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CD新譜1枚あたり生産金額は10年前の3分の1に~ライブ重視が進行中

HMV渋谷:閉店 スガシカオがラスト唱

 東京都渋谷区の外資系CDショップ「HMV渋谷」が22日をもって閉店した。インターネットでの音楽配信など音楽ソフトの販路が多様化し、若者を中心に起こったCD離れが背景にある。

(2010年8月23日 毎日新聞)

 HMV渋谷の閉店は、CD不況の象徴だ。
 日本レコード協会の「全データ一覧」ページによると、CDの生産がピークに達したのは1998年。生産金額は5879億円だった。ところが、2009年のCD生産金額は2460億円。わずか10年あまりで、市場規模は41.8%に縮小してしまった。
 ところが、発表される新譜の数は、10年前とさほど変わっていない。下の表は、1999年以降のCDアルバムの新譜数と生産金額、そして新譜1枚あたりの生産金額をまとめたもの。CD全体の生産金額は半減しているのに、新譜の数は、むしろ増加傾向なのがわかる。

  新譜タイトル数 生産金額 新譜1枚あたり 2001年との比較
1999年 12573 4504億円 3582万円 94.6%
2000年 11333 4264億円 3763万円 99.4%
2001年 10808 4093億円 3787万円 100.0%
2002年 10734 3713億円 3459万円 91.3%
2003年 10933 3336億円 3051万円 80.6%
2004年 12019 3166億円 2634万円 69.6%
2005年 14136 3109億円 2200万円 58.1%
2006年 15377 2937億円 1910万円 50.4%
2007年 16146 2802億円 1736万円 45.8%
2008年 15823 2513億円 1588万円 41.9%
2009年 15054 2119億円 1408万円 37.2%

 2000年~2001年当時は、1枚新譜を出すと3800万円ほどの生産金額が期待できた。ところが、2009年には約1400万円にまで減少。2001年の3分の1近い水準だ。これでは、スタジオ中心のミュージシャンは厳しい。ここ数年目覚ましい成長をとげ、期待が集まっていた有料音楽配信市場も、2009年はゼロ成長。CD市場の縮小を、全く補い切れていない状況だ。
 このあたりの事情は、売り上げの低下を補うため、新刊本を立て続けに発売する出版業界にそっくりだ。ただし、異なる点が1つだけある。出版界は電子書籍以外に進むべき道はないが、音楽界は有料配信以外の戦略を取ることも可能。それが、「ライブ」だ。
 例えば、2009年9月3日付けロイター記事「マドンナのツアー興収、ソロとして過去最高を更新」では、マドンナが1回のツアーで377億円の興行収入をたたき出したと伝えている。実に、日本で1年間に売れるCDの15%に相当する金額だ。国内でも、2010年7月9日付け日刊スポーツ記事「EXILE史上最大の110万人ツアー」で報道されているように、100億円規模のツアーを敢行するアーティストが登場しつつある。

 1枚1000円のシングルCDを100万枚売ると、売り上げは10億円。これに対し、ライブの客単価は、入場料と飲食・物販などの関連収入を合わせれば1万円を超える。10万人を動員すれば、CDでミリオンセラーを出すよりずっと大きな収入を期待できるのだ。
 今後の音楽界では、間違いなく、スタジオからライブへのシフトがさらに加速する。そして、ライブでのパフォーマンスに強みを持つアーティストが、より存在感を増していくはずだ。HMV渋谷の閉店はCD不況の象徴だが、それは音楽不況と等価ではない。CDショップからライブハウスへ、音楽ファンの集まる場所が変わる現状の、象徴でもあるのだ。

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中国の軍事費は日本の3.7倍~軍事力以外の方法で「砲艦外交」に対抗を

中国の空母建造「南シナ海の均衡崩す恐れ」 米国防総省

米国防総省は16日、中国の軍事力についての年次報告書を発表した。中国軍による将来の空母保有を含めた軍事力の増大が、6カ国・地域が島の領有権などを争う南シナ海で「もろい現状を崩壊させ、地域の均衡を変える可能性がある」と強い警戒感を示した。中国政府が反発する可能性がある。

(2010年8月17日 朝日新聞)

