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今夏の関東地方では、例年より9.5~18.0%の節電が必要

福島第一原発、収束後も再稼働困難との見通し 枝野長官

 枝野幸男官房長官は20日夕の記者会見で、事故が相次ぐ福島第一原子力発電所の廃炉の可能性について「客観的な状況として、再び稼働できるような状況であるのかどうかははっきりしている」と述べ、事故が収束しても再稼働は困難との見通しを示した。

(2011年3月20日 朝日新聞)

 福島第一原発は、どうやら廃炉になりそうだ。多くの施設が破壊され、原子炉に海水を注入。周辺には放射性物質の残留も予想されるとあれば、廃炉は当然の成り行きだろう。

 東京電力の「数表でみる東京電力」ページによると、東京電力が運営する発電所の合計出力は6449万kW。そのうち、原子力発電所は1731万kWを占める。内訳は、福島第一原発が470万kW、福島第二原発が440万kW、新潟県の柏崎刈羽原発が821万kWだ。
 今回の震災で、福島第一原発と福島第二原発では、すべての発電機が停止している。また、柏崎刈羽原発でも2、3、4号機(各110万kW)が定期検査で停止中。つまり、470万kW+440万kW+330万kW=1240万kW分の原子力発電所が稼働していない。6449万kW-1240万kW=5209万kWが、現時点で東京電力が提供できる最大出力になる。
 一方、東京電力のプレスリリース「3月20日(日)以降の計画停電の実施予定等について」によると、3月19~20日の電力供給力は3400万~3450万kW。これを5209万kWで割ると、稼働率は65%ほどということになる。稼働していない35%の発電機については、夏場の電力ピーク時期に備えてメンテナンス中なのか、あるいは、原発に比べてコスト高と言われる火力発電所を、あえて運転していなかったのかもしれない。

 そして、今夏も「計画停電」が行われる可能性が指摘されている。

 前述の「数表でみる東京電力」によれば、2008年8月の最大電力量は6008万kW、2009年8月は5450万kWだった。そして、2011年夏の最大電力は、5755万kWと見積もられている。すでに述べたように、現在の最大供給量は5209万kW。需要見込みの90.5%に過ぎない。また、原発に対する風当たりが強くなり、今後、柏崎刈羽原発も運転を止める可能性だってある。その場合、供給量は4718万kWにまで落ち込む。需要見込みの82.0%だ。
 つまり、柏崎刈羽原発が現状通りだと仮定した場合、我々は9.5%の節電が必要になる。また、柏崎刈羽原発が運転を取りやめた場合は、18.0%の節電が必要というわけだ。

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 ところで、計画停電は、電力不足を補うための有力な選択肢の1つだろう。だが、ほかにも手段はあるのではないか?
 例えば、製造業の夜間操業だ。1日の中で電気需要が最大に達するのは13時から15時。一方、需要が最も少ないのは深夜4時から5時くらいで、ピーク時の47%に過ぎない(東京電力の2001年度データによる)。製造業など大口の電気需要者が、昼ではなく夜に稼働すれば、最大電力量はかなり抑えられるだろう。あるいは一般の企業も、就業時間をずらすことを検討してもいい。ある企業は6時から14時まで仕事をし、別の企業は12時から20時まで仕事をする、などのようにだ。

 社会全体で、ワークシェアならぬ「エレキシェア」をする。そうして当座をしのぎ、並行して、電力に関する未来図を社会全体で煮詰めていく。それが、電力政策の進むべき道だと思うのだが、いかがだろう。

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コメント:4

BLITZ 2011年3月20日

個人も企業も、節電の意識は必要ですね。

スーパーもコンビニも、照明を落としたところで、
何の違和感はありません。
いかに今までこうこうと照らしていたかです。

一人一人にできることは小さいけど、
力を合わせることで結果に繋がることでしょう。

白谷 2011年3月21日

BLITZさん、こんにちは。
確かに、僕らはこれまで、電気を使いすぎていましたね。
少なくとも一般家庭なら、1割くらいの節電は
すぐにでもできるような気がします。
あとは、企業活動を行う上で消費する電力を、
どこまで削減できるのか……。
このあたりは、日本人全員で考えなきゃいけないんでしょうね。

くま 2011年3月21日

たとえば電気自動車どうよ?と思ったりします。あれは結構電力を使ってるでしょ。また洋画にでてくるあっちの家庭のリビングなんかは間接照明でけっこう薄暗かったりします。慣れたら電力をかなり使わなくなりそうですね。薄暗くて映えるインテリアの研究とかを平行して進めてもらいたいですね。ただ暗いだけじゃ妖しい家庭になっちゃいますから。
それか陰翳礼讃の時代の行燈灯篭の家庭照明をもう一度!

白谷 2011年3月21日

くまさん、こんにちは。
電気自動車については、僕は悪くないと思います。
夜間に発電した電気をバッテリーで貯め込めるという意味では、
むしろメリットが大きいのではないでしょうか
(もちろん、昼間に充電するのは止めてほしいですが)。
一方、「薄暗くて映えるインテリアの研究」については大賛成です。
発電所を増やすなどの「ハード的な解決方法」も必要でしょうが、
消費者がさまざまな工夫を凝らして節電する「ソフト的解決法」も、
今後は大切になると思います。
「楽しくおしゃれに2割節電」なんて雑誌の特集記事があれば、
興味を持つ人も多いと思うんですよね。

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