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生活保護を受けているのは35世帯に1世帯

生活保護受給140万世帯に 過去最多更新、9月時点

全国の生活保護を受給している世帯数が、今年9月時点で140万8407世帯に上り、過去最多を更新したことが14日、厚生労働省の集計で分かった。前年同月比では、約14万世帯の増加となった。

(2010年12月14日 47NEWS・共同通信)

 厚生労働省の「福祉行政報告例(平成22年9月分概数)」によれば、2010年9月時点で生活保護を受けている「被保護世帯数」は、140万8407世帯だった。これは、上の47NEWS記事でも紹介されている通り、過去最悪の数字。総世帯に占める被保護世帯の割合である「保護率」も、2.84%と1956年以来の高水準に達している。35世帯に1世帯が、生活保護を受けている計算だ。
 下の表は、国立社会保障・人口問題研究所の「『生活保護』に関する公的統計データ一覧」ページなどから、被保護世帯数、保護率を抜き出したものだ。

  被保護世帯数 保護率
1953年度 68万0289世帯 3.96%
1960年度 61万1456世帯 2.72%
1970年度 65万8277世帯 2.20%
1980年度 74万6997世帯 2.11%
1990年度 62万3755世帯 1.55%
2000年度 75万1303世帯 1.65%
2005年度 104万1508世帯 2.21%
2006年度 107万5820世帯 2.26%
2007年度 110万5275世帯 2.30%
2008年度 114万8766世帯 2.40%
2009年度 123万6209世帯 2.58%
2010年度 136万4978世帯 2.84%

※2008年度までのデータは、国立社会保障・人口問題研究所のデータを掲載。2009、2010年度については、「福祉行政報告例」と、厚生労働省の「平成21年 国民生活基礎調査の概況」のデータを元に独自に算出した。また、2010年度時点の総世帯数は未発表なので、2009年度の数値を流用している。

 さらに、調査が始まった1953年度以来の保護率を、折れ線グラフ化したのが下図。

被保護世帯の割合 

 被保護世帯が最も少なかったのは、1990年代初頭だ。当時は国債の発行残高が100兆円を超え、福祉政策の見直しが行われていた時期。生活保護の条件は、年々厳しくなっていた。そこに、バブル景気による世帯収入の上昇が加わったのが、被保護世帯数が底を打った背景だ。
 風向きが変わったのは、1999年あたりである。1991~1998年度には1.4%台で推移していた保護率が、この年1.5%を突破。それ以降、保護率は年に0.1%程度のペースで上昇を続けた。そして、2009年度は0.18%、2010年度は0.26%も増加。生活保護を受ける人の割合は、この2年ほどで急激に増えているのだ。
 ちなみに1999年と言えば、当ブログの2010年5月21日付け記事「世帯所得17.6%減って本当?~報道される数字のマジック」でも紹介したように、1世帯あたりの所得が急激に落ち込んだ年だ。所得の減少は、被保護世帯の増加と、きれいに反比例している。

 また、1999年度と2009年度における、世帯類型別に見た被保護世帯の内訳は下表の通り。

  1999年度 2009年度 増加率
高齢者世帯 31万5933世帯 56万3061世帯 78%増
障害者・傷病者世帯 27万8520世帯 43万5956世帯 57%増
母子世帯 5万8435世帯 9万9592世帯 70%増
その他世帯 5万0184世帯 17万1978世帯 243%増

 高齢者世帯や母子世帯などのいわゆる「経済弱者」も、生活保護を受ける割合が高まっている。しかし、「その他世帯」の増加率は、さらにすさまじい。これは、ごく普通の世帯が、生活保護を受けるケースが急増していることを意味する。