 上の記事によれば、米国防総省は2009年の中国の国防費を1500億ドルと推定。一方、「平成21年度版 防衛白書」によると、日本の2009年度の防衛費は4兆7741億円だ。1ドル85円で換算すると、406億ドル。つまり、中国の軍事費は日本の3.7倍となる。
 中国の軍事費の伸びは猛烈だ。防衛白書によれば、中国の「国防費」は、2005年の2447億元から2009年には4729億元へと拡大。わずか4年で、93.3%も増えた。これに対し、同時期における名目GDPの伸び率は81.1%(日本貿易振興機構の「中国~基礎的経済指標」ページより)。中国は、経済成長率を上回るペースで軍事支出を増やしている。
 しかも、日本の軍事費は中国に比べ、構造的に「コスト高」だ。何しろ、軍事費の半分以上を占めると言われる人件費が、中国よりずっと高い。さらに、兵器などの調達コストも、中国よりかさむ。その結果、日中間の兵力は陸上部隊で11.4倍、艦艇で3.0倍、作戦機で4.6倍と、大差が付いている。この上、中国が空母の導入を実現したら、軍事力の差はさらに開くだろう。

 そこで懸念されるのが、中国の「砲艦外交」だ。
 このところ、中国の戦闘艦が日本近海を航行し、問題になるケースが増えている。例えば、2010年4月21日付けmsn産経ニュース記事「中国艦艇の近海通過問題 中国艦載ヘリが護衛艦にまた接近」などが一例だ。これは、一種の「威力偵察」。強硬な姿勢を見せ、日本側の出方をうかがっているのだ。日中間には東シナ海ガス田問題などの懸案があるが、今後、中国が軍事力を背景に圧力を強める可能性は非常に高い。
 ただ、軍事力増強だけが、「砲艦外交」に対抗する手段ではない。日本の10倍もの人口を抱える中国と正面きって競争しても、疲れるだけだ。それより、日本が有利な舞台で戦う手段を、急いで見つけるべきだと思う。
 例えば、安室奈美恵、SMAP、鳥山明、北野武、Jリーグ、NPBといった人々・コンテンツがアジアに出ていくのを、国を挙げて支援するのはどうか。あるいは、ASEAN諸国とがっちり手を組んで、アジア版EUの成立を目指すのはどうか。そうやって、文化力や外交力で軍事力に対抗する道を、日本は進むべきなのだと思う。

 仮に中国軍が攻めてきても、日本が蒼井そらさんを前面に押し立てたら、かなりの中国兵が武器を捨てるかも(笑)。いや、断じて冗談ではない。日本は日本だけにしかできないやり方で、世界を舞台に戦えばいいと思うのだ。

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テレビの「ながら視聴」時間は35.6%~裸眼対応しなければ3Dテレビの普及は不可能

3Dテレビ全然売れない!主要4社参戦も「期待外れ」

 3D(3次元)立体映像テレビの国内主要4社の製品が出そろった。3Dビデオカメラなど周辺機器の投入も相次いでいる。ただ、薄型テレビの販売台数全体に占める割合はわずか1%程度にとどまり、今年を「3D普及元年」とするかけ声とは裏腹に、今のところは期待外れとなっている。

(2010年7月29日 zakzak)

 テレビ局や新聞社にとって、家電メーカーは重要な顧客。だから、メーカーが最も注力している3Dテレビにケチをつけるニュース・記事は、なかなか表に出てこない。だが、多くの人は思っているはずだ。「3Dテレビなど、売れるはずがない」と。
 上で紹介した記事は、3Dテレビが期待ほど売れていない現状を伝えている。そして、普及していない原因について、3D対応ソフトの不足と、割高な価格を挙げている。もちろん、その2つは大きな障害だろう。しかし、それより重大な問題がある。それは、現在の3Dテレビが、「ながら視聴」に全く対応できないということだ。

 NHK放送文化研究所の「2005年国民生活時間調査報告書」によれば、日本人の平均テレビ視聴時間は、1日あたり3時間39分。このうち、テレビだけを見ている「専念視聴時間」は2時間21分に過ぎない。35.6%にあたる1時間18分は、他のことをしながらテレビを見る「ながら視聴」なのだ。なかでも、主婦や自営業者、30~50代の女性といった層の「ながら視聴」時間は多い。
 しかも、これは2005年のデータだ。この5年間で、テレビをめぐる環境は大きく変わった。gooリサーチの「『メディア利用状況』に関する調査結果」によれば、テレビを見ながらPCでインターネットやメールを利用する人は64.1%。テレビを見ながら携帯電話でインターネットやメールを利用する人は46.8%。特に、若年層ほどテレビとネットを並行利用する傾向が強い。インターネットの普及で、「テレビをつけっぱなしにしながらネットを使う」という場面が、大幅に増えているのだ。

