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自販機で売られる清涼飲料は38.5%~廃止ならメーカーには大打撃
- 2011年4月11日 23:41
- ニュースな数字
石原慎太郎4選会見「パチンコと自販機規制で電力対策」
4選を果たした石原慎太郎東京都知事(78)が、自販機やパチンコの電力消費ぶりをぶった切り、ネット上で絶賛する声などが相次いでいる。一方、両業界では、節電に努めていると反論しており、困惑している様子だ。
(中略)
10日夜の当選後も、各社のインタビューに熱弁を振るった。石原氏は、自販機とパチンコの両業界で年間の電力消費がそれぞれ450万キロワットで、合わせて1000万キロワット近い電力が浪費されていると強調。これは、福島第1原発とほぼ同じ電力消費だとした。そして、国は、オイルショック時に出したように、節電のための政令を出せばよいとまで言い切った。
東京都知事選で、石原慎太郎氏が4回目の当選を果たした。当確が出た後のインタビューで飛び出したのが、上のセリフ。
石原氏の「自販機とパチンコで、年間の電力消費が1000万kW」という発言は、「消費電力」と「消費電力量」を混同している。消費電力とは電化製品などを動かす際に使われる電力のこと。この値に時間を掛けたものが「消費電力量」になる。例えば、消費電力が10Wの電球を1時間点灯すると、消費電力量は10Whだ。「年間の電力消費」と言うからには消費電力量を指すはずだが、単位はkWとなっている。
石原氏は自販機とパチンコの消費電力量について、「福島第1原発とほぼ同じ」という表現をしている。東京電力サイトの「最近の運転実績」ページによれば、2009年度における福島第1原発の年間発電量は329億万kWh。「1000万kW」とは、似ても似つかない値だ。ただし、1000万kWと聞いてピンと来る数字がある。福島第1原発(出力470万kW)と、福島第2原発(出力440万kW)の合計出力が、910万kWなのである。恐らく石原氏は、「自販機とパチンコの消費電力は、福島第1・第2原発の合計出力とほぼ等しい」という意味合いのことを言いたかったのではないか。
ただし、こうやって善意に解釈しても、不都合な点が出てくる。
自動販売機工業界の「2009年末自販機普及台数及び年間自販金額」ページによれば、自販機の普及台数は396万1600台。これに対し、自販機の消費電力は450万kWだと、石原氏は主張している。
450万kW÷396万1600万台=1.14kW(1140W)。つまり、石原氏の主張が正しければ、自販機の1台あたり消費電力は1140Wになる。これは、500リットルクラスの大型家庭用冷蔵庫(定格消費電力250~300W程度)の4倍ほどだ。396万1600台の自販機の中には、乾電池・玩具(70万台)やたばこ(40万5000台)など消費電力の小さい自販機も含まれている。いくら何でも、1台の自販機が冷蔵庫の何倍も電気を食うことはないはずだ。
同じJcastニュース記事には、日本自動販売機工業会専務理事の「全国の消費電力量は年間44億キロワット時」というコメントも紹介されている。44億kW÷365日÷24時間=50万2283kW。これを396万1600台で割ると、0.127kWh=127Wh。恐らく、こちらの方が実態に近い。石原氏の言う「450万kW」という数字は誤りで、全国の自販機をすべて廃止しても、せいぜい数十万kWほどの節電にしかならないだろう。
これに対し、自販機を全面廃止した場合の経済的損失は大きい。富士経済のリポート「清涼飲料市場 2009年の結果と2010年の展望」によると、2009年の清涼飲料市場は4兆8820億円。一方、前出の「2009年末自販機普及台数及び年間自販金額」によれば、自販機による清涼飲料の年間販売金額は1兆8795億円。清涼飲料の38.5%が、自販機を通じて売れているわけだ。自販機廃止で、コンビニなど他のチャネルに回る消費者もいるだろうが、清涼飲料の売り上げ激減は避けられまい。
自販機チャネルへの依存度が高いメーカーは、さらに厳しい状況に追い込まれる。下の表は、ダイドードリンコの「平成23年1月期 決算説明補足資料」、アサヒビールの「FACTBOOK2011」、キリンホールディングスの「2009年度版データブック」、伊藤園の「Corporate Book 2010」から、自販機チャネルが各社の販売額に占める割合を抜き出したもの(キリンHD、アサヒビールは非アルコール事業のデータ)。
| 自販機の割合 | |
| ダイドードリンコ | 88.8% |
| アサヒビール | 34.0% |
| キリンHD | 31.2% |
| 伊藤園 | 16.8% |
伊藤園のように自販機への依存率が低いメーカーなら、仮に自販機が廃止されてもやっていけるだろう。しかし、ダイドードリンコのような企業にとっては、まさに死活問題。石原氏は、そのあたりの事情を分かっているのだろうか?
