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社会調査

今後40年で、3大都市圏以外の人口は3分の2に減少

マンション発売5年ぶり増
10年、6.4%増 価格は19年ぶり4000万円超

 不動産経済研究所が22日発表した2010年の全国マンション発売戸数は、前年比6・4%(5106戸)増の8万4701戸となり、5年ぶりに増加に転じた。

(2011年2月23日 読売新聞)

 上で紹介した読売新聞記事にあるとおり、2010年のマンション発売戸数は前年より増えた。これも、このところの景気回復を裏付ける指標の1つと言えるだろう。
 ただ、大きな懸念もある。それは、大都市圏と地方で、回復のピッチが異なっていることだ。不動産経済研究所の「2010年全国マンション市場動向(年間のまとめ)」によると、首都圏のマンション発売戸数は22.4%増、近畿圏は9.8%増、東海・中京圏は8.9%増。しかし、関東(61.1%減)、四国(36.5%減)、九州(33.0%減)など大都市圏以外の地域では、おしなべて販売戸数が減少した。明るさが見え始めているのは、東京をはじめとした都市部だけなのである。

 こうしたなか、国土交通省の国土審議会長期展望委員会が「『国土の長期展望』中間とりまとめ」を公表した。このレポートが示す「2050年の日本」像は、衝撃的というよりほかにない。

 下の表は、同レポートの「広域ブロック別総人口」から、東京・名古屋・大阪の「3大都市圏」と、それ以外の人口推移予測を抜粋したもの。また、2010年から2050年までの40年間で、どれだけ人口が減るかという「減少率」も算出した。

  全国 東京圏 名古屋圏 大阪圏 3大都市圏以外
2005年 1億2777万人 3448万人 1123万人 1834万人 6372万人
2010年 1億2718万人 3510万人 1135万人 1834万人 6239万人
2020年 1億2273万人 3498万人 1111万人 1759万人 5905万人
2030年 1億1522万人 3408万人 1069万人 1645万人 5400万人
2040年 1億0569万人 3265万人 1016万人 1502万人 4786万人
2050年 9515万人 3090万人 958万人 1343万人 4124万人
減少率 25.2% 12.0% 15.6% 26.8% 33.9%

 レポートは、2010年から2050年までの40年間で、日本の総人口が25.2%減ると予測している。だが、東京圏では12.0%減、名古屋圏では15.6%減と、落ち込みは比較的小幅だ。
 これに対し、3大都市圏以外の地域では33.9%も人口が減ってしまう見込みだ。とりわけ、小さな市区町村ほど人口の減少率は大きく、6000人~1万人規模の市区町村では人口が半減すると考えられている。また、2005年時点で3大都市圏以外の人口は総人口の49.9%を占めるが、2050年には43.3%に低下。3大都市圏と、それ以外の地域の格差は、今後ますます広がりそうだ。その結果、「現在人が住んでいる地域の約2割が、2050年までに無居住化」「所有者不明な土地が増加」「国土の大部分で地域の扶助力が低下」などの現象が起こるだろうと、レポートは指摘している。

 過疎化が進んだ地域でも、そこで生活している人がいる限り、公的サービスが提供されなければならない。しかし、高齢者が4割を占め、医療費と年金の負担に苦しむ2050年の日本に、どれだけの余裕があるだろうか?
 このまま工夫なく進めば、日本がいずれ破たんするのは目に見えている。出生率を高めて人口減を食い止めるのか、移民の受け入れを拡大するのか、年金の受給年齢引き上げや医療費削減を大胆に進めるか、はたまた地方への支出を再検討するか……。どういった方向に舵を切るにしても、国家のグランドデザインには抜本的な手直しが必要になるだろう。

 この「『国土の長期展望』中間とりまとめ」には、平均気温の上昇や高齢化など、他にも気になる項目がたくさんある。ぜひ一読して、この国の将来について思いを馳せてみてはいかがだろう。

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企業の採用抑制だけでなく「学生の質の低下」も就職難の原因?

