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来季は、過去最多の日本人メジャーリーガーが生まれるかも?

大リーグ外国人出身地、日本は6位に後退

 米大リーグは1日、開幕メジャー(出場選手登録枠各チーム25人と故障者リスト登録選手)846選手の出身内訳を発表し、昨年と同じ27・7%の234人が、米国以外の国や地域の出身となった。
 出身国・地域は14に上り、ドミニカ共和国の86人をトップに、ベネズエラが62人、プエルトリコが20人で続いた。上位3か国・地域は昨年と変わらないが、昨年は14人で4位だった日本は、今年は10人に減り、16人のカナダ、11人のキューバに抜かれ6位に後退した。

(2011年4月2日 読売新聞)

 メジャーリーグが開幕戦を迎えた。メジャー11年目のイチローは、2安打2盗塁と堂々の船出。一方、今季からツインズでプレイする西岡剛は、タイムリーエラーを犯してほろ苦いデビュー戦となった。

 ところで、開幕時にロースター入りを果たした日本人メジャーリーガーは、上の読売新聞記事で紹介されているように10選手。昨年に比べて4人減った。そこで、野茂英雄がドジャーズに入団した1995年からの、日本人メジャーリーガーの人数をまとめたのが下のグラフ。

日本人メジャーリーガー人数の推移

 日本人選手によるメジャー入りの道を切り開いたのは、なんと言っても野茂英雄だ。1995年の成績は、13勝6敗、防御率2.54。9月にはノーヒットノーランを記録し、新人王と奪三振のタイトルを獲得した。前年のストライキで人気が落ち込んでいたメジャーリーグにとって、「トルネード」は救世主だったのだ。
 野茂の成功により、日本人投手は脚光を浴びた。そして、翌1996年にはマック鈴木、1997年には長谷川滋利や伊良部秀輝などがメジャー入り。その後しばらくは、「投高打低」の状況が続いたのである。

 風向きが変わったのは2001年。イチローと新庄剛志が、日本人野手初のメジャーリーガーとなった。そして彼らの活躍により、日本人野手もメジャーで通用することが証明された。
 その後、田口壮や松井秀喜などが各チームで確固とした地位を築き、日本人野手の数も徐々に増加。2006年には、長谷川の引退や野茂のマイナー落ちなどもあって、野手の数が投手を上回ったのである。

 最盛期の2008年と2009年には、18人の日本人選手がメジャーでプレイしていた。それに比べると、今季の10人という数字はやや寂しい。ただ、来年は多くの日本人選手が海を渡るのではないか。なぜなら、来季は日本プロ野球の経営環境が相当悪くなると思われるからだ。
 2010年10月25日付け当ブログ記事「日本シリーズの放映権料はバラエティ番組制作費の2倍」や、2011年1月6日付け記事「プロ野球全選手の年俸総額は、20年前に比べて2.76倍に増加」でも触れたように、ここ数年の日本プロ野球界は厳しい状況に置かれている。観客動員は頭打ちで、テレビ放送権料は落ち込む一方。親会社による赤字補填も受けにくくなっている。そこに、今回の大震災だ。多くの球団では経営が悪化するはず。そして彼らは、人件費を削減しようと試みるだろう。

 2011年4月1日付け47NEWS・共同通信記事「大リーグ平均年俸2・8億円 最高はロドリゲス27億円」によれば、イチローの年俸は1800万ドル(約15億円)。福留孝介が1450万ドル(約12億円)、黒田博樹が1177万ドル(約10億円)だという。日本プロ野球の状況次第ではあるが、来季はメジャーに移籍して好待遇を勝ち取ろうとするスター選手が増える可能性が高い。ことによると、20人以上の日本人選手がメジャーでプレイする可能性だってあり得る。