石原氏の発言をチェックしてみると、ずいぶん粗雑な点が多いなあと思う。勇ましいけど、整合性はとれていない。この人が、あと4年間、都政を担うのか……。まあ、僕が住んでいるのは森田健作氏を県知事に、プリティ長嶋氏を県議に選んだ選挙区だから、ため息をつく資格もないんだけどさ。
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自粛ムードでレジャー・外食・酒の消費が半減すれば、GDPは6.2%減に
- 2011年4月6日 23:52
- ニュースな数字
岩手の日本酒で花見を 酒造3社、「消費も復興支援」
「花見の自粛は被災地のためになりません」-。
石原慎太郎東京都知事の「自粛すべき発言」などをめぐり論議となっている花見について、県内の酒造会社3社がインターネット上などで「岩手の日本酒を大いに消費することで被災地の経済に寄与してほしい」と、被災がなかった都市圏に向けた発信が話題となっている。
東日本大震災の発生から、もうすぐ1カ月が経とうとしている。各地の工場が操業を再開したり、小・中・高校が新学期を迎えるなど、明るい話題も増えてきた。
ところが、いわゆる「自粛ムード」も根強い。すでに、三社祭(浅草神社例大祭)や静岡まつりといった行事が、次々と取りやめになった。また、2011年4月5日付け毎日新聞記事「熊本城:3月入園者、4割減の13万人 東日本大震災で旅行自粛響く/熊本」などで伝えられている通り、旅行や飲み会を自粛する人も増えているようだ。
総務省統計局の資料「日本の統計~国内家計最終消費支出の内訳」によると、2008年度の国内家計最終消費支出は280兆円。うち、「娯楽・レジャー・文化」への支出は30兆2000億円、「外食・宿泊」は22兆3000億円、「アルコール飲料・たばこ」は8兆8000億円を占める。仮に、自粛によってこれらの支出が半減したとしよう。すると、(8兆8000億円+30兆2000億円+22兆3000億円)÷2=30兆6500億円の消費が失われる。一方、2008年度の国内総生産は494兆円。30兆6500億円÷494兆円≒6.2%だから、「自粛ムード」によって酒・レジャー・外食などへの支出が半減すれば、GDPを6.2%も引き下げてしまう。
逆に言えば、日本人全員が普段の1.5倍旅行に出かけ、外食をし、飲み会に参加すれば、同じ分だけGDPを高められるのだ。2011年4月6日付け朝日新聞記事「震災補正3兆円超 政権原案、国債見送り年金財源を活用」などによれば、政府は数兆円規模の復興予算を組もうとしているらしい。しかし、僕らが積極的に消費を増やすことでも、同様、あるいはそれ以上の効果を生み出すことが出来る。
被災者に申し訳ないと感じる気持ちは、とても尊いと思う。でも、普段通り生活できる人は、普段通りに消費をする方がいい。そうして日本経済を活性化することが、巡り巡って、被災者・被災地への支援にもなるのである。
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来季は、過去最多の日本人メジャーリーガーが生まれるかも?