 今後、被保護世帯数はさらに増えるのか。それとも、増加に歯止めがかかるのか。日本の経済状況を見極める上でも、注目すべき指標だろう。

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児童福祉司1人あたりの対応件数は、10年間で93%増加

福祉司の94%が過大負担実感 児童虐待対応で

 都道府県や政令指定都市などの児童相談所で児童虐待問題を担当する児童福祉司のうち94%が、児童虐待への対応業務について負担の大きさを実感していることが7日、総務省が公表した意識調査で明らかになった。児童相談所と連携するなどで問題に当たる市区町村の担当職員も77%が負担の大きさを感じていると訴えており、各自治体は体制の再構築を迫られそうだ。

(2010年12月7日 47NEWS・共同通信)

 上の47NEWS記事のネタ元は、総務省の「児童虐待の防止等に関する意識等調査結果」。急増する児童虐待に直面し、児童福祉司などのナマの声が伝えられている。

 調査によれば、児童福祉司の91.4%が「被虐待児童に対する支援に困難を感じることがある」と答えている。その理由として最も多く挙げられているのが、「人員配置に余裕がなく、きめ細やかなケアを行う時間がないから」というものだ。また、上の記事でも紹介されているように、94.0%の児童福祉司が、児童虐待対応に対して「負担が非常に大きいと思う」もしくは「負担が大きいと思う」と回答している
 それもそのはず。1人の児童福祉司が対応する児童虐待の件数は、年々増えているからだ。下の表は、内閣府の「少子化対策ホームページ」内にある「子ども・子育て新システム検討会議作業グループ 基本制度ワーキングチーム 第2回会合」の資料から、1999年以降の児童虐待相談対応件数と児童福祉司数を抜粋したもの。また、相談対応件数を児童福祉司数で割った「1人あたり件数」も算出した。

  相談対応件数(A) 児童福祉司数(B) 1人あたり件数(A÷B)
1999年 1万1631件 1230人 9.5件
2000年 1万7725件 1313人 13.5件
2001年 2万3274件 1480人 15.7件
2002年 2万3738件 1627人 14.6件
2003年 2万6569件 1733人 15.3件
2004年 3万3408件 1713人 18.4件
2005年 3万4472件 1989人 17.3件
2006年 3万7323件 2139人 17.4件
2007年 4万0639件 2263人 18.0件
2008年 4万2664件 2358人 18.1件
2009年 4万4201件 2428人 18.2件

 1999年から2009年までの10年で、児童虐待の相談対応件数は3.8倍に増えた。一方、児童福祉司数の増加は、2.0倍にとどまっている。その結果、児童福祉司1人あたりの対応件数は、9.5件から18.2件へと93%増加。これだけ仕事量が増えれば、現場が疲弊するのは当然のことだ。

 ベテランの不足も深刻だ。調査によれば、「児童虐待に対して適切な判断を下すために、3年以上の経験が必要」と答えた児童福祉司は41.6%、「5年以上の経験が必要」と答えた児童福祉司は32.0%いた。一人前になるまで3~5年かかるというのが、現場での共通認識なのだろう。これに対し、2009年度末時点で経験年数が3年以上の児童福祉司は、43.3%に過ぎないという。
 ベテランは数多くの案件を抱えて疲れ果て、経験の浅い人は自らの判断に自信を持てないまま対応に駆り出される。調査結果からは、そんな現場の様子が浮かび上がってくる。

 ところで、「児童虐待の防止等に関する意識等調査結果」によれば、1人の児童福祉司が常時受け持っている児童虐待事例の件数は、平均で31件だという。これは、何を意味するのか?
 上で紹介した「18.2件」(2009年)とは、年間の相談対応件数を児童福祉司の人数で割ったもの。「31件」は、これより7割ほど多い。つまり、児童福祉司が担当している案件の中には、1年以内には終わらず、長期にわたって対処しなければならないものが相当数含まれているということなのだろう。
 児童虐待の発生要因は、「保護者の養育能力の不足」「複雑な家族構造」「家庭の経済的貧困」「保護者の精神疾患」「保護者の地域からの孤立」など。これらは全て、一朝一夕に解消するのは不可能。地方自治体や病院、警察、学校などと協力しながら、長い時間をかけて対処しなければならない性質のものだ。しかし、「関係機関との連携が十分機能している」「どちらかといえば機能している」と答えた介護福祉士は21.5%。こちらの局面でも、状況は芳しくない。