 テレビのニュース番組を流しながら、出勤の支度をする。生活情報番組を見ながら家事をする。食事中に、バラエティ番組をちら見しながら家族の会話を楽しむ。スポーツ中継や話題のドラマを見ながら、ツイッターやSNSでリアルタイムの会話を楽しむ……。そのようなスタイルでテレビを楽しむ人は、明らかに増えている。ところが、3Dテレビでは「ながら視聴」は不可能だ。なぜなら、現状の3Dテレビを見るには、専用のメガネが欠かせないから。メガネをかけたら最後、メールも家事もできない。後はただ、テレビ画面に向かってじっと座るだけだ。
 3Dテレビの最大のボトルネックは、「ながら視聴」を妨げる専用メガネだ。だから、裸眼でも楽しめる機種が開発されるまで、普及などあり得ない。

 「ながら派」の一員である僕は、そう確信している。

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中国人観光客が全訪日観光客の1割を突破~隣国に「日本」を売り込む絶好機

観光庁 中国人向けビザ条件緩和で申請5・6倍に

 観光庁の溝畑宏長官は28日の定例記者会見で、中国人の個人観光査証(ビザ)発給要件を今月1日から緩和したのに伴って、今月23日までに累計5836件の申請があり、前年同期から5・6倍に増加したことを明らかにした。富裕層に限定されていた個人観光ビザの対象を中間層にまで拡大したことで、申請が一気に膨らんだ。

(2010年7月28日 msn産経ニュース)

 新宿や渋谷、秋葉原などを歩くと、中国語の会話が頻繁に耳に飛び込んでくる。それもそのはず。今の日本では、中国人観光客の数が急激に伸びているのだ。
 下の表は、日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客統計」ページから、各地からの訪日観光客数と、全訪日観光客のなかに占める割合を整理したもの。

  中国 アジア(除中国) ヨーロッパ 北アメリカ 全訪日観光客
2005年 20万1940人 294万8153人 40万2913人 61万2307人 436万8573人
4.6% 67.5% 9.2% 14.0% (100%)
2006年 29万7025人 345万8271人 40万9568人 62万5522人 498万1035人
6.0% 69.4% 8.2% 12.6% (100%)
2007年 40万7286人 419万4310人 48万5164人 64万2972人 595万4180人
6.8% 70.4% 8.1% 10.8% (100%)
2008年 45万5728人 419万2212人 52万1133人 62万7726人 604万8681人
7.5% 69.3% 8.6% 10.4% (100%)
2009年 48万1696人 296万3339人 50万2495人 58万9153人 475万9833人
10.1% 62.3% 10.6% 12.4% (100%)

 ご覧の通り、中国からの観光客数はわずか4年で2.4倍になった。世界的な不況で訪日観光客数が2割以上落ち込んだ2009年も、中国人観光客は5.7%増加。ついに、全観光客の1割を突破した。
 上のニュースでも紹介されているように、2010年7月には中国人向け訪日ビザの条件が緩和された。中国人観光客がさらに増えることは、確実と見られている。中国1国だけで、ヨーロッパ(全訪日観光客の10.6%)、北米(12.4%)を超える日も遠くなさそうだ。

 ところで、同じmsn産経ニュースには、7月5日付け記事「【主張】中国人ビザ緩和 治安を悪化させぬ対策も」も掲載されている。ビザ発給条件の緩和は、中国人の不法滞在者を増やすのではないかと懸念する内容だ。
 気持ちは分かる。法務省の「平成21年版犯罪白書のあらまし」によれば、2008年における来日外国人被疑事件のうち、中国人が占める割合は32.0%でトップ(2位は韓国・朝鮮で18.3%)。ただ、中国人観光客の増加には、治安悪化の危険性を上回るメリットがあると思っている。

 それは、「日本ファン」を増やすことだ。

 訪日中国人は、少なくとも日本に対し、さほどの悪意は抱いてないはずだ。そうした人々を歓待し、日本の文化や商品、サービス、そして日本人の良さを伝えるのは大事なこと。これから数十年間は、中国(そしてインド)の季節だ。世界のなかで覇権を握る国にたくさんの日本ファンがいれば、私たちの立場はそれだけ有利になる。

 増え続ける中国人観光客を、遠ざける必要などない。彼らに日本の美点をアピールする方法を早急に確立し、どんどん観光客を受け入れて日本ファンを増やす。それは、直接的な経済効果より、ずっと価値のあることだと思うのだ。

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日本の囲碁・名人戦の持ち時間は、世界戦に比べて2.67倍も長い

世界囲碁名人争覇戦、井山名人が敗退

 日中韓3カ国の「名人」のタイトルを持つ棋士が競う「中国常徳杯・世界囲碁名人争覇戦」(人民日報社、中国囲棋協会主催、朝日新聞社後援)の第2戦は25日、中国湖南省常徳市で打たれ、中国の古力(クー・リー)名人(27)が日本の井山裕太名人(21)に白番4目半勝ちした。これで井山名人の敗退が決定した。

