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バレンティンの本塁打記録には王を上回る価値が

バレンティン54号 プロ野球記録あと1本

 ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が10日、神宮球場で行われた広島20回戦の一回、前田健から左中間へ今季54号2ランを放ち、1964年の王(巨人)、2001年のローズ(近鉄)、02年のカブレラ(西武)が持つシーズン最多55本塁打のプロ野球記録にあと1本とした。

(2013年9月10日 msn産経ニュース)

 バレンティン選手の年間本塁打記録更新が、目前に迫っている。ヤクルトの残り試合数は23。故障など不測の事態が起こらない限り、記録更新は間違いないだろう。

 世間には、この記録に対して「公式球が、反発係数の低い『統一球』から『飛ぶボール』に変わったからだ」と揶揄する声もあるようだ。確かに、前年に比べて明らかに本塁打数は増えている。ボールが変わった効果は、記録更新を後押ししているのだろう。しかし、王貞治の時代に比べると球場は広くなっており、この点では現代の打者の方が不利だ。
 そこで、ある切り口から歴代のスラッガーを比較してみようと思う。それは、「12球団全体で放たれた総本塁打のうち、1人の打者の占めた割合」だ。

本塁打数(A) 総本塁打数(B) A÷B
王貞治(1964年) 55本 1383本※1 3.98%
R・バース(1985年) 54本 1997本 2.70%
T・ローズ(2001年) 55本 1802本 3.01%
A・カブレラ(2002年) 55本 1706本 3.22%
バレンティン(2013年)※2 54本 1155本 4.68%

※1……1964年当時、セ・リーグは140試合制、パ・リーグは150試合制だった。そのため、パ・リーグの本塁打数には140/150を乗じて総本塁打数を調整・算出している。
※2……2013年9月10日現在の成績

 1985年には、年間に2000本近い本塁打が生まれていた。今よりずっと「打高投低」で、本塁打が出やすい環境だったのだ。そのため、ランディ・バースが打った本塁打は、総本塁打の2.7%に過ぎない。タフィ・ローズやアレックス・カブレラも、3%強という水準にとどまっている。これに対し、1964年の王貞治は素晴らしい。彼が放った55本の本塁打は、総本塁打の4%近くを占めた。バース、ローズ、カブレラより厳しい環境で、突出した記録を残していたと評価できるだろう。
 ところが、バレンティンはさらにすさまじい。今シーズンは、総本塁打の4.68%を彼一人でたたき出しているのだ。これは実に素晴らしい値。今回の記録更新は、実に価値の高いものだと思う。今シーズンの彼を「王以上のホームランバッター」と呼んでも、違和感はないはずだ。

 さて、この切り口で見た場合、もうひとり紹介したい選手がいる。2011年の中村剛也だ。

本塁打数(A) 総本塁打数(B) A÷B
中村剛也(2011年) 48本 939本 5.11%

 この年は、統一球の影響で本塁打が激減。年間の本塁打数は1000本を割り込んだ。そんななか、48本ものホームランを放った中村は球史に燦然と輝く存在だったと思う。何しろ、彼一人だけで総本塁打の20分の1以上をあげたのだから。

 今年は故障で長期欠場が続いた中村だが、来季はバレンティンの記録を更新する勢いで頑張って欲しいものだ。

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被災3県では20人に1人が現在も避難中

復興願う希望の灯火 震災から2度目の大みそか

 深い爪痕が残る地に、希望の明かりがともる。あの日から2度目の大みそか。夜の仮設住宅で、市街地で、生きる証しがきらめく。時の節目の輝きに、人々の願いと祈りが重なる。
 東日本大震災の最大の被災地、宮城県石巻市の街を高台から望んだ。「復興元年」とされた2012年。多くの被災者が悲しみを乗り越え、生活再建へ一歩を踏み出した。
 厳しい現実も続く。仮設住宅などで避難生活を強いられているのは、全国で約32万5000人。福島第1原発事故の被害が深刻な福島県では、約5万8000人が県外へ避難している。
(2012年12月31日 河北新報)

 東日本大震災と福島原発事故が起きてから2度目の大みそか、か。

 「3.11」の記憶は、スカイツリー開業、ロンドン五輪、中国・韓国との国境を巡る争い、政権交代といったニュースに押しやられ、過去のものにされようとしている。被災地に対する関心も、小さくなる一方だ。だが、上で紹介したニュースなどを目にすると、震災や原発事故はいまだに「現在の出来事」なのだと痛感する。

 復興庁が公開している「避難者等の数[平成24年12月12日]」によれば、現在でも32万人以上の方が避難生活を余儀なくされている。宮城県、福島県、岩手県の3県に限っても、約25万人が避難中という状況だ。
 実はこの人数、昨年からあまり減っていない。約1年前に公表された「避難者等の数[平成23年12月21日]」と、今年のデータを比較したのが下の表。

2011年12月の避難者 2012年12月の避難者 増減
岩手県 4万3812人 4万1626人 -2186人
宮城県 12万3927人 11万2008人 -1万1919人
福島県 9万5546人 9万8235人 +2689人
合計 26万3285人 25万1869人 -1万1416人

