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「スーパームーン」の見かけ上の直径は、普段より7.7%大きい

今夜は“スーパームーン”…大きくて明るい

 NASAの報道によると、5月5日ごろに「スーパームーン」が見られるとのこと。スーパームーンとは、通常の満月より大きく明るい満月のこと。NASAによるとこの5月の満月は、2012年の他の満月より14%大きく、30%明るいそうだ。
(2012年5月5日 RBB TODAY)

 数時間前に知ったのだが、今日は「スーパームーン」が見られるらしい。先ほど外に出てみたら、なるほど今夜の満月は大きくて明るかった。近くには土星(0等星)とスピカ(1等星)も見えたが、どちらも普段より2段階くらい暗く見えた。

 ところで、上の記事には「他の満月より14%大きい」と書かれている。これだけ読むと、大きいのは直径なのか、それとも表面積なのか分からない。また、英語版Wikipediaで「Supermoon」を引いてみると、“a full moon at perigee is 12% larger and brighter than an average full moon”とある。こちらは、「12%大きく、明るい」という表現だ。いったい、どちらが正しいのだろう?

 そこで、Wikipediaで「月」の項を確認してみた。記述によれば、月の平均公転半径は38万4400km。一方、近地点距離は36万3304kmとある。そこで、こんな図を描いてみた。

月・地球の距離と、見かけ上の角度

 月の直径(3474km)と地球からの距離が分かれば、月の見かけ上の角度が分かる。いちいち計算するのは大変なので、カシオ計算機が運営している「keisanサービス」を使い、普段と今日の満月それぞれについて、見かけ上の角度を求めてみた。
 すると、普段の満月の直径は、見かけ上の角度で0度31分4秒=1864秒になるようだ。一方、今日の満月は0度32分52秒=1972秒ということらしい。1972秒÷1864秒≒1.058だから、今日の満月は普段より5.8%だけ直径が大きく見える計算だ。また、1.058の2乗はおよそ1.12。つまり、直径が5.8%増えたことで、見かけ上の面積は12%増えることになる。これが、英語版Wikipediaの「12%大きい」の根拠なのだろう。

 というわけで、手元で計算した限りにおいては、英語版Wikipediaの「12%大きく、明るい」が正しく、NASA発表とされる「14%大きく、30%明るい」が誤っているように思えるのだが、どうなのだろうか?

【追記】
 南アフリカ天文台(South African Astronomical Observatory)の「Lunar Perigee and Apogee 2004-2020」ページによると、今回の「スーパームーン」における地球-月の距離は35万6953km。上と同様に「keisanサービス」を使ってみたところ、満月の直径は見かけ上で0度33分27秒=2007秒となった。2007秒÷1864秒=1.077なので、「スーパームーン」の見かけ上の直径は普段の満月より7.7%大きいということになる。当初、この記事には「『スーパームーン』の見かけ上の直径は、普段より5.8%大きい」という見出しを付けていたが、訂正しておきたい。

 また、1.077の2乗はおよそ1.16。つまり、今回の「スーパームーン」は、通常より16%だけ表面積が大きいわけだ。一方、NASAのニュースリリース「Supermoon 2012」には、“The perigee full moon on May 5, 2012 will be as much as 14 percent bigger and 30 percent brighter than other full moons of 2012.”とある。NASAは「2012年の他の月に比べて、『スーパームーン』(の表面積)は14%大きい」と主張しているが、これも恐らく正しいのだろう。

 ただし、NASAの「30%明るい」の根拠は、よく分からない。Wikipediaの「宇宙の距離梯子」の項によれば、天体の見かけ上の明るさは距離の2乗に反比例する。今回、月は「2012年の他の月」に比べて7%程度しか近づいていない。1.07の2乗はおよそ1.14だから、明るさも14%程度しか増えないと思うのだが……。

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コメント:2

かめかめ 2012年5月18日

月は不思議です。

「たまたま」常に同じ面が地球に向くような速度で自転して、

「たまたま」太陽と一直線上に並ぶとほぼ同じ大きさに見えるサイズ。

本当に「たまたま」なのでしょうか?

白谷 2012年5月18日

かめかめさん、ご無沙汰です。
「たまたま」なのか、「必然」か。
なかなか哲学的な問いですね~。
僕には答えを出せそうにありません(^^)。

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trackback - 脳挫傷による見えない障害と闘いながら より 2012年5月20日

「37歳で医者になった僕~」ロケ地と月の写真

大きく綺麗な月を5月6日に撮影したが、5月5日~6日にかけて発生した世界各地で「スーパームーン」と呼ばれ、大きさ14%増だと聞く。

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