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電子書籍の売り上げ予測は1作品5000部~ただし、著者の取り分は格段に大きい

村上龍さん、目標は「年商1億円」 電子書籍の新会社で

 新たな電子書籍制作・販売会社「G2010」を設立する作家の村上龍さんらが4日、会見した。年間20点の作品を出し、1億円の売り上げを目指す。同席したよしもとばななさんはエッセーを、ビデオメッセージを寄せた瀬戸内寂聴さんは未発表作をリリースする予定だ。

(2010年11月5日 朝日新聞)

 上の朝日新聞記事によれば、村上龍が設立した電子書籍会社「G2010」は、年間20点を出版。1億円の売り上げを目指すという。
 ITmedia記事「『変化を自分で作りたい』 村上龍氏が出版社と組まずに電子書籍を出す理由」などを参照すると、「20点」の中には村上氏の『歌うクジラ』やよしもとばなな氏の書き下ろしエッセイ集、瀬戸内寂聴氏の新刊小説などが含まれるようだ。なかなか豪華なラインナップと言えるだろう。
 だが、売り上げ予測は控えめだ。「20点で1億円」ということは、1作品あたりの売り上げは500万円。iPhone・iPad向けの『歌うクジラ』は、坂本龍一氏の楽曲なども含めて1500円という値付けなので、1作品の平均単価は1000円程度になるだろうか。すると、1作品あたり販売数は5000部程度という計算になる。

 著者の知名度を考えると、平均5000部という販売数は寂しいようにも思える。ただし、著者の収入は、紙の書籍とは段違いに大きいのだ。紙の書籍の場合、著者印税は7~10%程度。1000円の本が5000部売れた場合、収入は1000円×5000部×10%=50万円となる。一方、「G2010」では「電子化コスト回収後、配信事業者に支払う手数料分を除いた売り上げ額70~90%を作家に配分する」(ITmedia記事より)らしい。「電子化コスト回収」のために何部売れればいいのか分からないが、仮にトータルの印税率を40%程度を見積もってみると、1000円の電子書籍が5000部売れれば、著者の取り分は1000円×5000部×40%=200万円となる。

 今なら、他の作家・出版社などに先駆けて、電子書籍制作のノウハウを積めるというメリットがある。また、競争相手が少ない分、話題になる可能性も高い。電子書籍リーダーを持っている人には、新しもの好きが多いものだ。「取りあえず、1冊買ってみるか」という需要は、今なら必ずあるだろう。

 年商1億円とは、一見、小さな目標のようだ。しかし、著者側にも電子書籍会社側にも、勝算は十分にあるようにみえる。 

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コメント:2

BLITZ 2010年11月7日

低めの目標にも思えるけど、状況によったら修正するだろうし、紙の書籍に比べると高いですね〜
才能のある人が羨ましい。

白谷 2010年11月8日

BLITZさん、こんにちは。
ホント、才能ある人はうらやましいですね(^^)。
ただ、村上龍をはじめとする大御所にとっては、
十分な報酬がすぐに手に入るわけではなさそうですね。
どちらかといえば、先行投資のつもりなんじゃないかと想像します。

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