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震災によるがれきの量は、東京ドーム8.5個分

震災がれき:都道府県・政令市に今週、処理要請…閣僚会合

 政府は13日、東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)の処理を進めるため、初の関係閣僚会合を開催した。議長の野田佳彦首相は、被災地以外で処理する広域処理について、全都道府県と政令市に受け入れを文書で要請することや、がれきを再利用し、復興の象徴的な事業として津波の防潮林や避難のための高台を整備する方針を示した。

(2012年3月13日 毎日新聞)

 震災によって発生したがれきの処理は、遅れに遅れている。上で紹介した毎日新聞記事によれば、岩手県・宮城県・福島県で発生したがれきの総量は2252万8000トン。このうち処分が済んだのは、わずか6.7%の150万8000トンに過ぎない。残ったがれきは、2252万8000トン-150万8000トン=2102万トンだ。

 ところで、「がれき2102万トン」とはどのくらいの量なのだろうか。国立環境研究所サイトの「東日本大震災関連ページ」に掲載されている資料「災害廃棄物の重量容積変換について(第一報)」によれば、がれき(搬出・処分時)の比重は1立方メートルあたり2.0トンと見積もられている。2102万÷2.0≒1050万だから、がれき2102万トンは容積に直せば約1050万立方メートルというわけだ。
 東京ドームの容積は124万立方メートル。1050万÷124万≒8.5だから、震災で発生したがれきは東京ドーム8.5個分に相当する。また、仮にがれきを深さ1メートルの穴に埋めて処分する場合、必要な敷地は1050平方メートル=10.5平方キロメートル。これは、荒川区(面積10.2平方キロメートル)に匹敵する広さだ。これだけのがれきを被災地だけで処分するのは、とても難しいことだろう。

 がれきの処分を、日本全体で分かち合わなければならないことは、ごみの最終処分場の状況からも伝わってくる。環境省の報道発表資料「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成21年度)について」によると、2009年度末時点でのごみ最終処分場の残り容量は、日本全体で1億1604万立方メートルだ。
 もし被災3県が抱える最終処分場が、3県の人口(日本全体の4.5パーセント程度)に比例しているとすると、その容量は520万立方メートル程度と推測できる。全てのがれきが最終処分場で処分されるわけではないが、それでも「1050万立方メートル」に比べると、やはり少ない。

 どこをどう考えても、がれきを被災地だけで処理することは難しそうだ。やはり、日本全体が分に応じた負担をするしかない。ただ、どうしてもがれきの受け入れを拒否する自治体もあるだろう。
 その場合は、受け入れを拒否する代わりにその自治体の地方税を高くし、その分を被災地支援に回すなどの仕組みを作る方法が考えられるだろう。「カネで安全を買う」ようで、個人的には好きになれないやり方だ。しかし、皆が妥協できる着地点としては、十分に考えられるのではないか。

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コメント:2

Atsushi 2012年3月16日

失礼とは思いましたがコメントさせていただきます。

>どこをどう考えても、がれきを被災地だけで処理することは難しそうだ。

瓦礫そのものの量が約2千3百万トンと言われています。過去の阪神淡路大震災での瓦礫が約2千万トンでした。基本的に被災地の兵庫(主に神戸市)が3年かけて処理しました。
http://www.chukeiren.or.jp/policy_proposal/pdf/2007.pdf

ただ体積が東京ドーム何個分、処分場が少ないという理由だけで、なぜ処理が難しいのかを過去の震災瓦礫と比較して説明する必要があると思います。しかも全てをゴミとするのは無理がありませんか。リサイクルを考慮すべきではないでしょうか。非常に素晴らしい具体案も出ています。
http://youtu.be/gDOEs2_ONGM

福島、宮城、岩手と3県にまたがり37市町村も存在するのにそれが出来ない理由がありません。政府は今まで廃棄物等を「自治体から持ち出さない・持ち込ませない」を行政指導してきたことさえも覆しているのです。

また、それぞれ自治体では瓦礫の有効利用の構想があるにもかかわらず、国や県から阻止されています。専門家や首長の発言で例を挙げれば以下のとおりです。

環境総合研・池田副所長:「被災地に何度も足を運んでいるが『がれきがあるから復興が進まない』と言う話は聞かない」
http://eritokyo.jp/independent/ikeda_tokyonp_20120215.pdf

