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大阪府の教職員のうち、2008年度中に精神疾患で休職したのは1.05%

大阪府583人、全国最多 精神疾患で休職教職員

 自律神経失調症や適応障害などの精神疾患と診断された教職員の休職者数は、大阪府が全国で最も多いことが15日、文部科学省への取材で分かった。2008年度中に休職した府内の公立小・中学、高校、支援学校の教職員は583人を数え、2番目に多かった東京都の540人を43人上回った。精神疾患で休職する教職員は全国的に増加傾向にあり、職場復帰の支援態勢の構築が課題になっている。

(2010年11月16日 大阪日日新聞)

 心のバランスを崩して休職に追い込まれる教職員が、年々増えている。文部科学省の「平成20年度 教育職員に係る懲戒処分等の状況について」ページ内にある「平成20年度 教育職員に係る懲戒処分等の状況について」によれば、公立小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校の教職員のうち、精神疾患によって休職した人の数は下記の通り。

  教職員の在職者数 精神疾患による休職者数 休職者率
1999年度 93万9369人 1924人 0.20%
2002年度 92万5938人 2687人 0.29%
2005年度 91万9154人 4178人 0.45%
2008年度 91万5945人 5400人 0.59%

 わずか10年間で、精神疾患による休職者率は3倍近くに増えた。

 上の大阪日日新聞記事によると、大阪府の状況はさらにひどいようだ。大阪府サイトの報道発表資料「平成22年度学校基本調査速報『大阪の学校統計』」によれば、大阪府における公立小・中・高校・特別支援学校の教員数(本務者)は5万5546人。これに対し、583人が精神疾患で休職したという。583人÷5万5546人=1.05%で、全国平均の0.59%を大きく上回っている。休職まではいかなくとも、ストレスや悩みで押しつぶされそうになっている教職員も、相当数いるのだろう。
 当ブログの2010年10月20日付け記事「横浜市公立中学では、教員の15人に1人が1年以内に生徒から暴力を受けた?」でも触れたが、現在の教員が置かれている状況は深刻だ。「モンスターペアレンツ」という言葉に象徴されるように、父母からの圧力は年を追うごとに高まるばかり。その上、家庭での教育能力が低下し、地域の協力も期待できなくなっている。とりわけ都市部の公立校で働く教員は、大変な立場に置かれていると思う。

 日本は、資源のない国だ。売り物といえば、人材くらいしかない。だからこそ、教育には最優先でリソースを振り分けなくてはならないはずだ。ところが今、教員という仕事は、若者にとって魅力的だろうか? 精神疾患で休む教員が増えたり、教員に暴力をふるう子供が増えているなどの報道に触れるたび、僕の気持ちは重くなる。

 僕らは、教員を守るため、知恵とお金を出さなければいけない。悩む教員を支えるカウンセラーや、理不尽な要求を押しつける父母に対処する専門家などを配置する。部活動の指導役に地域の人材を登用し、教員の負担を減らす。そして、待遇面を改善する。それらの試みを、積極的に行うべきだと思う。
 教員という仕事が魅力的になれば、優秀な若者がこぞって教職を目指すだろう。そうすれば、生徒や父母、地域が教員に向ける尊敬の念も、より高まるはず。そして、それがさらなる教育効果の向上につながる……。そんな正のスパイラルを作り出すことが、「人材大国」に向かう唯一の道だと思うのだ。

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