社説:大卒内定率68.8% 大寒波で春が見えない

 東京・神田のすし店が求人を出したところ4年制大学の学生が何人も面接にやってきたという。「あんたらが働くところじゃないよと断ったが、こんなことは初めてだ」と店主は驚いていた。
 新卒者の就職難は今年に始まったわけではない。しかし、今春卒業見込みの大学生の就職内定率は68.8%、短大生は45.3%(いずれも昨年12月1日現在)。データが残る96年以降で最低という。企業業績の回復が伝えられる中、凍りつくような就活戦線である。

(2011年1月19日 毎日新聞)

 文部科学省の報道発表「平成22年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(12月1日現在)及び厚生労働省との連携による未内定者に対する『卒業前の集中支援』の実施について」によると、大学卒業予定者の2010年12月1日時点における就職内定率は68.8%。「社会実情データ図録」の「就職(内定)率の推移(大学)」に示されているとおり、これは1996年以来、最低の水準だ。

 上で紹介した毎日新聞の社説では、「就職難」の原因として、企業による新規採用の抑制を挙げている。確かに、不況によって採用人員数を絞った企業は少なくない。だが、悪いのは企業だけだろうか? 僕は、学生側にも問題はあると見ている。

 下の表では、文部科学省の「学校基本調査」や「教育白書」を元に、1990年以来の大学(学部)卒業者数、大卒就職者数をまとめてみた。また、各年代の高校卒業者数(2010年大卒者の場合、2006年の高卒者数)と、大卒者数を高卒者数で割った数字も掲載している。

  大卒者数(A) 大卒就職者数 4年前の高卒者数(B) A÷B
1990年度 40万0103人 32万4164人 162万0425人 24.7%
1995年度 49万3277人 33万0998人 180万3219人 27.4%
2000年度 53万8683人 30万0687人 155万4549人 34.7%
2005年度 55万1016人 32万9045人 132万6844人 41.5%
2006年度 55万8184人 35万5778人 131万4809人 42.5%
2007年度 55万9090人 37万7734人 128万1334人 43.6%
2008年度 55万5690人 38万8417人 123万5012人 45.0%
2009年度 55万9539人 38万2434人 120万2738人 46.5%
2010年度 54万1428人 32万9132人 117万1501人 46.2%

 2010年、大学を卒業して企業に就職したのは32万9000人。前年より5万3000人も減った。これだけ見ると、「企業による採用抑制説」は正しそうだ。しかし、2005年以前の大卒就職者数は、概ね30万人~33万人程度で推移しているのだ。長期的な視点で見れば、企業は採用数を絞っているとは言えない。
 企業の景況感は、底を打った。それに伴い、人材需要も徐々に改善しつつあるのだ。特に、ベンチャー企業やアジア進出を目指す企業などでは、人材を積極的に求めていると聞く。
 しかし採用は、頭数だけ揃えればいいというものではない。会社の基幹を担える、能力の高い人材こそ、企業が求めるものなのだ。そこには、絶対に譲ることのない「一定のレベル」というものが存在する。

 一方、大学卒業というハードルは、年々低くなっている。1986年の高校卒業者は162万人。1990年の大学卒業者は32万人だった。当時は、高校卒業者の4人に1人しか大学を卒業できなかったわけだ。これに対し、2006年の高校卒業者数は117万人、大学卒業者は54万人。高校卒業者の2人に1人近くは、大学を卒業したたことになる。
 こうした状況で起こりうること。それは、大学生の質の低下だ。2010年5月15日付け読売新聞記事「大学生、高校で補習…埼玉の高・大が連携」は、一つの典型だろう。一昔前なら大学入試を通過できなかったはずの人が、今は大学に進むことができる。その結果、「コミュニケーション能力」や「論理的思考能力」以前に、読み書き計算といった基礎的な能力すら怪しい大学生が、明らかに増えているのだ。もちろん、「学力の高さ」と「優秀さ」は等価ではない。しかし、満足な文章も書けず、計数感覚も乏しい大学生が優秀なビジネスパーソンに成長する可能性は、きわめて小さい。

 企業が求める人材のレベルと、大学が供給する人材のレベルとのミスマッチは、年々拡大している。有り体に言えば、一定レベルに達していない大学生が増えているのだ。2011年1月20日付けSankeiBiz記事「ソニー、新卒採用の30%を外国人に アジアから採用拡大」のような動きも、優秀な日本人大学生が減り、人材を外国人に求めざるを得ない状況を象徴しているのだろう。