 球場で野球を楽しむファンにとって、スター選手が海外移籍するのは寂しいことだ。でも、海外で活躍する日本人選手は、経済的にも精神的にも、日本を支えてくれる。この数年に関しては、スター選手を笑顔で送り出す方がいいのだろうな。そして、その間に日本を復興し、彼らが戻れる環境を用意するのだ。

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プロ野球全選手の年俸総額は、20年前に比べて2.76倍に増加

ダルビッシュ、5億円で契約更改 現役日本選手最高額

プロ野球・日本ハムのダルビッシュ有投手(24)が6日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現役日本選手最高となる、年俸5億円で一発更改した。

(2011年1月6日 朝日新聞)

 プロスポーツ選手の収入を自らのそれと比べ、「高すぎる」と批判する人がいる。だが、僕はそうした意見には反対だ。
 報酬とは、感謝の量に比例して与えられるべきものだ。その人が誰かの役に立ったり、誰かを幸せにした分だけ、お金をもらえる仕組みが望ましいと僕は思っている。
 その点、卓越したスポーツ選手は、多くの人にたくさんの幸せを与えられる存在だ。彼らのプレイを見て、僕らは興奮し、ストレスを忘れ、勝利に酔うことができる。特に、ダルビッシュ選手のように取り替えのきかない選手ならなおさらだ。彼らが一般人より多くの収入を得ることは、当然のことだと言えよう。

 ただし、プロスポーツ選手の年俸が上がり続けることには問題もある。特に日本のプロ野球の場合、選手の人件費を球団が支えきれなくなっているのだ。

 下のグラフは、プロ野球全球団の総選手年俸の推移をまとめたもの。日本プロ野球選手会ウェブサイトの「2010年シーズンの年俸調査結果の発表」ページから、全球団の支配下公示選手数と平均年俸を掛け合わせて算出している。

プロ野球選手の年俸総額

 1990年当時の選手年俸の総額は103億円。つまり、1球団あたりの額は、103億円÷12球団=8億6000万円だった。ところが、2000年には239億円(1球団あたり19億9000万円)にまで増加。そして、2010年には284億円(1球団あたり23億7000万円)に達した。選手年俸の総額は、20年間で2.76倍に増えた計算になる。
 球団の収入が順調に増えていれば、人件費が膨らんでも問題はない。しかし、ここ数年、プロ野球の経営環境は逆風続きだ。当ブログの2010年10月25日付け記事「日本シリーズの放映権料はバラエティ番組制作費の2倍」でも触れたように、テレビの放映権料は右肩下がり。さらに、テレビ中継される試合数自体も激減している。観客動員数も、現状維持が精一杯の状況だ。
 2010年12月29日付けmsn産経ニュース記事「ロッテの収入、過去最高の80億円 それでも赤字20億円」では、日本シリーズ進出や、MLBに移籍した西岡選手の入札金といった臨時収入があったロッテでも、20億円の赤字を出したと伝えられている。昨年末、TBSが横浜ベイスターズを売却しようとしたのも、重い赤字に耐えかねた結果の動きだろう。

 現状、日本のプロ野球球団には3つの選択肢しかない。1つ目は、入場料収入やグッズ収入を拡大し、ネット放送など新たな収益の柱を見つけることで、増収を図ること。2つ目は、親会社からの補填を受け続け、赤字を甘受し続けること。そして3つ目が、サラリーキャップ制などを導入し、人件費の高騰に歯止めを掛けることだ。
 個人的には、1つ目と3つ目の方法の組み合わせ以外に、道はないと思う。しかし、サラリーキャップ制を敷くと、MLBとの年俸格差はさらに大きくなるはず。ダルビッシュ選手を始めとするトップ級の流出も、激しくなるかもしれない。