- 2011年4月2日 23:02
- ニュースな数字
大リーグ外国人出身地、日本は6位に後退
米大リーグは1日、開幕メジャー(出場選手登録枠各チーム25人と故障者リスト登録選手)846選手の出身内訳を発表し、昨年と同じ27・7%の234人が、米国以外の国や地域の出身となった。
出身国・地域は14に上り、ドミニカ共和国の86人をトップに、ベネズエラが62人、プエルトリコが20人で続いた。上位3か国・地域は昨年と変わらないが、昨年は14人で4位だった日本は、今年は10人に減り、16人のカナダ、11人のキューバに抜かれ6位に後退した。
メジャーリーグが開幕戦を迎えた。メジャー11年目のイチローは、2安打2盗塁と堂々の船出。一方、今季からツインズでプレイする西岡剛は、タイムリーエラーを犯してほろ苦いデビュー戦となった。
ところで、開幕時にロースター入りを果たした日本人メジャーリーガーは、上の読売新聞記事で紹介されているように10選手。昨年に比べて4人減った。そこで、野茂英雄がドジャーズに入団した1995年からの、日本人メジャーリーガーの人数をまとめたのが下のグラフ。
日本人選手によるメジャー入りの道を切り開いたのは、なんと言っても野茂英雄だ。1995年の成績は、13勝6敗、防御率2.54。9月にはノーヒットノーランを記録し、新人王と奪三振のタイトルを獲得した。前年のストライキで人気が落ち込んでいたメジャーリーグにとって、「トルネード」は救世主だったのだ。
野茂の成功により、日本人投手は脚光を浴びた。そして、翌1996年にはマック鈴木、1997年には長谷川滋利や伊良部秀輝などがメジャー入り。その後しばらくは、「投高打低」の状況が続いたのである。
風向きが変わったのは2001年。イチローと新庄剛志が、日本人野手初のメジャーリーガーとなった。そして彼らの活躍により、日本人野手もメジャーで通用することが証明された。
その後、田口壮や松井秀喜などが各チームで確固とした地位を築き、日本人野手の数も徐々に増加。2006年には、長谷川の引退や野茂のマイナー落ちなどもあって、野手の数が投手を上回ったのである。
最盛期の2008年と2009年には、18人の日本人選手がメジャーでプレイしていた。それに比べると、今季の10人という数字はやや寂しい。ただ、来年は多くの日本人選手が海を渡るのではないか。なぜなら、来季は日本プロ野球の経営環境が相当悪くなると思われるからだ。
2010年10月25日付け当ブログ記事「日本シリーズの放映権料はバラエティ番組制作費の2倍」や、2011年1月6日付け記事「プロ野球全選手の年俸総額は、20年前に比べて2.76倍に増加」でも触れたように、ここ数年の日本プロ野球界は厳しい状況に置かれている。観客動員は頭打ちで、テレビ放送権料は落ち込む一方。親会社による赤字補填も受けにくくなっている。そこに、今回の大震災だ。多くの球団では経営が悪化するはず。そして彼らは、人件費を削減しようと試みるだろう。
2011年4月1日付け47NEWS・共同通信記事「大リーグ平均年俸2・8億円 最高はロドリゲス27億円」によれば、イチローの年俸は1800万ドル(約15億円)。福留孝介が1450万ドル(約12億円)、黒田博樹が1177万ドル(約10億円)だという。日本プロ野球の状況次第ではあるが、来季はメジャーに移籍して好待遇を勝ち取ろうとするスター選手が増える可能性が高い。ことによると、20人以上の日本人選手がメジャーでプレイする可能性だってあり得る。
球場で野球を楽しむファンにとって、スター選手が海外移籍するのは寂しいことだ。でも、海外で活躍する日本人選手は、経済的にも精神的にも、日本を支えてくれる。この数年に関しては、スター選手を笑顔で送り出す方がいいのだろうな。そして、その間に日本を復興し、彼らが戻れる環境を用意するのだ。
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