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2011年10月のアーカイブ

テレビの平均視聴時間は15年間で9分増加

「テレビの時代」はもう終わった 視聴率トップたった18.1%と「史上最低」

 1週間のテレビ視聴率のランキングで、ワースト記録が生まれた。1位がたったの18.1%しかなかったのだ。テレビ離れは、どこまで深刻化しているのだろうか。

 産経新聞は、ビデオリサーチの数字(関東地区)をもとに「週間視聴率トップ30」を毎週まとめている。2011年10月3~9日の1位の視聴率は、「史上最低」の18.1%(笑点、日本テレビ)だった。

(2011年10月12日 J-CASTニュース)

 上で紹介したJ-CASTニュース記事は、テレビの「週間視聴率トップ30」に入る番組の視聴率が低下傾向だと伝えている。そして、これを根拠に、視聴者の「テレビ離れ」が深刻化していると伝えている。

 なるほど、1番組あたりの視聴率が下がっているのは間違いない。ビデオリサーチによれば、1995~2010年におけるドラマ部門の視聴率1位番組の視聴率と、視聴率30%以上のドラマの本数は下記の通り。

最高視聴率ドラマ/視聴率 30%以上
1995年 家なき子2/31.5% 3本
1996年 秀吉/37.4% 5本
1997年 渡る世間は鬼ばかり/34.2% 5本
1998年 GTO/35.7% 4本
1999年 古畑任三郎VS SMAP/32.3% 2本
2000年 ビューティフルライフ/41.3% 3本
2001年 HERO/36.8% 1本
2002年 北の国から2002遺言・前編/38.4% 2本
2003年 GOOD LUCK!!・最終回/37.6% 1本
2004年 白い巨塔/32.1% 2本
2005年 ごくせん/32.5% 1本
2006年 HERO/30.9% 1本
2007年 華麗なる一族/30.4% 1本
2008年 篤姫/29.2% 0本
2009年 天地人/26.0% 0本
2010年 龍馬伝/24.4% 0本

 1996、1997年には、視聴率が30%を超えたドラマが5本もあった。ところが、2007年3月の「華麗なる一族」以降はゼロ。2010年以降は、25%を超えるドラマすら出現していない。バラエティ番組などでも、同じような傾向が現れている。

 ただし、これをもって「テレビ離れ」と決めつけるのは短絡的だ。国民がテレビを見る時間は、決して減っていない。むしろ増加傾向なのである。
 NHK放送文化研究所の調査「生活時間調査からみたメディア利用の現状と変化~2010年 国民生活時間調査より~」によると、1995年当時における平日のテレビ平均視聴時間は3時間19分。これに対し、2000年には3時間25分、2005年には3時間27分、そして2010年には3時間28分だった。テレビの視聴時間は、15年間で9分間、約4.5%増えているのだ。

 では、なぜ1番組あたりの視聴率が下がっているのか。その原因は、「テレビ離れ」ではなく「多チャンネル化」に求めるべきだろう。
 (社)衛星放送協会サイトの「視聴世帯数」ページによれば、1995年と2010年の衛星放送契約者数は下記の通り。

NHK-BS WOWOW スカパー!+スカパー!e2
1995年 737万人 205万人 – ※
2010年 1567万人 251万人 362万人

※スカパー!は1995年10月開局。ちなみに、1996年度の契約者数は24万人。

 衛星放送の契約者数は、15年間で1200万人も増えた。恐らく、CATVなどを通じてテレビ番組を見ている人も増えているはずだ。当然、見られるチャンネルの数も多くなっている。従来なら「NHK2局+民放4~6局」から選ぶしかなかったのが、「BS、CSを含めた数十局」から選ぶ状況に変わっているのである。当然、1番組あたりの視聴率は下がるが、テレビ全体の視聴時間が減っているわけではない。
 僕自身も、地上波放送のドラマ・バラエティ番組を見る時間はめっきり減った。しかし、CSの専門チャンネルでスポーツ番組を見る機会が増えている。また、テレビ発の映像を、YouTubeなどで視聴することも少なくない。総合的なテレビ視聴時間は、以前とさほど変わっていないように思う。

