」は、自分が取得したり先祖代々引き継いだ墓地がなく、新規に墓地を取得したいと考えている人の割合である。
 では、「横浜市墓地問題研究会」の見積もりを全国に適用した場合、日本で今後10年間に必要となる墓地の数はどの程度だろうか?
 横浜市に定住予定がない人も、市外のどこかで墓地を取得するはず。そこで、日本全体で考えた場合、「定住志向率」は無視して構わないだろう。一方、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2010年から2019年までの10年間に亡くなる人の数は、合計1300万6000人。つまり、10年間で必要なお墓の数は、1300万6000人×24.7%=321万人分ということになる(なお、1つのお墓に複数の人が入るケースもあるので、「321万基」ではない)。

 横浜市には、閉鎖された遊園地「横浜ドリームランド」跡地に建設され、2007年から使用が開始されている横浜市営霊園「メモリアルグリーン」がある。敷地面積は約6万1000平方メートル。7500区画の「芝生型墓地」と1万5000体分の「合葬式墓地」が設置されている霊園だ。「芝生型墓地」は1区画に6体ほどが埋蔵可能だそうだが、10年間という期間で考えると、埋蔵できるのはせいぜい2体ほどか。すると、6万1000平方メートルの墓地でまかなえるのは3万人程度ということになる。1人あたり2平方メートルだ。
 つまり、今後10年間で必要になる321万人分の墓地を用意するには、650万平方メートルの土地が必要というわけだ。これは、東京ドーム139個分に相当する。

 これだけの敷地を建設するのは、かなりの難題だろう。現在、墓地は一種の「迷惑施設」とされているからだ。建設が決まると、地域住民による反対運動が起こるケースも少なくないと聞く。
 問題を解決するには、狭い敷地に多くの方を埋葬する新たな方法が必要だ。また、地域住民にも、墓地を積極的に受け入れる姿勢が求められるだろう。
 それらが実現できなければ、墓不足は深刻化するはず。墓地の取得価格の高騰も起こりうる。もしかすると、必要な墓地が確保できない「墓地難民」が生まれる危険性だって、ないとは言えない。

 何とも世知辛い話だ。しかし、日本が高齢化社会に適応するためには、「墓不足」は必ず解決しなければならない問題なのだろう。

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コメント:4

BLITZ 2010年9月13日

普段見落としがちで、お墓の広告に目を向けることさえないけど、言われてみればなるほどです。

親戚のお墓が八柱霊園にあるけど、都内にあれだけの規模の墓地は、現実的に無理でしょう。

白谷 2010年9月13日

BLITZさん、こんにちは。
.
僕もお墓について詳しいわけではないんですが、
今後は合同墓地のようなスタイルが一般的になるのかもしれませんね。
また、核家族化が進んで、先祖の墓を管理できないケースが増えると、
古い墓地が整理されることも増えるのかなあと想像します。
ただ、お墓が足りなくなる傾向は強くなる気はしますね。
特に大都市での墓不足は深刻になるような……。

rico 2010年9月14日

初めてのコメントです。よろしくお願いします。

先祖代々の墓を活用すればお墓を増やす必要はないわけですが、遠くて管理が問題というだけでなく、核家族が増え、嫁側からすると、心理的にお墓の同居(?)はいやってこともあるのでしょうね 私もどうしようって思います…

白谷 2010年9月14日

ricoさん、こんにちは。
こちらこそよろしくお願いします。
.
確かに核家族が増えると、先祖代々のお墓に入るケースは少なくなるかもしれませんね。
ご指摘のように、夫の実家の墓を敬遠したいという気持ちも、
なんとなく想像できる気がします。
.
配偶者も子供もいない人のお墓も、今後は問題になるかもしれませんね。
お墓を建てるかどうか、建てるとして、管理はどうするのか。
結構、根深い問題に思えますねえ。

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