 最も減少幅の大きかった宮城県でも、避難者数は1割ほどしか減っていない。福島県に至っては、かえって避難者数が増えているのだ。とてもじゃないが、震災が終わったなんて、口が裂けても言えないのが現状だ。

 避難者の比率も高い。岩手県ウェブサイトの「岩手県毎月人口推計」ページ、宮城県ウェブサイトの「宮城県推計人口(月報)」ページ、福島県ウェブサイトの「福島県の推計人口」ページによれば、2012年12月1日現在における岩手県の人口は130万2645人、、宮城県は232万6957人、福島県の人口は196万523人。ここから、各県の「避難率」を算出したのが下の表。

避難者数(A) 人口(B) 避難率(A/B)
岩手県 4万1626人 130万2645人 3.2%
宮城県 11万2008人 232万6957人 4.8%
福島県 9万8235人 196万523人 5.0%
合計 25万1869人 559万125人 4.5%

 被災3県の避難率は4.5%。ざっと見積もって、20人に1人がいまだに仮住まいなのだ。

 新しい年が、もうすぐやってくる。だが、年明けと共に記憶を風化させてはいけない。震災と原発事故は、今も過去ではなく、現在進行形の問題なのだ。

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妊娠した女性の6人に1人が中絶を選択

妊娠中絶20万件、最少更新 厚労省「知識が普及」

 平成23年度に全国で実施された人工妊娠中絶が20万2106件だったことが25日、厚生労働省の集計で分かった。10年度から約1万件減り、過去最少を更新した。

 母体保護法などで都道府県知事に届け出が義務付けられている妊娠22週未満の中絶件数が対象。データのある昭和30年度から減少傾向で、厚労省は「妊娠に関する知識や避妊方法の普及が影響しているのではないか」とみている。

2012年10月25日 MSN産経ニュース

 上で紹介したニュースにあるように、2011年度の人工妊娠中絶件数は20万件あまり。僕は「こんなに多いのか!」と驚いたが、これでも過去最少の数字だという。厚生労働省の統計調査「衛生行政報告例」によれば、中絶件数の調査が始まった1955年の中絶件数は117万0143件。こちらと比較すれば、2011年度の件数は6分の1ほどで、なるほど改善がなされているようだ。

 ただ、以前に比べれば出生数も減っている。そこで、「衛生行政報告例」と、厚生労働省の「平成23年(2011)人口動態統計の年間推計」を使って「中絶率」(中絶件数を、出生数と中絶数の合計で割ったもの)を算出してみた。

出生数(A) 中絶件数(B) 中絶率(B/(A+B))
1955年 173万0692 117万0143 40.3%
1961年 158万9372 103万5329 39.4%
1971年 200万0973 73万9674 27.0%
1981年 152万9455 59万6569 28.1%
1991年 122万3245 43万6299 26.3%
2001年 117万0662 34万1588 22.6%
2011年 105万7000 20万2106 16.1%

※出生数は全て暦年での数値。中絶件数については、2011年度のみ年度での数値で、その他は暦年での数値。本来は、流産や死産、あるいは「違法な中絶」なども加えて算出する方が正確だが、割愛した。

 1955年当時の中絶率は4割を超えていた。妊娠した女性の、5人に2人の割合で中絶していたのだ。にわかに信じがたいほどの数字ではないか。その後、中絶率は徐々に減少。しかし、2011年になっても16.1%という水準にとどまっている。ざっくりと言って、妊娠した女性の6人に1人は中絶という道を選んでいるわけだ。以前よりははるかにマシだが、それでも、かなりの水準ではないかと感じる。

 「衛生行政報告例」には、世代別の中絶件数も掲載されている。そこで、2011年と1961年の世代別中絶率も算出した。

2011年
出生数(A) 中絶件数(B) 中絶率(B/(A+B))
20歳未満 1万3318 2万0903 61.1%
20~24歳 10万4059 4万4087 29.8%
25~29歳 30万0384 4万2708 12.4%
30~34歳 37万3490 3万9917 9.7%
35~39歳 22万1272 3万7648 14.5%
40~44歳 3万7437 1万5697 29.5%
45~49歳 802 1108 58.0%
50歳以上 41 21 33.9%
1961年
出生数(A) 中絶件数(B) 中絶率(B/(A+B))
20歳未満 2万5218 1万4475 36.5%
20~24歳 46万9027 18万1522 27.9%
25~29歳 69万1349 30万9195 30.9%
30~34歳 37万2175 31万5788 45.9%
35~39歳 13万8158 22万5152 62.0%
40~44歳 3万3055 10万9652 76.8%
45~49歳 1572 1万3027 89.2%
50歳以上 134 268 66.7%

 25歳以上の世代では、おしなべて中絶率は下がっている。ところが、「20~24歳」と「20歳未満」では中絶率が上がっているのである。晩婚化が進み、この世代の婚姻率が低下していることが背景にあるのは確かだ。他にも、「子供を持てない」「持ちたくない」と若い世代に考えさせるような事情が、現在の日本にはあるのだろう。

 妊娠した女性の6人に1人が中絶している事実は、なかなかに考えさせられるものがある。「妊娠に関する知識や避妊方法の普及」だけではなく、出産しやすい環境を用意して中絶率を下げる取り組みをぜひ強化して欲しいと、心から感じた。

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