 日本は資源がない国。人材を売るより他に道はない。だから、子育て環境の整備には最優先で資源を配分すべきというのが、僕の基本的な立ち位置だ。この問題に関しても同様。現状を打開するには、児童福祉司を増員し、同時に、彼らを支援するための仕組みを強化するしかない。要は、予算をつけなきゃいかんのである。

 個人的には、今話題になっている法人税減税などの施策より、児童福祉司増の方がずっと大事な課題だと思うんだけどなあ。

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2011年7月以降に使えなくなる「非・地デジ対応テレビ」は、6108万台に上る

地デジ世帯普及率、9割突破 未対応は745万世帯

 来年7月の地上デジタル放送(地デジ)への完全移行を控え、地デジに対応した受信機の世帯普及率が9月末現在で90.3%にのぼったことが24日、総務省のまとめでわかった。家電エコポイント制度の延長でデジタルテレビの販売が伸び、3月末から6.5ポイント上昇したが、目標の91%はわずかに下回った。

(2010年11月24日 朝日新聞)

 地上デジタル受信機の世帯普及率が9割を超えたと、総務省が発表したらしい。だが、これは「大本営発表」だ。
 上の朝日新聞記事によれば、「普及率90.3%」とは「地デジ対応機器は持っているが、実際には地デジを見られない世帯」も含んだ数字。対応アンテナがないなどの理由で地デジを見られない世帯が、5.2%あるようだ。そのため、現時点で地デジが見られるのは85.1%。これが、本来発表するべき「普及率」だろう。
 「85.1%」という数字そのものにも疑問符がつく。データは「地上デジタルテレビ放送に関する浸透度調査の結果」として、数日中に公表されると思うが、これはRDD→郵送によるアンケート回収という手法をとっているはず。特に若い世代に関しては、正確な結果が得られない危険性が大きい。ちなみに、NHK放送文化研究所の「2010年6月全国接触者率調査」によれば、地デジの世帯普及率は66.9%。総務省の調査とは20%近い差がある。果たして、どちらが実態に近いのだろうか?

 仮に総務省の発表が正しいとしよう。それでも、地デジへの完全切り替えにより、視聴者のテレビ離れはいっそう加速すると見る。なぜなら、現在日本の各家庭に設置されているテレビのうち、半分近くが「受信不可」になるからだ。

 内閣府の「消費動向調査」によれば、2010年3月時点におけるカラーテレビの1世帯あたり保有台数は2.43台。一方、総務省の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によれば、2010年3月時点の世帯数は5336万。つまり、日本全体におけるカラーテレビの保有台数は、5336万世帯×2.43台=1億2966万台となる。
 これに対し、電子情報技術産業協会(JEITA)の「地上デジタルテレビ放送受信機国内出荷実績」によれば、2003年から2010年9月までに国内で出荷された地デジ対応テレビは5639万台。地デジチューナーとケーブルテレビ用セットトップボックスを加えても、6858万台にしかならない。これらの機器が、全て破棄されずに稼働していると仮定しても、1億2966万台-6858万台=6108万台のテレビが「非・地デジ対応テレビ」。これらの大半が、2011年7月24日以降は利用できなくなるわけだ。

 6000万台以上のテレビが使えなくなれば、視聴者のテレビとの接触機会も激減するだろう。テレビ業界には、当然、重大な影響がでるはず。おそらく、来年早々には、業界からの延期要請が活発化するのではないか。

 総務省は、地デジ完全切り替えを実現したいのだろう。しかし、結局は先送りされるのではないかと、僕は見ている。

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