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20年後の「買い物難民」は745万人、全国民の15.5人に1人が該当?

買い物難民化、仙台中心部も加速 デパートまで歩くしか…

 近所の商店が廃業し、日常の買い物に困る高齢者が仙台市中心部でも増えている。「買い物難民」とも呼ばれ、過疎地だけにとどまらない深刻な問題になりつつある。高齢化社会のニーズをとらえ、食料品を戸別配達するサービスも始まった。
(中略)
 経済産業省の推計で、買い物難民は全国で約600万人いるとされる。背景にあるのは商店の減少だ。

(2010年10月13日 河北新報)

 郊外の大型ショッピングセンターなどに押され、地方にある商店街の多くは「シャッター通り」と化している。そのため、地方在住の高齢者を中心に「買い物難民」が増えていることは聞いていた。しかし、上で紹介した河北新報の記事のように、仙台市の中心部でもこうした状況が起こっているというのは、かなりの衝撃だ。

 経済産業省の報道発表「地域生活インフラを支える流通のあり方研究会報告書」では、日常の買い物に不便を感じている高齢者の割合を16.6%と推定している。一方、2009年時点の60歳以上人口は3717万人だ。3717万人×0.166=617万人。というわけで、経済産業省は買い物難民を600万人程度とみている。
 今後の日本では、高齢化の流れが続く。国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2010)」によれば、2030年の総人口は1億1522万人、60歳以上人口は4485万人と見込まれている。この60歳以上人口に「買い物難民定数」の16.6%をかけると、4485万人×0.166=745万人。20年後、国民の15.5人に一人が買い物難民化する計算だ。

 日経トレンディネットの記事「生協『個人宅配』8000億円市場に、ネットスーパーも急伸、食品宅配市場」などで解説されているように、食品宅配サービスの市場は拡大している。だが、それが十分な利益を生み出せるのは都市部だけだ。地方、特に商圏の面積に対して人口の少ない過疎地域では、食品宅配事業者が撤退するケースも少なくない。

 民間のサービスだけに頼るだけでは、買い物難民問題の解消は難しい。そこで政府や地方自治体は、さまざまな支援策を打ち出すべきではないかと思う。例えば、過疎地で宅配ビジネスを展開する企業や、移動販売事業を行うスーパーなどへの援助。最寄りのショッピングセンターまでの足となる、「買い物専用コミュニティバス」などの運行。あるいは、地方自治体が、自ら宅配事業を展開するという道もあるのではないか。

 総務省の「統計トピックス(国勢調査)」コーナーには、「65歳以上人口割合の地域分布」というページがある。こちらの「平成17年」の画像は衝撃的だ。中国・四国・九州・東北などの地域は、老年人口が50%以上であることを示す真っ赤な点で埋め尽くされている。
 今後、赤い点はさらに加速度を上げて広がっていく。都市部に住んでいる人間にとっても、「買い物難民」は、決して人ごとではないテーマなのだ。

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コメント:4

BJITZ 2010年10月14日

現在住んでいる所は、スーパーとコンビニと古くからの個人商店が共存する商店街。
たぶんギリギリのバランスなんだと思います。
近郊に大型ショッピングセンターの計画があるらしく、完成後は地図が変わるかもしれません。

白谷 2010年10月14日

BLITZさん、こんにちは。
コメントしていただいたご近所の話、
なんだか、生態系みたいな感じですね(^^)。
外来種(大型ショッピングセンター)の登場で、
全ての生き物が大きな影響を受けそうな……。
大型店は便利で、価格的にも安いことが多いですが、
周辺の小型店が潰れることで、
いろんなデメリットも生じますね。
どちらを取るか、住民的には難しい問題だと思います。

くま 2010年10月14日

郊外型大型スーパーは地域コミュニケーションを破壊する、言わば公害ではないのか。しかしそれを受け入れる車社会であるのも事実で、僕自身も自己矛盾を抱えております。
そこで提案。大型スーパーの自宅配達サービスは歩行困難な人のみにして、そうでない人の為にシャッター通りの商店または地域のパパママストアまたは集落のジジババ商店を引き渡し店にするのです。もちろん大型スーパーはいくばくかの手数料を税金だと思ってその引き渡し店に支払うのですよ。そうすればその界隈のコミュニケーションを壊さなくて済みます。そして何とかしたいお店なら、手渡す商品を見ながら隙間商品やアイディアで商売を膨らませることだって出来ます。その品ぞろえで多少なりとも買い物の楽しさを味わうことも出来ます。
例えば生協のシステムはあるお家を数件の契約者が拠点にして配達をしてもらう訳ですが、それを地域の商店を拠点にするだけです。商店が地域高齢者と地域を結ぶコミュニケーションの拠点で有り続けることが出来るのではないか?と。ま郊外型大型ショッピングセンターとの緩やかな共存共生住み分けですね。

白谷 2010年10月14日

くまさん、こんにちは。
大型スーパーと商店街の連携、面白いと思います。
確か、ヤマダ電機が「街の電気屋さん」との連携を
模索しているという報道があった気がしますが、
それの大型スーパー版ですね。
商店街の立場としては、大型スーパー側が方向転換
(平たく言えば、スーパーが商店街を裏切るケース)に備えて
おかなければ怖い気もしますが、
その手当ができるのであれば、十分可能性のある話ですよね。

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