ホーム > タグ > 社会
社会
75歳以上の高齢者の所在確認には、396億円が必要?
- 2010年8月25日 22:07
- ニュースな数字
90歳以上に対象広げ調査へ 所在不明問題発端の足立区
高齢者所在不明問題の発端となった東京都足立区は25日、高齢者の所在確認調査の対象を、これまでの100歳以上から、90歳以上に広げると発表した。早ければ来月13日から、民生委員が訪問調査する。
足立区が、90歳以上の高齢者に対して所在確認を取るという。さらに、「75歳以上も所在確認へ 津島市」(2010年8月20日付け 読売新聞)、「鯖江市が75歳以上の所在確認へ 高齢者7400人が対象」(2010年8月24日付け 福井新聞)、「(滋賀県の)嘉田県知事、75歳以上13万人の所在確認検討」(2010年8月24日付け 京都新聞)など、調査対象を75歳以上に拡げる自治体も現れている。
国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」によれば、2008年時点の90歳以上人口は127万6000人。75歳以上人口は、1317万人にのぼる。このうち、後期高齢者医療保険と介護保険サービスのいずれかを利用している人には、所在確認を取る必要はない。しかし、どちらにも該当していない場合、本人のもとに足を運ぶ必要があるだろう。
仮に、担当する地方自治体の職員が、1日あたり1件の所在確認を処理するとしよう。もちろん、現地に足を運ぶだけなら、大した手間も時間もかからない。しかし、高齢者へのアポ取り、現地での本人確認以外に、無駄足に終わった場合の周辺調査や再調査、介護や健康状態などで問題が見つかった際の対応などが発生する可能性もある。手をつけてみたら、意外に手間がかかる仕事のような気がするのだ。一方、本人確認が必要な人が、75歳以上人口の1割だと仮定する。対象者は、全国で132万人。この前提だと、延べ132万人の地方自治体職員が、丸1日かけて確認作業をすることになる。
総務省の「平成21年 地方公務員給与の実態」によれば、地方公務員の平均給与(諸手当を含む)は月額43万2000円。これに、年額200万円程度と考えられる賞与を加えると、職員1人あたりの年収は700万円前後。1年間の勤務日数を230日と考えれば、職員の日給は約3万円となる。つまり、132万人の高齢者の所在確認を行うと、132万人×3万円=396億円がかかるわけだ。
ちなみに、10月1日からは「平成22年国勢調査」が始まる。上手に仕組みを作れば、国勢調査と高齢者の所在確認作業を一挙にやることもできたのかな? まあ、国勢調査の管轄は総務省で、高齢者問題は厚生労働省と地方自治体。というわけで、「国勢調査を通じて高齢者の所在を確認」というアイディアが実現する可能性は、万が一にもなかっただろうけど……。
1日15m掘り進めば、地下700mの33人を救助できるのは47日目
- 2010年8月24日 19:18
- ニュースな数字
「元気だが空腹」…チリ落盤事故、通話に成功
【リオデジャネイロ=浜砂雅一】南米チリ北部コピアポ近郊の鉱山の地下約700メートルの避難所に作業員33人が閉じこめられた落盤事故で、チリのゴルボルネ鉱業相は23日、救助隊が作業員らと電話ケーブルを通じて会話に成功したことを明らかにした。
作業員らは「みんな元気で、空腹だ」と話し、食料の供給や換気対策などを求めたという。
読んでいるだけで胸が苦しくなってくるようなニュース。
記事によれば、避難所の広さは約50平方メートル。わずか15畳ほどの場所に、33人の成人男性が閉じこめられているわけだ。気温・湿度は高く、換気も十分ではない。救出用の穴を掘る掘削機が用意されたが、避難所に到達するまで3~4カ月かかるらしい。
状況は非常に厳しい。しかし、希望はある。事故が起きたのは今月5日。つまり、半月以上、外部との連絡も補給もなしで、彼らは生き延びてきたのだ。また、8月24日付け朝日新聞記事「33人生き埋め救出、チリ保健省がNASAに協力要請」中の図版を見ると、落盤が発生したのは地下400~500メートル付近。避難所からはそれなりに離れている。ということは、安全性は劣るかもしれないが、避難所周辺の坑道も生存スペースとして利用できるということだろう。使える領域がわずか50平方メートルなら、ゴミや糞尿の処理にも困難が伴うし、伝染病などが発生した場合に著しく不利。しかし、その何倍ものスペースがあれば、対処の幅はグッと広がる。
