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「龍馬伝」の視聴者は、放送当初に比べて3分の1以上も減少

大河ドラマ「龍馬伝」撮影終了 福山さんが感謝の言葉

 NHK大河ドラマ「龍馬伝」の撮影が終了し、共演者から花束を受け取る坂本竜馬役の福山雅治さん(左)=11日午後、東京・渋谷のNHK放送センター
 NHK大河ドラマ「龍馬伝」で主人公・坂本竜馬を演じる福山雅治さん(41)の撮影が11日、東京・渋谷のNHK放送センターで終了、岩崎弥太郎役の香川照之さん(44)らと約1年に及んだ収録をねぎらい合った。

(2010年10月11日 47NEWS・共同通信)

 大河ドラマ「龍馬伝」が佳境に入ってきた。全48回のうち、既に41回目までが放送。残りは7話分で、龍馬の短い生涯は間もなく幕を閉じようとしている。
 上のニュースによれば、1年に及んだ撮影もついに終了したそうだ。関係者たちは、ホッと一息ついていることだろう。

 だが制作者側の期待に反し、「龍馬伝」の視聴率は不調だ。ビデオリサーチによると、「FINAL SEASON」に入ってからの視聴率は、第39回目放送分が13.7%、第40回目が14.3%。大河ドラマの視聴率が13%台に落ち込んだのは、2005年10月23日(「義経」の第42回放送分)以来、5年ぶりのことだ。予想外の大不振と言えるだろう。

 では、「龍馬伝」を含めた大河ドラマの、直近5作品の視聴率を比較してみよう。「龍馬伝」については、「SEASON1(第1~13回放送分)」「SEASON2(第14~28回)」「SEASON3(第29~38回)」「FINAL SEASON(第39~40回)」の平均視聴率を、それぞれ「第1期」から「第4期」として表記した。また、それ以外の大河ドラマについては、1~12回目を第1期、13~24回目を第2期、25~36回目を第3期、37回~最終回を第4期としている。

作品名 初回視聴率 第1期 第2期 第3期 第4期 全期間
龍馬伝 23.2% 21.4% 19.3% 16.2% 14.0% 18.1%
天地人 24.7% 23.4% 20.2% 20.5% 20.3% 21.2%
篤姫 20.3% 22.7% 23.5% 25.5% 25.8% 24.5%
風林火山 21.0% 20.4% 19.2% 18.2% 17.2% 18.7%
功名が辻 19.8% 21.0% 21.0% 20.4% 21.2% 20.9%

 「龍馬伝」に対する期待は、決して低くなかった。初回視聴率は23.2%。これは、5作品中2位。大河ドラマとしては十分に合格点といえる。
 しかし、その後が問題だった。第1期の視聴率が21.4%だったのに対し、第4期は14.0%まで低下。放送当初に比べ、3分の1以上の視聴者が離れていった計算になる。後半にかけて視聴率を伸ばした「篤姫」とは好対照だ。「風林火山」も失速気味だったが、ここまでひどくはなかった。

 失速の原因が外部環境にあるとは考えにくい。やはり、問題はドラマそのものに求められるだろう。要するに、「龍馬伝」の龍馬は魅力的でないし、感情移入もできないのだ。

 ドラマの主人公には2種類ある。1つは、苦悩や矛盾を抱えている人物。彼らがハードルを見事に飛び越えることで、見る側はカタルシスを得る。主人公が深い悩みを持つほど、それが解消されたとき、ドラマにパワーが生まれる。もう1つは、常人には及びもつかない超人だ。こちらは、その人並み外れた活躍ぶりを眺めることで興奮を得られる。

 坂本龍馬という人は、どちらかといえば後者だろう。当時は、士農工商という身分制度や、幕府・藩といった枠組みが厳然と存在していた時代。ほぼすべての日本人は、何らかの手かせ足かせに縛られながら暮らしていた。武市半平太は「土佐藩」や「武士」という枠組みのなかで行動したし、桂小五郎、西郷吉之助も同様だ。ところが龍馬は、武士という身分からも、藩という組織からも自由だった。特定の身分や組織の利益代表者ではない人間は、当時の日本にはごく少数だったはず。だからこそ、彼は「仲介人」に打ってつけの存在だった。
 さらに、彼には「人たらし」という決定的な武器もあった。だから、当時の要人たちから信用され、第一級の機密情報を託されたのだ。電話もメールもなかった時代。要人の持つ情報や意思を口伝えに広め、彼らを結びつける役割を果たしたのが、龍馬の最大の功績だ。

 だから、龍馬をスーパーヒーローとして描けばよかったのだ。ところが「龍馬伝」では、龍馬を「悩み多き若者」として扱った。ここに問題があったと、僕はみる。
 龍馬は身分や組織から自由だった。さらに、経済的にも恵まれていた。つまり、悩みなんぞ持たないお坊ちゃんだったのだ。だから、龍馬の悩みをどんなに描いたところで、ドラマが盛り上がるはずがない。身分制度に縛り付けられた武市半平太、武市からの指示と良心の呵責の間で揺れた岡田以蔵の方が、よっぽど主人公の資格があったと思う。

 坂本龍馬という人物は、NHKにとって、キラーコンテンツだったと思うんだけどな。それがこんな形で浪費されてしまったのは、ちょっと残念ではある。

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コメント:2

BLITZ 2010年10月12日

龍馬ブームだったりキャスティングが話題になって、出足好調だっただけに、この数字の落ち込みは局としては予想外でしょうね。
理由はいろいろ考えられるけど、一般受けしなかったのかな?
連ドラの『ゲゲゲ」が、回を追う毎に高視聴率を叩き出したのとは対照的でした。

歴史に疎くて苦手で、大河は見ていないのです(笑)

白谷 2010年10月12日

BLITZさん、こんにちは。
.
「龍馬伝」の視聴率がこんなに低くなるとは思いませんでした。
まあ、坂本龍馬って描きづらい題材かもしれません。
彼は新しい思想を生みだしたわけじゃないし、
軍隊を動かして誰かを打ち破ったわけでもありませんから。
ある種、日本を舞台にして壮大な伝言ゲームをしたようなものかなあ。
当時は今と違い、電話もメールもなかったので、
「無私で公正で信頼のおける伝言役」っていう存在は、
本当に貴重だったと思うんですけどね。
.
視聴率低迷の原因は、いろいろあると思います。
個人的な感想ですが、福山雅治の演技は好みじゃありませんでした。
昔、ナンシー関が高嶋政伸を「ぬいぐるみ演技」と評してましたが、
それに通じる部分があったと思いましたね。
ただ、最大の原因は脚本にあったのではないかと感じました。
.
脚本家は、名作「救命病棟24時」などを手がけた福田靖。
実力のある人なんですけどね。
ただ、ドラマの制作現場ではいろいろな力関係があるはずで、
ひょっとすると、脚本家が実力を発揮しづらい環境だったのかも。
発言力のある人が横やりを入れ、
筆がゆがんでしまった可能性もあったんじゃないかなあ、
なんて想像したりしてます。

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