 もちろん、テレビの置かれた状況は甘くはない。前出の「生活時間調査からみたメディア利用の現状と変化~2010年 国民生活時間調査より~」によると、若年層のテレビ視聴時間は確実に短くなっている。若い世代に限れば、テレビ離れの傾向が現れているのだ。また、チャンネル数が多くなり、視聴者が分散すれば、1番組当たりの制作費は削減せざるを得ないだろう。質の高い番組作りは難しくなる危険性が高い。
 だが、テレビそのものが持つ力は、まだまだ大きいのだ。むしろ、新聞や雑誌、ラジオといった他メディアの発信力が落ちている分、その存在感は相対的に大きくなっているのかもしれない。

 少なくとも、あと少しは「テレビの時代」が続く。僕には、そう思えるのである。

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震災後、福島県外に転校した小中学生は5.1%

福島県外に小中9千人転校…放射線の影響懸念か

 福島県教育委員会は5日、東日本大震災後に県外に転校した公立小中学校の児童生徒が、9月1日現在で小学生6834人、中学生2153人の計8987人に上ることを明らかにした。

 県教委によると、県内の別の学校に転校した児童生徒は、小学生3601人、中学生1848人の計5449人。合わせて1万4436人が転校しており、多くが東京電力福島第一原発事故による放射線の影響を懸念しての転校とみられる。

(2011年10月5日 読売新聞) 

 福島県統計調査課がまとめている「平成22年度学校基本調査報告書」によれば、2010年5月時点で、福島県内の公立小学校に通っていた児童は11万6177人。公立中学校に通っていた生徒は6万746人いた。

 これに対し、上の読売新聞記事によれば、2011年9月1日現在で6834人の児童、2153人の生徒が県外に転校したという。また、3601人の児童と1848人の生徒が、県内の学校に転校した。これらの数字を元に、転校した児童・生徒の割合を算出したのが下の表。

児童生徒数※ 県内転校者数 県外転校者数 全転校者数
小学生 11万6177人 3601人(3.1%) 6834人(5.9%) 1万435人(9.0%)
中学生 6万0746人 1848人(3.0%) 2153人(3.5%) 4001人(6.6%)
合計 17万6923人 5449人(3.1%) 8987人(5.1%) 1万4436人(8.2%)

 ※震災の影響で、2011年度の学校基本調査速報には、岩手県・宮城県・福島県のデータが反映されていない。そのため、1年古いデータを使って計算している。

 

 現時点で福島県外に転校した小中学生は、全体の5.1%。県内で転校した児童・生徒を含めても、転校者の割合は8.2%にとどまっている。逆に言えば、9割以上の子供は、震災前と同じ小中学校に通い続けているわけだ。

 こうした状況を見て、「子供の命・健康が大事。すぐに安全な場所に移るべし」と叫ぶ人もいるだろう。だが、それは安易だ。

 もちろん、子供の健康は心配だ。福島県は広い(面積は東京都の6.3倍で、北海道、岩手県に次ぎ3位)が、いわき市・郡山市・福島市といった人口密集地は、福島第1原発から40~60キロメートルほどの距離。多くの人は、このまま福島県内に住み続けて大丈夫かと不安を感じているだろう。

 しかし、それでも9割以上の人が、現在の場所に住むことを選択している。この事実は、重い。

 転居とは、時に大きなリスクを伴うものだ。いざという時に頼れる親戚や友人から遠く離れるリスク。持ち家を放棄するリスク。新しい職場に移り、不慣れな仕事を始めるリスク……。子供を持つ親ならなおさらだろう。親は子供の健康だけでなく、進学費用や、彼らの健全な友人関係だって守らなければならないのだ。

 福島県の人たちは、そういったリスクとリターンを心のはかりにかけ、自らの行動を決めている。苦いものを飲み込むような思いで、そこに住み続けることを決断しているのだ。そうした方々を、乏しい想像力で安易に断罪してはいけない。

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