さらに、電話ケーブルや、食料などをやりとりできるパイプが設置されたことは大きい。外部との絆が持てたことで、彼らのには精神的余裕が持てるようになったはず。人が生きるのに最も力となるのは、希望なのだ。この希望を支えにして、彼らにはなんとか、あと3カ月を生き延びて欲しい。
ところで、上述の朝日新聞記事で報道されているとおり、チリ政府はNASAに協力を要請するという。宇宙飛行士が宇宙ステーションで長期間過ごす際のノウハウが、作業員が生き抜くために役立つかもしれないからだ。日本でも、技術やノウハウを提供できないものだろうか? 例えば宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「若田宇宙飛行士による軌道上遠隔医療の技術実証」や、国立極地研究所と共同で「南極と宇宙に共通する過酷な環境下での健康管理に関する医学研究」などを行っている。また、原子力燃料の企業・公益法人などから、素早く坑道を掘る技術などを提供できないだろうか。テレ朝NEWSの「チリ鉱山事故 地下700Mからの救出早くて2カ月後」によると、救助用の穴を掘るための掘削機は、1日で最大15メートル掘り進めるらしい。700メートル÷15メートル=46.7日と考えれば、最短で47日目に救助できる計算だ。もし、1日に掘り進める距離が長くなれば、それだけ作業員が救われる可能性は高くなる。
ただ金を出すだけのODAより、今回のようなケースで救いの手をさしのべる方が、よっぽど国際貢献になると思うのだ。政府には、ぜひ機敏に動いて欲しいのだが……。
アメリカの卵生産会社、サルモネラ菌が原因で2万2800トン分の卵を回収
- 2010年8月20日 18:09
- ニュースな数字
米、卵3億8千万個自主回収 サルモネラ汚染で
【ワシントン共同】米中西部アイオワ州で生産された卵がサルモネラ菌に汚染され、少なくとも数百人の食中毒を引き起こした疑いが強まり、同州の卵生産会社は19日までに、全米に出荷した約3億8千万個の自主回収を始めた。米食品医薬品局(FDA)などは、食中毒の被害がさらに拡大する恐れが強いと警告している。
3億8千万個は米国の卵消費量2日分に相当し、FDA当局者によると、近年では最大規模の回収。
このところ、異物混入や不具合などが原因で商品を回収するニュースが続いている。例えば、「チーズ金属片混入:回収、メーカー5社で100万個超」(8月20日毎日新聞)、「電子たばこ:11銘柄からニコチン検出 自粛・回収指導、厚労省が通知」(8月19日毎日新聞)、「サッポロ飲料『梅で元気』を自主回収」(8月18日msn産経ニュース)などなど。
しかし、上の記事には驚いた。何しろ、3億8000万個の卵だ。1個あたり60グラムとすると、3億8000万個×60グラム=22800000000グラム=22800000キログラム=22800トン。2トントラックで1万台分、旅客船「ふじ丸」の総トン数に匹敵する量である。これだけの卵を回収し、廃棄処分するだけでも、莫大な手間と費用がかかるだろう。失われた売上額や、食中毒患者への賠償金などを含めた損害額がどのくらいになるのか、想像もつかない。
もう一つ驚いたのは、「3億8千万個は米国の卵消費量2日分に相当」するというくだりである。外務省「各国・地域情勢」によると、アメリカの人口は3億914万人。彼らが2日で3億8000万個の卵を消費するということは、1人が1日に0.61個食べる計算になる。これは、いくら何でも多いと思ったのだ。
ところが、僕の考えは甘かった。
