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ルーマニア人は摂取カロリーの12%をチョコで得ている

世界の雑記帳:チョコ摂取量多い国、ノーベル賞輩出の確率高まる=研究

 [11日 ロイター] チョコレート消費量が多い国ほど、ノーベル賞受賞者を輩出する確率が高い――。こんな研究結果が医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表された。
 チョコレート消費量とノーベル賞受賞者を輩出する確率に相関関係を見いだしたのは、米ニューヨークの病院に勤務するフランツ・メッサーリ医師。同医師はこの相関関係を、ココアやワインに含まれる抗酸化物質フラボノイドが、認知力テストで高得点を獲得することに関係するという研究から思い付き、23カ国のチョコレート摂取量とノーベル賞受賞者数の人口比を調べたという。
 その調査結果によると、最も相関関係が見られたのはスイスで、スウェーデン、デンマークがそれに続く。スイス出身のメッサーリ医師は「スイス人は平均で、1本当たり85グラムのチョコバーを年間120本食べる」と話す。

(2012年10月11日 毎日新聞)

 上の記事を見て驚いたのは、スイス人のチョコレート消費量だ。記事によれば、彼らは85g×120本=10.2kgものチョコバーを、1年で食べているらしい。
 ただし、世界一のチョコレート消費国はスイスではない。日本チョコレート・ココア協会サイトの「世界主要国チョコレート菓子生産・輸出入・消費量推移」ページによれば、1人あたりチョコレート消費量が最も多いのはルーマニア。2009年における消費量は、15.4kgにも上る。これに対し、日本は2.1kg。主要国の中では最も低い部類だ。

 食品のカロリーが一覧できるサイト「グラムのわかる写真館」によると、チョコレートは1kgあたり5570kcal。つまり、ルーマニア人は1年間に15.4kg×5570kcal=8万6000kcalを、チョコレートを通じて摂取している。一方、成人の摂取カロリーの目安は1800~2200kcalとされる。ざっくり2000kcalとすると、1年間で2000kcal×365日=73万kcal。8万6000kcal÷73万kcal≒11.8%だから、ルーマニア人は必要なカロリーの12%ほどをチョコレートから得ているのだ。

 ちなみに、総務省の「家計調査」によれば、日本人1人あたりの食パン消費量は年20kgほど。食パンのカロリーは1kgあたり2640kcalなので、日本人は20kg×2640kcal≒5万3000kcalを食パンから得ている計算になる。つまり、ルーマニア人にとってのチョコレートは、日本人にとっての食パンより大きなカロリー源というわけだ。彼の地では、チョコレートは主食に近い存在なのだろうか。

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 話は横道にそれる。

 新聞社は、来る日も来る日も新聞を作っている。これは、実に大変なことだ。時には、ネタが少なくて苦労する時もあるだろう。それでも、白紙のページを作るまいと彼らは努力を重ねる。
 このあたりの事情は、テレビ局も同じ。決められた放送時間を埋めるため、制作担当者は必死になって映像を撮ってこなければならない。
 ネット時代になって、「紙幅・ページ数」や「放送時間」という足かせはなくなりつつある。数十万字を費やして伝えたい記事があれば、何ページも使って語り続ければいい。オンデマンド放送なら、尺を気にせずに番組を作ることができる。紙幅や放送時間の都合でカットする必要などないのだ(「長々と語られても誰も見ねえよ」という編集上の問題はあるが)。逆に、スペースを埋めるためだけに、愚にもつかない記事や映像を垂れ流す必要もなくなる。これは、新聞社・テレビ局にとっても、読者にとっても幸せなことではないだろうか。

 ただ、「埋め草記事」の中にも、時には愛すべきものがある。上で紹介したのは、その一例だ。
 記事で紹介されているアメリカの医師は、いわゆる「疑似相関」の罠にはまっている。例えば、秋になると食欲は増す。同時に、もの悲しい気持ちになる人も増える。でも、だからといって、「もの悲しい気持ちになるのは、食欲が増したからだ!」という結論にはならない。医師が主張しているのは、その種の与太話だ。もちろん、記事の作り手にとってそのあたりの事情は百も承知。上のニュースは、こう結ばれている。