陸前高田市・戸羽市長:「瓦礫処理施設を作って雇用を生んでさらに護岸工事の母材に使いたい。」
http://www.cyzo.com/2011/08/post_8323.html

岩泉町・伊達町長:「現場からは納得できないことが多々ある。瓦礫処理もそうだ。あと2年で片付けるという政府の公約が危ぶまれているというが、無理して早く片付けなくてはいけないんだろうか。山にしておいて10年、20年かけて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。もともと使ってない土地がいっぱいあり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこにあるのか。」
http://hibi-zakkan.sblo.jp/article/54263353.html

南相馬市長:「放射能汚染された瓦礫は除き、そうでない瓦礫を全長18Kmの防潮堤工事の基礎材に使いたい。南相馬の瓦礫だけでは足りないから、三陸周辺から瓦礫を持ってきたい。」

各首長がこのような意思表明をしているのに、瓦礫処理をしたい自治体と処理が出来ない自治体の選別も無く強引にまとめ、3千億円以上の血税を使うのは「絆」の名の元に隠れた「震災ビジネス」でしかない。財政難でそれに群がる被災地以外の自治体。財源の一部は2013年から2038年までにも及ぶ所得税の増税です。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111124/plc11112408230004-n1.htm

またCO2削減を叫んできた政府が、瓦礫と処理費用拡散のためにエネルギーを膨大に使い、ご都合でCO2や排ガス等をばら撒いていては本末転倒。(CO2悪者説は世界的なペテンだと思いますが)これだけエネルギーの重要性を痛感させられた震災で、何も学んでいない。おまけには消費税も増税とは。

最後に東京都の瓦礫処理を受け入れる元請け企業は、東京電力が95.5%の株式を保有する東京臨海リサイクルパワーです。
http://www.tgn.or.jp/tokyorp/

原発事故を起こした東電の関連企業です。何の責任も取らずのうのうと生き伸びている独占企業です。民間の感覚では有り得ない選択です。これ以上儲けさせる必要が何処にあるのでしょうか。真っ黒な「絆」が見え隠れしています。

以上を考慮してもまだなお、瓦礫と税金のバラ撒きは必要だとお考えでしょうか。

白谷 2012年3月26日

Atsushiさん、丁寧なコメントをありがとうございます。
いただいたコメントが、ブログサービスのスパムフォルダに入れられていたため、
承認するのが遅くなってしまいました。
大変失礼しました。
.
ご指摘いただいた点、納得できるところがいくつもありました。
一方、神戸のケースと東日本大震災とでは、異なる点もあると思っています。
例えば財政規模が違いますし
(兵庫県の財政規模は、宮城・福島・岩手を合わせたものと
匹敵する規模でしょうし、神戸市の財政規模もかなり巨大なはずです)、
がれきを埋め立てる場所の有無という事情もあるでしょう
(神戸・大阪湾周辺には遠浅の海が広がっていますが、
宮城県はリアス式海岸が多く、埋め立てに適さない場所も多いのでは?)。
ですので、現状、私個人としては「判断保留」にします。
.
ゴミの全てをがれきとして扱う必要はないというご指摘は、
確かにその通りだと感じました。
2300万トンのがれきのうち、半分をリサイクルできれば、
問題解決にグッと近づくことができそうですね。
今週、あるNPOの活動を通じて岩手県を訪れることになっているので、
その場でも、いろいろ学んでこようと考えています。
.
東京電力の取扱については、非常に悩ましいと思っています。
原発事故の責任のうち、かなりの部分は東電にあります。
彼らには、責任をとる義務があるでしょう。
ただ、一方で、東電や協力会社の従業員に対して
苛烈な待遇を強いるのは正しくないとも思うのです。
今後、僕らは福島原発を何十年にもわたって管理しなきゃいけません。
これ以上、事態を悪化させないためには、
優秀で勤勉な人材を確保する必要があります。
個人的には、東電の経営陣を一掃して、
福島原発を管理する組織を新設する方がいいかと思うんですけどね。
.
ダラダラとした書き込み、失礼しました。
Atsushiさんのコメント、とても勉強になりました。
どうもありがとうございます。

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