総務省の「世界の統計」ページにある「1人当たり供給食料」によると、アメリカにおける卵類の1人あたり供給量は、年間14.6キログラム。しかし、アメリカを上回る国は、デンマーク(19.0キログラム)、オランダ(17.5キログラム)、中国(17.0キログラム)、メキシコ(16.6キログラム)など、決して少なくない。そして日本は19.0キログラムで、デンマークと並んでトップ。日本は、世界有数の卵消費国だったのだ。高木伸一氏が運営する「たまご博物館」中の「主要国の鶏卵消費量」ページでも、日本の鶏卵消費量が世界トップクラスであると紹介されている。
農林水産省の「食糧需給表」lでは、2009年における鶏卵の「1人あたり粗食料」を19.4キログラムとしている。これを60グラムで割ると323.3。つまり、日本人は1年間で323.3個、1日あたり0.9個の鶏卵を食べているわけだ。ちなみに、8月5日付け記事「小麦粉を使った食物の半分を米食にすれば、米の消費量は1.27倍に」でも紹介したとおり、日本人が1年間に消費する米は63.2キログラム。これと比べると、いかに日本人が卵を食べているか、実感できると思う。
もちろん、マヨネーズや菓子などで食べている卵も多いのだろう。それにしても、1日に0.9個の卵を消費しているとは……。なるほど、「卵かけごはん」の本がベストセラーになるわけだ。日本人の卵好き、個人的には意外な発見だった。
韓国の小中高生の自殺率は日本より28%高い
- 2010年8月19日 14:56
- ニュースな数字
韓国で小中高生の自殺200人超 09年、社会に衝撃
【ソウル共同】韓国で昨年に自殺した小中高生が初めて200人を超え、社会に衝撃を与えている。韓国は5月に経済協力開発機構(OECD)がまとめた統計資料で、主要工業国を中心とする約30の加盟国のうち、10万人当たりの自殺率が21・5人とトップになったばかり。背景には学歴偏重による激しい受験競争や、自殺対策の遅れなどが指摘されている。
日本と韓国には、たくさんの共通点がある。その1つが、自殺率の高さだ。OECDの統計資料「自殺者数(人口十万人あたり)」によれば、28カ国の人口10万人あたり平均自殺者数は11.1人。これに対し、韓国は21.5人で28カ国中1位。日本は19.1人で3位だった。
社会事情データ図録の「主要国の自殺率長期推移(1901~2006)」によると、日本の10万人あたり自殺者数は、1900年以降、ずっと20人前後で推移。日本は伝統的に、自殺率が高い国なのだ。しかし、韓国の自殺率は昔から高かったわけではない。1980年代から1995年頃までの韓国では10人前後。自殺率については、ごく平均的な値だったといえる。ところが、1995年以降、自殺者が急増。2000年代に入ると、ついに日本を超える水準まで達してしまった。
悪いことに、韓国では若年層の自殺率も高い。上で紹介した記事は、2009年に202人の小中高生が自殺したと伝えている。そこで、日韓の小中高生の自殺率を計算してみたのが、下の表だ。
| 日本 | |||
| 生徒数 | 自殺者数 | 10万人あたり | |
| 小学生 | 706万3606人 | 1人 | 0.01人 |
| 中学生 | 361万2747人 | 79人 | 2.19人 |
| 高校生 | 355万6003人 | 226人 | 6.36人 |
| 合計 | 1423万2356人 | 306人 | 2.15人 |
| 韓国 | ||||
| 生徒数 | 自殺者数 | 10万人あたり | 日本との比較 | |
| 小学生 | 329万7000人 | 6 人 | 0.18 人 | 12.9倍 |
| 中学生 | 196万2000人 | 56人 | 2.85人 | 1.30倍 |
| 高校生 | 206万9000人 | 140人 | 6.77人 | 1.06倍 |
| 合計 | 732万8000人 | 202人 | 2.76人 | 1.28倍 |
※韓国の小中高生数は、2010年2月19日付けのワウコリア記事「ことしの学齢人口、1000万人割れの見通し」を参照。日本の小中高生数は「学校基本調査」、自殺者数は警察庁の「平成21年中における自殺の概要資料」を参照した。なお、日本の高等学校生徒数については、全日制・定時制・通信制を合計したもの。
ご覧のとおり、韓国の小中高生の自殺率は、日本より28%も高い。全体の自殺率(韓国21.5人、日本19.1人)では13%しか違わないのだから、これはかなり大きな差だ。とりわけ、小・中学生の自殺率の高さが目に付く。