 2001年にノーベル物理学賞を共同受賞した米国人物理学者のエリック・コーネル氏は、チョコレート消費量は国の富に関連し、質の高い研究も国の富に関連すると指摘。ゆえに、「チョコレート消費量と質の高い研究に関連性があると言えるだろう。ただし、直接的な因果関係はないが」と付け加えた。

 誠にごもっとも。この結論が全てである。ただ、ノーベル賞を輩出する確率をチョコレートと結びつけるのは、罪がなくていいと思うのだ。例えば、ノーベル賞輩出率は、1人あたりGDPや教育費ともある程度の相関関係があるのだろう。また、軍事費や社会保障費ともそれなりの連動性があると思われる。でも、それらを持ち出すと、笑って読み飛ばせる記事にはならない。
 「チョコとノーベル賞」というテーマは、埋め草として素晴らしい塩梅だ。毒にも薬にもならない感じが、実に丁度いい。新聞のネット移行が進むと、この種の記事は恐らく減少するはず。でも、なんとか一定量は残して欲しいと、僕は密かに願っている。

 ちなみに、ノーベル賞の公式サイト「Nobelprize.org」によると、ルーマニア出身の受賞者は3人とさほど多くない。しかも、3人とも国籍はルーマニア以外のようだ。件の医師に伝えたら、どんな反応をするだろうか。

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「スーパームーン」の見かけ上の直径は、普段より7.7%大きい

今夜は“スーパームーン”…大きくて明るい

 NASAの報道によると、5月5日ごろに「スーパームーン」が見られるとのこと。スーパームーンとは、通常の満月より大きく明るい満月のこと。NASAによるとこの5月の満月は、2012年の他の満月より14%大きく、30%明るいそうだ。
(2012年5月5日 RBB TODAY)

 数時間前に知ったのだが、今日は「スーパームーン」が見られるらしい。先ほど外に出てみたら、なるほど今夜の満月は大きくて明るかった。近くには土星(0等星)とスピカ(1等星)も見えたが、どちらも普段より2段階くらい暗く見えた。

 ところで、上の記事には「他の満月より14%大きい」と書かれている。これだけ読むと、大きいのは直径なのか、それとも表面積なのか分からない。また、英語版Wikipediaで「Supermoon」を引いてみると、“a full moon at perigee is 12% larger and brighter than an average full moon”とある。こちらは、「12%大きく、明るい」という表現だ。いったい、どちらが正しいのだろう?

 そこで、Wikipediaで「月」の項を確認してみた。記述によれば、月の平均公転半径は38万4400km。一方、近地点距離は36万3304kmとある。そこで、こんな図を描いてみた。

月・地球の距離と、見かけ上の角度

 月の直径(3474km)と地球からの距離が分かれば、月の見かけ上の角度が分かる。いちいち計算するのは大変なので、カシオ計算機が運営している「keisanサービス」を使い、普段と今日の満月それぞれについて、見かけ上の角度を求めてみた。
 すると、普段の満月の直径は、見かけ上の角度で0度31分4秒=1864秒になるようだ。一方、今日の満月は0度32分52秒=1972秒ということらしい。1972秒÷1864秒≒1.058だから、今日の満月は普段より5.8%だけ直径が大きく見える計算だ。また、1.058の2乗はおよそ1.12。つまり、直径が5.8%増えたことで、見かけ上の面積は12%増えることになる。これが、英語版Wikipediaの「12%大きい」の根拠なのだろう。

 というわけで、手元で計算した限りにおいては、英語版Wikipediaの「12%大きく、明るい」が正しく、NASA発表とされる「14%大きく、30%明るい」が誤っているように思えるのだが、どうなのだろうか?