(2010年7月25日 朝日新聞)

 国際棋戦で、また日本の棋士が敗れた。

 上の記事によれば、井山名人は「途中までは僕のほうが形勢が良かったと思う。決め手もあったはずだが、秒読みになってから何度もミスをしてしまった」と話しているそうだ。
 世界囲碁名人争覇戦の持ち時間は、各3時間となっている。これに対し、日本における名人戦の持ち時間は各8時間で、世界戦より2.67倍長い。持ち時間に対する感覚のずれが、井山名人の敗因の1つであった可能性は否定できない。

 日本、韓国、中国には、それぞれ「7大棋戦」と呼ばれるタイトル戦がある。それらの持ち時間と、代表的な国際棋戦の持ち時間をまとめたのが下の表だ。情報は全て、井上徳昭さんが運営しているサイト「囲碁データベース」を参照させていただいた。

  棋戦名 持ち時間
日本 棋聖戦 8時間
名人戦 8時間
本因坊戦 8時間
十段戦 4時間
天元戦 3時間
王座戦 3時間
碁聖戦 4時間
韓国 名人戦 2時間
電子ランド杯・王中王戦 10分
GSカルテックス杯プロ棋戦 3時間
十段戦 10分
国手戦 3時間
物価情報杯プロ棋戦 10分
バッカス杯・天元戦 1時間
中国 倡棋杯プロ棋士戦 3時間30分
天元戦 3時間
阿含桐山杯・早碁オープン戦 なし(1手30秒)
NEC杯・早碁戦 なし(1手30秒)
リコー杯囲碁戦 3時間
招商銀行杯・中国圍棋電視快棋戦 なし(1手30秒)
名人戦 3時間
国際棋戦 応昌期杯・世界プロ囲碁選手権戦 3時間30分
BCカード杯世界選手権戦 2時間
LG杯・世界棋王戦 3時間
三星火災杯・ワールド囲碁マスターズ 2時間
春蘭杯・世界プロ囲碁選手権戦 3時間
富士通杯・世界囲碁選手権戦 3時間

 ご覧の通り、国際棋戦の持ち時間は2~3時間というところが多い。韓国・中国でも、早碁を除いた棋戦の持ち時間は、3時間制が中心だ。これに対し、日本のタイトル戦の持ち時間は長い。とりわけ、棋聖戦・名人戦・本因坊戦の3大タイトルは、どれも2日制・持ち時間各8時間で行われている。3時間という持ち時間に不慣れな点は、国際棋戦に出場する日本の棋士にとって、かなりの足かせになっているのだ。

 しかし、国際棋戦に合わせて2日制のタイトル戦を廃止する必要は、全くないと思っている。なぜなら、2日制タイトル戦には、日本独自の「囲碁観」が反映されているからだ。

 韓国・中国における囲碁は、「勝負」であり「競技」だ。彼らは限られた時間のなかで、「最善手」ではなく「相手に勝つための手」を繰り出し、徹底して勝負にこだわる。序盤の、いくら考えてもきりがないような局面で、無駄に時間を使うことは少ないという印象だ。
 これに対し、日本の囲碁は「芸」の色合いが濃い。局面での最善手を求め、時に序盤でも湯水のように時間を使う。その代表格が、昨年亡くなった梶原武雄氏だろう。2日制の対局で1日目に9手しか打たず、「今日の蛤は重い」とつぶやいたエピソードは有名。Wikipediaで紹介されている「碁は序盤こそが学問、中盤は戦争屋に、終盤は能吏にまかせておけばよい」というセリフも、いかにも梶原先生らしいものだ。勝負よりも、美しい碁を打つ方が、優先順位はずっと高いのだ。
 このあたりの事情は、総合格闘技とプロレスとの関係に似ている。ロマンを大切にするプロレスは、勝利だけを一直線に求める総合格闘技に駆逐されかけた。だが、テレビのゴールデンタイム枠から追い出されても、プロレスを愛する人はまだまだたくさんいる。僕も、国際棋戦の流れから遅れていようが、2日制にこだわる日本の囲碁が好きなのだ。

 もちろん、韓国や中国の棋士に、日本の棋士が負け続けるのはつらい。藤沢秀行、林海峰、大竹英雄、加藤正夫、石田芳夫、武宮正樹、小林光一、そして趙治勲といった巨人たちが激しく争っていた1980年代のように、日本の囲碁界が輝きを取り戻して欲しい。そのためには、井山名人と同世代のライバルが、国内にもう1人登場することが必要。20歳前後で、韓・中の若手に対抗できる有望株が現れることを、心から期待している。

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