 経営の健全化と有力選手の引き留め、どこでバランスをとればいいのか。これは、なかなかの難問だ……。

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日本シリーズの放映権料はバラエティ番組制作費の2倍

日本シリーズ第1・2戦、地上波の全国中継なし

 中日―ロッテの顔合わせとなったプロ野球日本シリーズで、ナゴヤドームで開催される第1戦(10月30日)と第2戦(31日)は、地上波の全国テレビ中継がないことが24日、明らかになった。千葉マリンスタジアムでの第5戦(11月4日)も同様となる可能性が高い。プロ野球日本一を決めるシリーズでは、極めて異例の事態だ。

(2010年10月24日 朝日新聞)

 プロ野球・日本シリーズの視聴率は、右肩下がりの状況だ。全戦がナイトゲームで行われるようになった1995年以降の、関東地方における視聴率は下記の通り(ビデオリサーチ「過去の視聴率データ~プロ野球日本シリーズ」より)。

カード 平均視聴率 最高視聴率 最低視聴率
1995 オリックス対ヤクルト 32.0% 35.2% 29.0%
1996 オリックス対巨人 37.1% 43.3% 29.0%
1997 西武対ヤクルト 25.1% 28.9% 20.8%
1998 西武対横浜 25.1% 29.9% 20.9%
1999 ダイエー対中日 22.1% 16.8% 27.3%
2000 ダイエー対巨人 31.8% 36.4% 25.7%
2001 近鉄対ヤクルト 16.6% 19.0% 14.3%
2002 西武対巨人 28.7% 30.5% 25.8%
2003 ダイエー対阪神 22.6% 26.1% 19.5%
2004 西武対中日 16.0% 20.0% 13.0%
2005 ロッテ対阪神 18.2% 20.0% 15.8%
2006 日本ハム対中日 19.0% 25.5% 16.1%
2007 日本ハム対中日 12.3% 17.6% 9.2%
2008 西武対巨人 20.2% 28.2% 15.7%
2009 日本ハム対巨人 18.0% 21.6% 15.9%

 1996年の「オリックス対巨人」では、関東地方におけるシリーズ平均視聴率が37.1%にも達した。第2戦の視聴率は43.3%で、これは年間視聴率ランキングで紅白歌合戦に続く2位。また、第1戦(43.1%・3位)、第5戦(36.3%・10位)も、年間ランキングに入っている。ちなみに、この年はアトランタ五輪も開催されたが、年間ランキング入りを果たしたのは、男子マラソン(4位)と女子マラソン(9位)だけ。この頃の日本シリーズは、テレビ局にとってオリンピックをしのぐ大イベント。まさに超の付くドル箱番組だった。
 風向きが変わったのは2001年。この年、関東での平均視聴率が、初めて20%を割り込んだ。続く2002年、2003年は盛り返したが、2004年以降は再び20%割れ。2007年の「日本ハム対中日」では、平均視聴率12.3%、最低視聴率9.2%と低迷した。今回、テレビ局が全国中継を見送ったのは、「ロッテ対中日」の視聴率が2007年並みになると見積もったからだろう。

 現在、テレビ局は番組制作費の削減を進めている。例えば、フジ・メディア・ホールディングスの2009年度決算説明会向け資料によると、2009年度におけるフジテレビの番組制作費は1049億円で、前年より4.8%減。日本テレビの決算説明会向け資料によると、日本テレビでは947億円で、前年より15.6%減だった。視聴率12%程度のバラエティ番組なら、1時間あたり2000万円前後でまかなってしまうはずだ。
 一方、2010年10月16日付けZAKZAK記事「日本シリーズ“企画倒れ”冠スポンサー見つからず…」によれば、日本シリーズの放映権料は1試合あたり9450万円。放映権料だけで1時間あたり3500~4000万円程度かかる計算になる。ざっと見積もって、バラエティ番組の2倍。他に中継にかかる経費も必要で、これではテレビ局も手を出せまい。

 このままでは、来期以降の日本シリーズも、全国中継されない危険性がある。阻止するには、放映権料の引き下げが必要だが、高コスト体質の日本プロ野球界にそれができるかどうか……。気になるところだ。

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