- 2011年10月6日 23:54
- ニュースな数字
福島県外に小中9千人転校…放射線の影響懸念か
福島県教育委員会は5日、東日本大震災後に県外に転校した公立小中学校の児童生徒が、9月1日現在で小学生6834人、中学生2153人の計8987人に上ることを明らかにした。
県教委によると、県内の別の学校に転校した児童生徒は、小学生3601人、中学生1848人の計5449人。合わせて1万4436人が転校しており、多くが東京電力福島第一原発事故による放射線の影響を懸念しての転校とみられる。
福島県統計調査課がまとめている「平成22年度学校基本調査報告書」によれば、2010年5月時点で、福島県内の公立小学校に通っていた児童は11万6177人。公立中学校に通っていた生徒は6万746人いた。
これに対し、上の読売新聞記事によれば、2011年9月1日現在で6834人の児童、2153人の生徒が県外に転校したという。また、3601人の児童と1848人の生徒が、県内の学校に転校した。これらの数字を元に、転校した児童・生徒の割合を算出したのが下の表。
| 児童生徒数※ | 県内転校者数 | 県外転校者数 | 全転校者数 | |
| 小学生 | 11万6177人 | 3601人(3.1%) | 6834人(5.9%) | 1万435人(9.0%) |
| 中学生 | 6万0746人 | 1848人(3.0%) | 2153人(3.5%) | 4001人(6.6%) |
| 合計 | 17万6923人 | 5449人(3.1%) | 8987人(5.1%) | 1万4436人(8.2%) |
※震災の影響で、2011年度の学校基本調査速報には、岩手県・宮城県・福島県のデータが反映されていない。そのため、1年古いデータを使って計算している。
現時点で福島県外に転校した小中学生は、全体の5.1%。県内で転校した児童・生徒を含めても、転校者の割合は8.2%にとどまっている。逆に言えば、9割以上の子供は、震災前と同じ小中学校に通い続けているわけだ。
こうした状況を見て、「子供の命・健康が大事。すぐに安全な場所に移るべし」と叫ぶ人もいるだろう。だが、それは安易だ。
もちろん、子供の健康は心配だ。福島県は広い(面積は東京都の6.3倍で、北海道、岩手県に次ぎ3位)が、いわき市・郡山市・福島市といった人口密集地は、福島第1原発から40~60キロメートルほどの距離。多くの人は、このまま福島県内に住み続けて大丈夫かと不安を感じているだろう。
しかし、それでも9割以上の人が、現在の場所に住むことを選択している。この事実は、重い。
転居とは、時に大きなリスクを伴うものだ。いざという時に頼れる親戚や友人から遠く離れるリスク。持ち家を放棄するリスク。新しい職場に移り、不慣れな仕事を始めるリスク……。子供を持つ親ならなおさらだろう。親は子供の健康だけでなく、進学費用や、彼らの健全な友人関係だって守らなければならないのだ。
福島県の人たちは、そういったリスクとリターンを心のはかりにかけ、自らの行動を決めている。苦いものを飲み込むような思いで、そこに住み続けることを決断しているのだ。そうした方々を、乏しい想像力で安易に断罪してはいけない。
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