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2010年1~11月のテレビ輸入額は、輸出額の16.5倍

経済ナビ:デジタル家電も脱「日本製」 10年、輸入超過に 生産拠点、アジアへ

 薄型テレビなどデジタル家電製品の輸入額が、10年に初めて輸出額を上回ることが確実になった。家電エコポイント制度による国内需要の急増分を輸入で補ったことや、国内メーカーが円高対応やコスト削減を目的にアジアへ生産拠点を移転していることが背景にある。「高機能高品質」で人気を集めた「メード・イン・ジャパン」の家電製品は、大きな転換点を迎えたようだ。

(2011年3月2日 毎日新聞)

 電子情報技術産業協会(JEITA)の「日本の電子工業の生産・輸出・輸入」ページによると、2004年における民生用電子機器の輸出額は、1兆7891億円だった。ところが、2010年の輸出額は、48.7%減の9172億円。6年間で、ほぼ半減した。背景には、韓国メーカーとの競争激化と、それに伴う主力商品の単価下落。そして、生産拠点の海外移転などが挙げられる。

 一方、地上デジタル放送への切り替えやエコポイント制度が追い風となり、2010年の国内テレビ市場は活況だった。電子情報技術産業協会の「2010年12月民生用電子機器国内出荷実績」ページによれば、薄型テレビの国内出荷額台数は、対前年比で84.9%も増加。また、Blu-rayレコーダー・プレイヤーの販売台数が73.4%伸びるなど、関連商品の売れ行きも好調だった。そのため、日本メーカーが海外拠点で生産した製品を輸入するケースが急増した。

 この結果、上の毎日新聞記事で解説されているとおり、2010年のデジタル家電輸入額は輸出額を上回りそう。日本は、「デジタル家電輸入国」に転落してしまうわけだ。

 下の表は、前出の「日本の電子工業の生産・輸出・輸入」から、2010年1~11月におけるデジタル家電(電子情報技術産業協会の区分では「民生用電子機器」)の輸入・輸出額と、テレビ、録画再生機(Blu-ray・DVDレコーダーなど)、ビデオカメラ・デジタルカメラの輸入・輸出額を抜粋したもの。

  輸入額 輸出額
デジタル家電全般 9014億円 8464億円
テレビ 3965億円 240億円
録画再生機 1622億円 211億円
ビデオカメラ・デジカメ 1417億円 7474億円

 テレビの輸入額は、輸出額の16.5倍。録画再生機の輸入額は、輸出額の7.7倍にも達している。これだけのデジタル家電を日本が輸入していたという事実は、僕には意外だった。

 一方、ビデオカメラ・デジタルカメラの分野では、輸出額が輸入額の5.3倍もある。また、ビデオカメラ・デジカメの輸出額は、デジタル家電の総輸出額の88.3%を占める。そこで毎日新聞記事では、「利益確保が難しいテレビなどより、競争力の保てる分野に経営資源を集中すべきだ」というアナリストの意見を紹介している。

 確かに、日本メーカーがテレビ分野で利益を出すのは大変なことだ。

 下表は、DISPLAYSEARCH社のプレスリリース「Global TV Shipment Growth Improves to 15% Y/Y in Q4’10 as LCD Share Surges」から抜粋した、2010年第1四半期から第4四半期までの、テレビの世界シェアの推移。

  10年1Q 10年2Q 10年3Q 10年4Q
サムスン 22.3% 24.4% 21.6% 21.4%
LG 14.1% 14.1% 13.5% 12.7%
ソニー 10.1% 12.8% 11.8% 14.2%
パナソニック 7.3% 9.0% 9.1% 8.3%
シャープ 6.5% 6.4% 8.0% 8.1%

 ごらんのように、世界シェアトップの座はサムスン電子ががっちりと確保している。それに続くのが、LGエレクトロニクスだ。第4四半期のみ、ソニーが2位に浮上しているが、これは日本市場の「地デジ切り替え・エコポイント特需」が影響したもの。一般に現在の世界市場では、日本メーカーは韓国メーカーの後塵を拝している。

 また、テレビの単価も急激に下がっている。「日本の電子工業の生産・輸出・輸入」から、各年のテレビ販売台数・販売金額を抜き出し、単価を計算してみたのが下の表。

  販売台数(A) 販売金額(B) 単価(B÷A)
2004年 348.4万台 5552億円 15万9367円
2006年 706.5万台 9265億円 13万1131円
2008年 967.4万台 1兆0334億円 10万6825円
2010年 1354.9万台 1兆1362億円 8万3860円

 テレビの単価は、6年間で15万9367円から8万3860円に下落。当然、以前に比べて利益も出にくくなっているのだろう。

 中には、テレビ分野からの撤退を考えている企業もあるはずだ。しかし、テレビはデジタル家電の象徴でもある。ブランド力維持のためには、赤字覚悟で製品を出し続けるという考え方もあろう。どちらに進むべきか、日本メーカーにとっては悩ましいところに違いない。

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