ホーム > アーカイブ > 2011年1月28日のアーカイブ

2011年1月28日のアーカイブ

大阪府公立中学の完全給食実施率は7.9%で、全国平均より67.5%低い

橋下知事「5年で300億円かける」 中学給食の完全実施

 公立中学校の給食実施率が1割前後と全国最下位となっていることを受け、大阪府の橋下徹知事は28日、新年度予算から5年間で、市町村が給食事業を行うための初期投資として300億円を計上する考えを明らかにした。新年度予算を議論する知事ヒアリングで給食事業を担当する府教委に指示した。

(2011年1月28日 msn産経ニュース)

 僕は千葉県出身だ。通っていた公立の小・中学校では、当たり前のように給食を食べていた。現在、千葉県内の公立中学校に通っている僕の子供たちも、やはり当たり前のように、学校で給食を食べている。
 ところが、上で紹介したmsn産経ニュース記事では、大阪府の公立中学校における給食実施率が1割前後だと伝えられている。どうやら、僕の「当たり前」は、日本全国で通じるわけではないらしい。そこで、文部科学省の統計情報「学校給食実施状況等調査」を調べてみた。
 この調査によれば、大阪府における公立中学校の完全給食実施率は、生徒数ベースで7.9%。全国平均の75.4%より、67.5%も低い。他に5割を切っているのは、神奈川県(12.9%)、京都府(26.3%)、兵庫県(33.9%)、滋賀県(38.1%)、三重県(40.3%)、和歌山県(42.9%)、高知県(43.1%)。神奈川県と高知県を除けば、全て近畿圏に集中している。

 ところで、大阪府と神奈川県と言えば、学校での暴力行為が多いことでも知られる。文部科学省の「平成20年度『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』について」によれば、国公私立の小・中・高等学校における暴力行為発生件数は、神奈川県が9232件で1位、大阪府が7426件で2位だった。
 そこで、上記の2府6県について、前出の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」から、児童・生徒1000人あたりの暴力行為発生件数の全国順位を抜き出した。また、文部科学省が実施した学力テスト(全国学力・学習状況調査)体力テスト(全国体力・運動能力、運動習慣等調査)の全国順位も付け加えている。

  給食実施率 暴力行為発生率 学力順位 体力順位
高知県 43.1%(40位) 7.8件(43位) 46位 37位
和歌山県 42.9%(41位) 5.3件(36位) 36位 40位
三重県 40.3%(42位) 4.0件(29位) 30位 39位
滋賀県 38.1%(43位) 3.2件(23位) 26位 27位
兵庫県 33.9%(44位) 6.2件(40位) 17位 32位
京都府 26.3%(45位) 9.2件(44位) 22位 22位
神奈川県 12.9%(46位) 10.2件(47位) 32位 42位
大阪府 7.9%(47位) 7.7件(42位) 42位 41位
(全国平均) 75.4% 4.2件    

 こうしてみると、給食実施率の低い府県は、暴力行為の発生率が比較的高い。また、学力・体力テストの成績もふるわない傾向にあるようだ。
 ちなみに、学力テスト・体力テストの双方で上位を占める秋田県と福井県は、こうなっている。

  給食実施率 暴力行為発生率 学力順位 体力順位
秋田県 100.0%(1位) 0.8件(2位) 2位 2位
福井県 89.4%(30位) 0.8件(2位) 1位 1位

 もちろん、給食の実施率を高めれば、子供の学力や体力が自動的に伸びるということではあるまい。ただ、給食実施率の低迷が予算不足に由来している場合、その地域の教育体制は貧弱であると推測できるのではないか。例えば、朝日放送公式サイトの「シリーズ『ウラドリ』 『実施率に差』中学給食事情」ページでは、大阪府の給食実施率が低い理由として、校舎建設費や校舎の耐震化工事費などに予算を取られたことなどを挙げている。仮にこの報道が正しい場合、給食以外の分野でも教育予算が不足しているだろうと、容易に想像できる。

 大阪府・橋本知事の政策には、賛否両論がある。しかし、この給食実施率を高めるために予算を増強するという考え方については、絶対に正しい。
 地域、そして国にとって最大の財産は、なんといっても人なのだ。何を犠牲にしても、人材育成に最優先で資源をつぎ込む姿勢は、大阪府以外でもぜひ参考にしてもらいたいと思う。

—-
※2つのブログランキングに参加中です。下のバナーをクリックしていただけると嬉しいです。

人気ブログランキングへ にほんブログ村 ニュースブログへ

—-


ホーム > アーカイブ > 2011年1月28日のアーカイブ

注意書き
 このサイトはリンクフリーです。個別記事への直リンクも問題ありません。引用については、ルールの範囲内でどうぞ。
 記事に誤りなどがあれば、コメント欄、または書き手についてページ内のメールフォームを使ってお教えいただけると、大変ありがたいです。
書き手について、他
検索
過去に書いたこと
ブックマークとRSS

全ての記事(RSS2.0)
全ての記事(Atom)
全てのコメント(RSS2.0)


過去につぶやいたこと
つぶやいたこと
あわせて読みたい

ページの上部に戻る