韓国人の俳優や歌手の自殺が、日本でも大々的に報道されている。しかし、それは芸能界だけではなく、韓国社会全体に広がる問題なのかもしれない。どうして韓国の自殺率は急増したのか。その背景を分析することは、日本での自殺防止にも役立つはずだ。
「新規就農者」の50.3%が60歳以上
- 2010年8月18日 21:56
- ニュースな数字
農家の後継ぎ大幅増 リストラや定年退職組も
2009年に新たに農業を始めた新規就農者数が、前年より11・4%多い6万6820人だったことが18日までに、農林水産省の調査で分かった。農家の高齢化は進んでおり、子どもが年を取った両親に代わって農家を継ぐケースが増加したことが主な要因。農業生産法人への就職者数などを含む現行の新規就農者の調査を始めた06年以降、新規就農者の増加は初めて。
上の記事で取り上げられているのは、農林水産省が公表した「平成21年新規就農者調査結果の概要」だ。これによると、2009年の「新規就農者」は6万6820人。そのうち、50.3%にあたる3万3580人が、60歳以上だった。
| 2009年 年齢別新規就農者 | |
| 全新規就農者 | 6万6820人 (100%) |
| 39歳以下 | 1万5030人 22.5% |
| 40~59歳 | 1万8210人 27.3% |
| 60歳以上 | 3万5380人 50.3% |
つまり、新しく農業の世界に足を踏み入れた人の半分以上が、「定年世代」なのである。これは、驚くべき事実ではないか。
「新規就農者」には3種類に大別される。1つ目は、農業法人などに雇用された「新規雇用就農者」。2つ目は、新たに土地を手に入れて農業経営を始めた「新規参入者」。そして3つ目が、農家の世帯員で、家業を継ぐことになった「新規自営農業就農者」だ。それぞれの年齢別新規就農者数は、下記のようになる。
| 新規雇用就農者 | 新規参入者 | 新規自営農業就農者 | |
| 全世代合計 | 7570人 (100%) |
1850人 (100%) |
5万7400人 (100%) |
| 39歳以下 | 5100人 67.4% |
620人 33.5% |
9310人 16.2% |
| 40~59歳 | 1660人 21.9% |
720人 38.9% |
1万5830人 27.6% |
| 60歳以上 | 810人 10.7% |
510人 27.6% |
3万2260人 56.2% |
農業法人などに就職する「新規雇用就農者」の分野では、やはり、若い世代がかなり多い。また、農業で独立を目指す「新規参入者」の分野では、資本力とやる気を兼ね備えているであろう壮年層が目立つようだ。だが、家族の耕地を引き継ぐ「新規自営農業就農者」の分野では、56.2%が60歳以上。つまり、年老いた就農者から定年世代に引き継がれる、いわば「老老継承」が行われているわけだ。
近い将来の世界では、食糧危機が必ず起こる。その時、頼りになるのは農業だ。そして、農業のノウハウを身に付けるには、相応の期間が必要になる。だから、今から農業を始めておけば、先行者利益を得られる可能性は高い。それなのに、若い世代が農業に参入していないのはなぜか? 問題は、農業に対する魅力の少なさより、農業を始める際のハードルの高さにあると思う。
若年層に農業知識を教える機会の提供。農業経営への参入希望者に対する土地や資金の提供。そういった、若い農業従事者を増やす施策を、もっと講じるべきなのではないか。そうすれば、農業業界は活性化し、食品の質の向上や、コストの削減などにつながるかもしれない。もちろん、食糧自給率の向上にも役立つはず。
例えば、「国立農園への就職オプション付き、農業専門学校」のような仕組みがあれば、希望者は少なくないだろうし、日本のためにもなると思うのだが。
ホーム > タグ > 社会
- 注意書き
- このサイトについて
- 過去記事書庫(月別)
- サイト内を検索
- つぶやいたこと
- 過去につぶやいたこと
- ブックマークとRSS登録
- フィード
-