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敦賀市の原発関連歳入は全歳入の19.1%を占める

「原発運転継続容認」7割超 敦賀市長選世論調査

 福井新聞社が行った敦賀市長選の世論調査で、新市長に力を入れてほしい政策(2項目選択)としては「原子力対策」が最も多く、全体の3割近くを占めた。東京電力福島第1原発事故を受け、敦賀の原発をどうすべきかについては「運転は止めずに安全対策を充実させる」が66・8%と最も多く、「これまで通り運転を続ける」を合わせた運転継続の容認意見が7割を超えた。

(2011年4月21日 福井新聞)

 福井県敦賀市は「原発の街」だ。日本原子力発電の敦賀発電所が稼働しているほか、廃炉作業中の「ふげん」、運転停止中の高速増殖炉「もんじゅ」もある。

 敦賀市にとって、福島第1原発の事故は対岸の火事ではなかったはずだ。地震や大津波に襲われたら、敦賀発電所はどうなるだろう? 多くの住民が、そんなことを想像したに違いない。だが、上で紹介した福井新聞の記事によれば、敦賀市民の73.5%が原発の運転継続を望んでいるという。

 どうして、こんな切ない結論が出るのか。理由ははっきりしている。敦賀市は、原発に大きく依存しているからだ。

 敦賀市公式サイトの「平成23年度予算について」ページによると、同市の一般会計歳入額は約269億円だ。一方、「発電所関係3社固定資産税(土地・家屋・償却資産)の課税見込み」額は40億3000万円。さらに同市には、約11億円の「電源立地地域対策交付金」も交付されている。原発関連の歳入は、合わせて51億3000万円。これは、市の総歳入額の19.1%を占める。
 原発に依存しているのは、民間も同じだ。原発がなくなれば、雇用されている従業員は、数百人規模で解雇されるのだろう。周囲の飲食店やビジネスホテルなどの売り上げも激減する。
 原発が止まれば、街全体が傾くのだ。だから、福島の事故が起きた後でも、7割以上の市民が原発の運転を望んでいる。

 これは、まさに日本全体の縮図だ。

 敦賀市に住んでいる人たちも、原発事故は恐ろしいはず。でも、今すぐ原発を止めることはできない。なぜなら、原発がなくなれば、己の家族や友人たちが飢えてしまうからだ。彼らは、リスクとリターンをはかりに掛けた上で、苦渋の選択をしているのである。
 日本国民が突きつけられている課題も、構造は全く同じだ。日本中の原発を止めれば、原発事故で犠牲になる人はいなくなるかもしれない。でも、電力不足で製造業などが大ダメージを受け、大不況が到来して自殺者や犯罪被害者は増える。

 どちらの道に進んでも、僕らは苦い杯をあおらなきゃならない。でも、どうせ苦しい道なら、せめて少しでも明るい方向を見いだし、そちらに歩みたいのだ。今の僕にとっては、「安全性を確保しながら、当面は原発を運転。その間に、代替エネルギーの開発を最大限急ぐ」という行き方が、進むべき道だと思われるのである。

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コメント:4

BLITZ 2011年4月22日

「たられば」になってしまうけど、事故が起こらなければ、
福島も原発の街だったんですね。
安定した大きな経済効果をもたらすのが原発でもありました。

最重要課題は安全面でしょう。
企業と地域だけではなく、国の将来を担うためにも、再建を望みます。

acoyo 2011年4月22日

先日は記事内リンクも打たず、TBさせていただきまして失礼いたしました(汗)。するつもりが、何かの弾みで後回しになってと、ここで言い訳書いてる場合じゃないんだわと(大汗)。
私は昔、メーカー系企業におりましたので、福井の他の原発に制御室コンピューター技術者として同僚が多く派遣されており、現地の「リアル」についてはよく聞かされました。
また、別のフォロワーさんは、「ちょっと日本が貧乏になれば」なんていうのは明日のご飯の心配のない人間の言う台詞だとつぶやいておられました。
安全はもちろん、絶対的な最優先です。けれど、同時に、このエントリでお書きになったような「現実」に足を置いて、すべての議論は始めないといけないと思います。
後、私は蓄電技術の研究ももっと腰入れて進めて欲しいなあと。これまた、反原発の方の中には「電力は気安く貯まっててくれない」のが大問題の一つなんだというのもご存じない方多いのも事実でw。
人様のコメント欄で長々書きました、ホント、申し訳ありません。

白谷 2011年4月22日

BLITZさん、こんにちは。

今、福島の人たちは、原発を憎んでいるでしょうね。
でも、原発のおかげで雇用が生まれて過疎化に歯止めがかかったり、
住民の福利厚生が改善されたなどの効果もあったのでしょう。
「津波さえなければ……」は、全員に共通した思いでしょうね。

白谷 2011年4月22日

acoyoさん、こんにちは。
長文コメント、大歓迎です。
そちらのブログに「文章は長いわテーマに統一性ないわ」と
ありますが、それは僕にも共通した点(^^;。
誠に勝手ながら、シンパシーを感じております。
.
さて、現実に足をおいて議論を始めるべきだというご指摘、
おっしゃる通りだと思います。
また、蓄電技術については面白そうですね。
僕は全く素人なのですが、夜間電力を化学エネルギー
(燃料電池も、広い意味では化学エネルギーなのでしょうか?)
に変換して貯めておけば、
少なくとも現在の電力不足には、非常に有効な気がします。

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