 企業に文句を言うのはたやすい。しかし、それだけでは問題の解決にはならないのだ。企業が求める人材像と実際の大学生の間に、どんなミスマッチがあるのか。ミスマッチを埋めるため、大学生や大学はどのように対処すればいいか。そうした振り返りこそが大事だ。
 一方、企業には、大学生が成長できる機会を数多く提供することを求めたい。インターンシップの充実、留学などを目指す学生に対する援助の拡大、学生にとって励みになるコンテストの開催……。そうした施策によって優秀な日本人学生が増えれば、企業にとっても、大きな利益につながると思う。

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近所づきあいのある男性は女性より15%少ない

「親しい人なし」男性は44%も 八王子市が中高年生活調査

 中高年世代(五十歳以上八十四歳以下)で「親しくしている近所の人がいない」と答えた人は男性では44・6%に上り、女性(32・2%)を大きく上回ったことが、八王子市が十一日に発表した中高年世代の生活実態と生活意識に関する調査で分かった。

(2011年1月12日 東京新聞)

 上で紹介した東京新聞記事は、八王子市が行った「中高年世代の生活実態と生活意識に関する調査」を取り上げている。あと数年で「中高年世代」の仲間入りをする僕としては、考えさせられ、身につまされる報告だった。以下、気になった部分を抜き書きしてみたい。

【中高年世代のみの世帯は、全体の49.5%】

 「一人暮らし」が11.0%、「配偶者とふたり暮らし」が35.0%、「親と自分のみ」が1.3%、「親と自分たち夫婦」が2.2%。つまり、中高年以上の世代だけで構成されている世帯は49.5%に上る。一方、「自分たち夫婦と未婚の子ども」や「自分たち夫婦と子ども夫婦」など、若い世代と同居しているケースは48.1%だった。
 なお、「一人暮らし」の割合は、75~79歳の世代で14.7%、80歳以上の世帯で15.6%となっている。恐らく、配偶者との死別や子供の独立などが原因なのだろう、一人暮らしを余儀なくされる危険性は年齢を重ねるほど高くなるようだ。

気にかけてくれる人は、やはり家族】

 「とくに用事がなくても、変わったことがないか、あなたに声をかけてくれる相手は?」という問いに対し、「同居の家族」と答えた人は66.5%、「別居している子または親」と答えた人は51.7%、「それ以外の親族」と答えた人は47.5%だった。一方、「近所の人」は31.9%、「仕事関係の人」は15.6%、「近所、仕事関係以外の親しい友人」は32.7%。
 やはり、互いに最も気遣い合える相手は、家族ということなのだろう。

頼りにできる友人がいない人は28.0%】

 「頼りにし、親しくしている友人の合計人数は?」という問いに対し、「0人」と答えた人が28.0%もいた。「1人」は14.0%、「2人」は17.7%、「3~4人」は17.4%、「5人以上」は22.4%だった。また、「頼りにし、親しくしている近所の方の人数は?」という問いには、「0人」と答えた人が37.6%もいた。

近所の人との交流がある男性は、女性より15%も少ない】

 近所の人と立ち話をすると答えた男性は64.4%、女性は79.7%。男性の方が、女性より15.3%も少なかった。また、近所の人におすそわけをする男性は48.5%で、女性は63.2%。こちらも、男性の方が14.7%も低かった。上で紹介した東京新聞でも触れられているように、男性の方が近隣との関係が希薄だと言える。

 信頼できる家族が身近にいれば、歳をとっても安心して暮らせるし、孤独だって避けられる。しかし、家族と離れて1人暮らしをする可能性は、誰にだってある。そんなとき、近所に信頼できる友人がいるかどうかは、生活の質を大きく左右するはずだ。
 近所づきあいは、己を守るためのセイフティネットだ。病気や災害の際に助け合ったり、有益な近隣情報を得ることだってできる。何より、人間関係が豊かになって人生を楽しめるのだ。
 特に、近所づきあいが希薄になりがちな男性は、近隣での人間関係構築に対し積極的に行動すべきではないか。自戒を込めて、そんな風に思っている。

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