【追記】
 南アフリカ天文台(South African Astronomical Observatory)の「Lunar Perigee and Apogee 2004-2020」ページによると、今回の「スーパームーン」における地球-月の距離は35万6953km。上と同様に「keisanサービス」を使ってみたところ、満月の直径は見かけ上で0度33分27秒=2007秒となった。2007秒÷1864秒=1.077なので、「スーパームーン」の見かけ上の直径は普段の満月より7.7%大きいということになる。当初、この記事には「『スーパームーン』の見かけ上の直径は、普段より5.8%大きい」という見出しを付けていたが、訂正しておきたい。

 また、1.077の2乗はおよそ1.16。つまり、今回の「スーパームーン」は、通常より16%だけ表面積が大きいわけだ。一方、NASAのニュースリリース「Supermoon 2012」には、“The perigee full moon on May 5, 2012 will be as much as 14 percent bigger and 30 percent brighter than other full moons of 2012.”とある。NASAは「2012年の他の月に比べて、『スーパームーン』(の表面積)は14%大きい」と主張しているが、これも恐らく正しいのだろう。

 ただし、NASAの「30%明るい」の根拠は、よく分からない。Wikipediaの「宇宙の距離梯子」の項によれば、天体の見かけ上の明るさは距離の2乗に反比例する。今回、月は「2012年の他の月」に比べて7%程度しか近づいていない。1.07の2乗はおよそ1.14だから、明るさも14%程度しか増えないと思うのだが……。

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「Reader」の電子コミックは、紙と同等の値段設定……

『進撃の巨人』最新刊も電子書籍で読めるっ!『Reader』に6000冊追加!

 コンパクト・軽量化を追求したボディーや文字の読みやすさで“読む”ということに特化した電子書籍端末といえば、ソニーの『Reader』。
 そのReaderが、電子書籍フォーマット“.book(ドットブック)”に新たに対応し、.bookビューワーを搭載したアップデートファイルを6月22日からReaderユーザー向けに提供を開始した。

(2011年6月22日 週アスPLUS)

 上の記事を読み、少し悲しくなった。今、日本の大企業に、市場をあっと言わせるような、ドラスティックな一手を期待するのは無理なのかな。

 ソニーの電子書籍専用端末「Reader」が「.book」形式のファイルに対応したこと自体は、素晴らしいニュースだ。問題は、上の週アスPLUS記事で紹介されている、次の一文である。

「価格は紙のコミックと基本的に同価格だが、安いものもあるとのこと。」

 2010年7月20日付け当ブログ記事「電子書籍の普及は、埋もれていた書物の発掘をもたらす!」で触れたが、従来型書籍では、売り上げの1割が著者、2割が出版社、3割が取り次ぎと書店、4割が印刷所・製本会社に渡る。ところが、電子書籍では印刷・製本過程が不要。電子書店に支払う手数料も、取り次ぎや書店の取り分より少なくて済む。つまり、従来型書籍より電子書籍の方が、ずっと安く出せるはずなのだ。ところが、「Reader」向けコミックの値段設定は、紙のコミックと同等にするという。

 事情は想像できなくもない。電子書籍の事業は始まったばかり。企業側には、初期投資を早く回収したい気持ちがあるのかもしれない。また、電子書籍を安売りすれば、紙の書籍の売り上げに悪影響がでる。書店などは強く反発するだろう。
 だが、それは企業側の理屈だ。読み手には全く関係のないこと。こんな勝手な値付けで、消費者が納得するわけがないのである。このままでは、電子書籍の普及は遅々として進まないだろう。

 「Reader」の使い勝手はいいとはいえない。6月22日付けITmedia記事「電子書籍、先行き“読めず” 専用端末・コンテンツが伸び悩み」で解説されている通り、「Reader」はコンテンツを取り込むために、ネットに接続されたPCが必要だ。さらに、読み終わった書籍を友人にあげたり、古本屋に売ることも不可能。紙の書籍に比べ、不便なところが多すぎる。
 その上、「Reader」そのものの購入費もかかる。ソニーストア上での直販価格は、1万9800円~2万4800円。仮に1台あたり100冊の電子書籍を購入するとすれば、1冊あたり198~248円の端末購入費が上乗せされているわけだ。
 不便で、値段も高い。これでは、電子出版の普及など画に描いた餅だ。

 もし、電子出版事業を盛り上げたいと思うなら、最初から紙の書籍よりずっと安い値段で出す方がいい。そして、一気に市場を奪うべきだ。しかし、企業はそうしない。「外圧がないと変われない」というのは、日本が長い間抱えてきた病巣だ。電子出版の分野でも、同じことが繰り返されている。それが悲しい。
 結局、Amazonあたりが安い電子書籍を出さないと、何も変われないのかなあ……。その挙げ句、彼らに市場を奪われてしまうようなことになれば、泣くに泣けないと思うのである。

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